三角和代のレビュー一覧

  • 猫の街から世界を夢見る

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    クトゥルフ神話は読もうとして断念した記憶があるのですが、このお話は好きだなぁ。主人公のやるべきことがしっかりしていて、感情的にぶれない感じが好き。猫も可愛いし。大事にしてくれる場所で落ち着くかと思えば、状況が変わった途端姿を現す感じもらしくて良いなぁ。

    女性は夢を見ない世界ってのも面白いな。
    そして世界を渡った後には、男よりも世界を取る辺りが非常に現実的。そこも流石女性って感じで良かったです。

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    2021年07月28日
  • 赤く微笑む春

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    エーランド島四部作「春」を読む。

    「春」は「過去に残したもの」

    石切場の小屋を相続したペール。彼が「過去から確執のあった父親の周りで起こる事件」を追うのが、今回の主要線。その他に「現在抱えるペールの家族の問題」「新たな隣人ヴェンデルの過去」「イェスロフの妻の残した日記」の四つの物語が程よい章分けで淡々と語られる。

    「春」になり、荒涼とした石灰台地にも草木や花が色めき、鳥は朗らかに囀る。
    人々は外に出て楽しみ、冬は次第に影を潜めていく。
    ただ……春霞に覆われて焦点の定まらないアンニュイな状態は、どことなく不安を募らせる。

    新緑の中の不思議な場所とエルフの気配
    誰もいなくなった白い石切場と

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    2021年04月22日
  • ウォーシップ・ガール

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    全3巻らしい。重巡洋艦AI〈トラブル・ドッグ〉とコンスタンツ艦長、クルーたち。トラブルドッグは過去の虐殺について、艦長は戦争を止めるため相手艦の艦長を撃つ命令をしたことについての後悔。役者あとがきで時間はもっと艦長が苦しむらしく…えぇ、ラストで精神的に苦しんでたのに。艦長は立ち直れるのかなぁ、続きも読みたい。

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    2022年01月16日
  • 償いは、今

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    和訳により所々分かりにくい文脈はあったが、最後はのめり込んだ。二転三転と揺さぶられた。それぞれの償いがあった。

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    2020年11月24日
  • 夏に凍える舟

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    ネタバレ

    エーランド島四部作完結編(うっかり三作目を飛ばしてしまった。。)。

    老齢探偵イェルロフの遠い昔、少年時代の恐怖体験に始まり、現代の少年の幽霊船との遭遇、意味深な男のきなくさい帰郷。
    序盤は物語がどこへ向かっているのかわからず、遅々とした展開。

    次第に動き出す物語にいつしか引き込まれている自分に気づく。スウェーデンとロシアの関係性、大戦中の悲劇を重低音として現代で繰り広げられる復讐劇。
    帰郷した男アーロンの人生を時間をかけて振り返り、人物像を積み上げていく過程が肝と感じた。

    ちょっと地味だけど、どこか没入させられる静かな典型的な北欧ミステリ。
    嫌いじゃないです。

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    2020年11月01日
  • キリング・ゲーム

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    「超絶技巧で度肝を抜く。」
    と言うコピーを帯に飾れるのは
    ジャック・カーリィ先生だけ!

    というわけで刑事カーソン・ライダー
    シリーズの七作目(未訳含めず)
    2019年12月現在最後の日本語訳なのが寂しい。

    毎回タイトルと本のデザインから、なかなか重たく手に取りづらい印象の本シリーズですが、カーソン視点で語られるのでユーモラスにスラスラ読めます。(グロさはありますが)

    今回は無差別連続殺人を繰り返す男が相手、精神的に安定してないが「ロカールの法則(犯行時、犯人と犯行現場は必ず何かしらの小さな物質を交換する)」を意識して行動するあたりからなかなか手強い。
    動機も読めない脈絡の無い殺人に
    カー

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    2019年12月20日
  • 髑髏の檻

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    カーソン・ライダーシリーズ6作目
    今回は相棒のハリーと離れ
    休暇中に自然の多い土地で
    怪事件に巻き込まれる。
    逃走中の兄も登場します。
    毎度のことながらこの兄がまた、トリッキーなのよね…「そうきたか!」みたいな手を使ってくる。

    ヒロインも毎回変わって…メインのヒロインもいるんですけど…兄が指摘するみたいに「おいカーソン」って具合にコロコロ変わってる。

    カーソンは。女性のちょっとした部分にかなりの観察力を発揮するんですが、女性だけではなく異常犯罪者達に対しても鋭く、ただ「ヤバイやつ」で済まさず何が起きてるかを読み解き、共感、解決策を見つけるあたりはさすが専門家

    髑髏の檻というタイトルの意味

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    2019年07月02日
  • 赤く微笑む春

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    エーランド島シリーズの3作目。
    季節は春になりつつあるが、北欧の寒くて寂しい雰囲気は健在。
    この舞台設定とトロールやエルフの言い伝えが非常に合っていて良い!本を読んだだけでその国の空気感を味わえるのは楽しい。
    イェルロフおじいちゃんが強い。

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    2019年01月24日
  • キリング・ゲーム

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    ネタバレ

    今回はいつもと様変わりして、複数の一人称が用いられる。
    主人公のカーソンと犯人であるグレゴリー、この二人の視点から事件が描かれて行く。

    サイコ殺人ながら犯人は分かっているので、いかにして捜査陣が犯人に迫るのか、そして何故犯行を行うのか動機探しが話しの主眼となる。

    とはいえ、ジャック・カーリィの作品だからここにトリックがあって、最後には話の構図が一変するように出来ていて、いたるところに伏線が張られている。
    このシリーズはいずれ2度読みを楽しめるな。

    完結ながら示唆に富む文章は相変わらず見事の一言で、このページ数ながら読みごたえがあるし、陰影に富む人物描写も魅力的で幾多のキャラが浮き彫りにさ

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    2018年09月16日
  • キリング・ゲーム

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    ネタバレ

    ライダー刑事第六弾。

    愚かそうな、または感情的な女性に弱いらしい。
    すっかり騙されてしまった。
    被害者ではなく、被害者を失い悲しむ人たちへの復讐という動機(?)も、
    全く気がつかなかったし。

    またもや読書の神様にやられたらしく、
    実在した施設を舞台とした事件を続けて読まされてしまった。
    こちらの作品の方が、ルーマニアの孤児院が特定されていた訳ではなく、
    描写も少なめだったので、空気の重さで言えば軽めだったが。

    面白かった。

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    2018年09月02日
  • 髑髏の檻

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    ネタバレ

    ライダー刑事第六弾。

    いつかは再登場すると思っていた兄ジェレミー。
    今回は、いつもの相棒ハリーの代わりに、ジェレミーが相棒になったといっても過言ではない。

    休暇を取ったライダー刑事が事件に巻き込まれる。
    GPSを使った宝探しゲームの「お宝」が死体だった。
    ゲームのおかしな記号の秘密には、ヒントが出てすぐに気が付いたので、
    真犯人の動機もそこらあたりあるのだろうと、見当がついた。

    しかしジェレミーが家に執着して、そこにライダー刑事が付け込むとは意外。
    危地に飛び込んだライダー刑事を助けるために、ジェレミーがFBIに飛び込んだのも意外。
    単に、FBIの身元調査のやり方を探るためだったのかもし

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    2018年08月19日
  • 赤く微笑む春

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    厳しい気候と荒涼とした海岸、さびれた村を思わせるエーランド島を舞台に、人生の冬を迎える元船長イェルロフが謎を解くシリーズ。

    過去と現在を交合に織り交ぜて、伏線をたくさん張り巡らし見事に回収。エルフやトロルなど 北欧ならではの土着的な香りがして、どこの外国でもない
    北欧のミステリーを読んでいるのだという実感がずっと感じられた。

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    2018年07月13日
  • 償いは、今

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    ネタバレ

    元恋人の圧倒的に不利な裁判に挑む弁護士のオリヴィア。昔の人柄を知っているから事件と結びつかず無実を信じているけれど、徐々に疑いが出始める。そこからが特に面白い。あの頃見ていたものと、今見ているもの。それが自分の中で揺らぎ始めていく。人の本当の姿、心の中。知っていると思っていた人の知らなかった部分。そのギャップがそのまま物語の面白さにつながっている。

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    2018年06月26日
  • 償いは、今

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    ネタバレ

    ほう。

    どんでん返しと言うか、何と言うか。って言うか、多くの推理小説では、最終的には弁護側が勝利して、真犯人は別に居たと言う事になるんだけど・・・。まぁ、これも『本当は』そうなのかもしれないけど、収監されたのは最初に犯人と目された人物。話が後ろになるにしたがって、不利な証拠が積みあがるので、「どうやって挽回するの?」と思ったら、最後には積んでしまっていたのでした。

    でも、最後の数ページ。ほんとの本当の犯人が、ほのめかされるんですよねぇ。そうかと。

    それと、償おうとして頑張ったけど、結局は物語上はダメだったわけで、邦題は如何なものかと思うね。

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    2018年05月25日
  • 埋葬された夏

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    登場人物が多くて、年代もコロコロ切り替わるので、慣れないとわかりづらい。慣れたら、とっても面白かった。

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    2018年05月07日
  • スターシップ・イレヴン 下

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    下巻は、エイリアン船をめぐって同盟と連合(正確にはゲート連合とレドモンドなんだけど、面倒だから「連合」とだけ書いておきます)が武力行使を含む政治的な駆け引きを繰り広げ、主人公イアンの持つ特殊能力がますます存在感を見せちゃって宇宙一のラインズマンになっちゃう、っていうお話。
    物語の展開上、連合中心にエピソードが進行していくから、自分的にお気に入りのレディ・リャン&ガレノス准将の出番が減っちゃって上巻よりパワーダウンした感はある。
    でも、連合側もクセ者が揃っていて、お気に入りのキャラが見つかれば、上巻よりハデな場面が多い分楽しめるかもしれない。
    ちょっと残念だったのは、主人公の強力なライバルなのか

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    2018年05月02日
  • スターシップ・イレヴン 上

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    オビに『歌う船』×『戦士志願』ってマキャフリーの新訳か新版、ビジョルドの未訳ものとかとか出る予定でもあるのですかー?(゚Д゚)ノ

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    2018年04月08日
  • キリング・ゲーム

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    カーソンシリーズ。
    ジェレミーが少ししか出てこないのが残念。
    チャウシェスク政権時代の孤児のことも知らなかったので興味深かった。
    ラストが今回読後感が良くなく・・次回に続くのか?

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    2018年03月30日
  • キリング・ゲーム

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    ネタバレ

    面白かった…けど、おいおいこれで終わりでいいの?って。後味悪いです。これはこれで終わり何でしょうか?
    今回お兄さんが何って活躍してないですね。

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    2018年03月09日
  • キリング・ゲーム

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    お馴染みの登場人物が一通り登場。フレッドの服は相変わらずステキ。事件は解決したことになるけど、この後何も起こらないんだろうか? ちょっと不穏。

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    2018年02月01日