三角和代のレビュー一覧

  • 髑髏の檻
    「インザブラッド」がたいそうおもしろかったので、続いてこれを。前作では出番がなかった、ライダーの兄ジェレミーが登場する。おお、これはどんな展開になるのかとハラハラワクワクしたが、あれ?ジェレミーがあんまり恐ろしくないような…。慣れたのかな。
  • 黄昏に眠る秋
    スウェーデンのミステリー。先にこのシリーズの最終巻を読み、ずっしりとした手応えが気に入って、初巻を手に取った。
    目の前で見ているかのような心理描写や 土地の風景に、再び引き込まれた。事件に派手さはないが、最後まで縺れた糸が続くので、退屈しない。
    主題は子を亡くした母。殺人者を含め、筆者の人間を見る温...続きを読む
  • 夏に凍える舟
    ミステリー。とはいえ推理を問う部分は薄く、癖のある人々の物語と人間関係が中心に描かれる。
    男性的で暴力が支配的なスウェーデンのミステリーの世界も、スターリン時代と照らし合わせると、カリフォルニアのように明るい。その位、旧ソ連にまつわる回想シーンが殺伐とした内容(史実に基づくだけに)だった。
    複数の人...続きを読む
  • 髑髏の檻
    カーソンシリーズの第6作。後書きを読んだら本当は7作目というのが分かってびっくりした。
    今作は休暇中のカーソンがその先で事件に巻き込まれるというストーリー。後書きにもあったが、名探偵は休暇中によく事件に巻き込まれる(笑)
    内容的には相変わらずの狂気な内容で、そこに兄の存在も多いに関わってきて、シリー...続きを読む
  • 髑髏の檻
    カーソン、ジェレミー兄ちゃんの掌の上で転がされるの巻。
    猟奇的な部分が物足りなく感じたのは慣れなのか、ゲストキャラの個性故か。
    それでも安心して読めるクオリティの高さであったよ。
  • 髑髏の檻
    シリーズ6作目。久しぶりにライダーの兄登場。相変わらず難解な心理展開などからなんとなく収束していく。今回はハリーの出番が少なく残念。
  • 髑髏の檻
    休暇中の田舎町で事件に巻き込まれるカーソン。シリーズ七作目は、良くも悪くも「休暇中の出来事」といった感じ。

    全体的にスローテンポ。いつものキレキレ本格サイコからはちょっとずれてる。カーソンの事件じゃないというぎこちなさが、作中との微妙な距離感に繋がったのかも。エグイ事件が進行中なのに、どことなくの...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    自分の人生が残り少ないのを知り、イェルロフはエーランド島の自宅に戻ってきた。
    彼を待っていたのは昔馴染みと新しい島の住民。彼らはそれぞれ人生に事情を抱えていた。

    エーランド島シリーズ3作目。
    春。
    心や身体が死と向かい合っている人たちが物語を織り成す。
    エルフやトロールといった北欧っぽいモチーフが...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    書店で見かけて手に取る。スウェーデンの作品といえば、『ミレニアム』以来。
    あちらは過激な事件だったが、これは一貫して静かなトーンで進んでいく。舞台は季節はずれのひなびた観光地、日照時間の少ないお国柄と相まって、独特の雰囲気を作り出している。
    ラストの真相は、そこまで予測していなかったが、納得。
    4部...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    スウェーデンのエーランド島を舞台にした四季を巡る四部作の第三作目。今回は、これまで探偵役を務めてきたイェロフも85歳になり、老人ホームを出て、自分の小屋戻って一人暮らしに復帰。探偵役は新しい登場人物に譲っている。今回のテーマはスウェーデンのセックス産業。
  • 黄昏に眠る秋
    二十数年前に起こった少年の失踪事件。少年の祖父のもとに少年が当日に履いていた靴が送られてきて、祖父は少年の母とともに事件の真相を探り始める。

    話のテンポはとてもスローで落ち着いた印象です。スウェーデンの霧の深いエーランド島という場所が舞台となるのですが、自然や気候の描写が巧みで行ったことのない地域...続きを読む
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8
    落ちのある話ばかりで、話として完成しすぎていて、ものたりない印象を受ける。余白というか余韻が感じられなかったので、2回読むことはないと思う。