三角和代のレビュー一覧

  • シナモンとガンパウダー

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    シェフ×女船長。極限状態にあってさえ、「美食」はなにごとにも優先される。食とは単に欲を満たすものではなくて、心を満たすものなのだと。腹の熱で酵母を発酵させるシェフの執念たるや!それに応じて、海の上ですら美しく着飾ることを怠らない女船長(※海賊)。香辛料のにおいが行間から香り立つよう。

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    2024年01月22日
  • 償いは、今

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    アメリカの作家「アラフェア・バーク」の長篇ミステリ作品『償いは、今(原題:The Ex)』を読みました。
    ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    「あなたがパパを助けないとだめ」少女の訴えを聞いて、弁護士の「オリヴィア」は愕然とした。
    少女の父親「ジャック」は、彼女の元婚約者だった。
    小説家の彼は、三人が死んだ銃撃事件の容疑者として逮捕されていた。
    現場にいたことを認め、事件の被害者の一人と深い因縁があった。
    ひどい仕打ちをして別れる原因を作った「オリヴィア」は、彼に懇願され、無実を信じて弁護を引き受けるが……予測不能のストーリーで

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    2024年01月04日
  • 霧に橋を架ける

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    「先駆者となるには、橋となれ」

    表題作「霧に橋を架ける」は、お仕事小説であるが、とても幻想的で暗示的であるにも関わらず、読後感は爽やか。

    その他に短編が10話。
    それぞれ個性的で好き嫌いがわかれるところだろう。

    お気に入りは、
    「水の名前」「噛みつき猫」「蜜蜂の川の流れる先で」……

    人はこの世界の何もかもを知っていると、自惚れている。
    そのくせ理解できないものは信じようとしない。
    でも、確かにそれはいる。ヒトの理解の外に……。

    読んでいて、ふと、感じることがある。

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    2023年12月02日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    ☆3.5くらい
    設定の面白さ、ミステリ物語としての緻密な構成は素晴らしい。だがそれを損なわせているのが文章。翻訳か原文か、どちらかがとにかくこちらの理解を曖昧なものにしてくる。するすると読めるとは言い難い。人物も多くて覚えきれず、それも分かりにくさに一役買った。誰?と思いながら読むことが何度も。
    ただそれでもサスペンスじみた構成力には脱帽だ。タイムループものは混乱して然るべきとも言えるし、整理しながら読めば傍観者ではなく探偵として没入し、もっと楽しめただろう。

    いやそれにしても久しぶりにミステリでここまで主人公に寄って物語を読めた。大抵探偵役には早く推理聞かせてくれないかな、と思っているとこ

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    2023年10月31日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    設定、あらすじ、物語ともに面白かったに違いない。
    だけど、最近では読むのに一番時間がかかった。次が気になるのになかなか読み進まない。
    原文ではもちろん読んでないので、原文のせいなのか翻訳なのかわからないが文章が読みにくいのだと思う・・・もったいない。。

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    2023年09月02日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    最初はとっつきにくくて、でも読み進めるうちに面白くなってきて、だけどどうにも頭がついていかない・・・

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    2022年11月09日
  • シナモンとガンパウダー

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    帯に惹かれて手に取りました。
    海賊にさらわれた料理人の運命やいかに!というかこの主人公、本当に料理のことばっかりで頭がいっぱいになっているのが面白い。勿論、囚われの身から抜け出すことにも頭を使っている訳ですが、それよりもパン種を作ったり、素材をいかに調理するかを考えている発想力がすごい。

    読んでいて、そうか、キリスト教は肉食を禁じていないから(そういえば子羊とかを生贄に捧げてたよな、旧約聖書では)、教会で修業した調理人は殺生を行うんだなぁと改めて思いました。
    お話の本筋はイギリスと中国の阿片貿易に絡んだなかなか骨太なお話で、人間関係の複雑さも絡み、面白かったです。個人的には味噌と醤油を日本の

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    2022年10月19日
  • シナモンとガンパウダー

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    晩餐の席に現れた女海賊マボットに雇い主を殺され、腕を見込まれて拉致された料理人ウェッジウッド。マボットに毎日曜日、ディナーを作るよう命じられるが、船内は道具も食材も劣悪な状態。試行錯誤で極上の料理を作り出す。ディナーの席で、お互い素で語り合ううち、マボットの意志に触れ、これまでの世界がひっくり返る所から、よりストーリーが面白くなる。クルー達の個性も豊かで、イギリスと阿片という時代背景や戦闘シーンの数々、命の危機など、読みどころ盛り沢山。

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    2022年09月25日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    今時流行りのループ系小説と言って良いのかはわからないけれどもループして同じ日を繰り返し、事件を解決するお話。面白いのが、一日が終わると違う宿主として目覚め、その宿主の性格や元々持っている判断力、思考力や人格に左右されるところ。期限は7日間で、傍観している人曰く、相当数繰り返しているらしい辺り、傍観者というか観察者も大変そう…

    ミステリーとしては面白いんだけど、この舞台設計を作ったというSF的な仕組みはちょっと読み終わっても「ん?」という感じ。繰り返す度に毎回注意喚起に行くのは大変そうだし、そこも踏まえて過去の自分が行った行為は7日分は更新されるんだろうか?なんかややこしい。そして、この場合モ

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    2022年07月26日
  • 猫の街から世界を夢見る

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    ラヴクラフトの描いたドリームランドのダークファンタジーな世界観が好きだ。本作はそれと同一舞台ということで手に取った。

    「未知なるカダスを夢に求めて」を先に読んでいるとあの場所だ! と思うシーンが多く出てくるため、それらの情景を老齢の女性主人公の視点で共に冒険してより一層楽しめる。
    ただこの作品は、作者が謝辞で指摘する通りラヴクラフトが描かなかった女性の物語である。そのためにウルタールに科学系の学問を教える女子カレッジが存在していたり、電池式の懐中電灯が存在していたりと、時代を考えればラヴクラフトのそれよりはるかに先進的な印象だ。ラヴクラフトの描いた古風で不便だが科学や法則に囚われない夢の国を

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    2022年06月27日
  • 猫の街から世界を夢見る

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    クトゥルフ神話テイストの異世界旅行記か?
    と思いきや……
    現代にトリップしたりして、
    タイトルの「猫の街から世界を夢見る」にぴったりな物語でした。

    ポツンと出てきたロビンソン・クルーソーが意味ありげで、個人的にはとても気になりました。
    ロビンソンは、最終的には元の世界に帰りました。

    では、主人公はどうなるのか?
    と勝手に想像しながら読んでました。

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    2022年05月07日
  • 赤く微笑む春

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    エーランド島四部作、第三弾。テーランド島に越してきた家族と、イェルロフの妻の日記を柱に、それぞれの物語が同時進行する。石切場のトロールなどファンタジーの世界や北欧の春の兆しを織り交ぜながら、静かに始まるが、終盤は怒涛の展開となる。

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    2022年04月03日
  • 冬の灯台が語るとき

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    スウェーデン、エーランド島にある双子の灯台を望む古い屋敷に越してきた家族に訪れた悲劇。前作「黄昏に眠る秋」同様、ゆっくりと人間関係が剥がされてゆく。過去と現在を往復しながら、ブリザードの雪や暗い海に世界に引き摺り込まれるような錯覚を覚える。
    前作に続き、老人イェロホフも登場し、ほっとさせられる。

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    2022年03月19日
  • ウォーシップ・ガール

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    楽しいスペオペ。
    異種族のノッドの詩的な語りとか、誰かが芸術的惑星改造をした星系とか、宇宙船の AI とか、もうギミックだけで楽しい。(^^
    戦闘シーンもあるものの、基本的に人助けの団体に所属している船が舞台なので、戦闘ばっかりみたいな話より楽しいところが多いんじゃないかな。
    AI の女の子も、ラノベにありがちな少女っていうよりは戦争のプロフェッショナルみたいな感じで好印象。
    続き物の 1 作目だと言うことなので、続きが楽しみ。
    あと、この作者の既訳の本を読んでいたってことをあとがきで知ってちょっとびっくりしました。

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    2020年12月15日
  • ウォーシップ・ガール

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    少女と犬の遺伝情報を持つ、14歳の戦闘用AIを宿す重巡洋艦、しかも退役しており人命救助を現在のミッションとしていて、極めつけは僕っ娘。マップスを彷彿とさせる設定(義体は出てこないけど)、癖のある登場人物たち、奇抜な天体の設定、シリアスな空気をまといつつ、いっそコミックがしっくり来そうな縦横無尽のスペースオペラ。三部作の第一部とのことで、今後が楽しみ

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    2020年10月11日
  • ウォーシップ・ガール

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    過去のトラウマに囚われた人ばかりでみんなウジウジしてて大丈夫か?と序盤こそ不安になりましたが、後半のスピード感ある宇宙艦隊戦がカッコよかったのですべてOK!
    元戦艦のボクっ娘AIが、皮肉を言ったりここぞと言う時にアバターをお着替えするのがカワイイ。

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    2020年10月10日
  • 償いは、今

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    ふむふむ、書評を読んで買ってみたけどなかなか。
    かなり上から目線の強気な女弁護士が、昔の婚約者の冤罪を晴らすため奔走。会話の訳がややカタいけど、プロットとキャラの魅力は十分伝わる。女性が主役のミステリは月に1冊くらいは読みたいな。

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    2018年06月03日
  • 償いは、今

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    「書評七福神」の書評を頼りに本を買う生活にも飽きて、なんなら七福神に選ばれる本を自分なりに予想してみようと始めた一冊目(無事、選出されてた)
    初めて読む作家
    タイトルの割に読みやすく
    主人公が40代なのかわからないほど軽い話し言葉でスラスラ読めました。ちょっと原文まんま訳したのか違和感のあるかしょもあったけど…

    二転三転する展開もオススメ要素ではありますが、登場人物達を想像しやすいいきいきとした描写の感じもよし。別の作品も読みたくなった。

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    2018年05月10日
  • キリング・ゲーム

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    カーソンと殺人者の視点でストーリーは展開する。五里霧中の捜査を強いられるカーソンと、奇妙な行動を続ける殺人者グレゴリー。このふたつの線はどういう関係にあるのか、どう交差するか、そこが読みどころのひとつ。

    「ミッシング・リンク」が本作品のテーマ。意外な真相へと繋がる手掛かりや伏線は、いくつものエピソードの中に巧妙かつ大胆に仕込まれているから、真相を推理することは十分可能。さらに、その先にもうひとつの驚きが仕掛けられている。そこで読者は全体の構図が反転するショックを味わうだろうし、作者の企みを確認するため再読したくなるかもしれない。

    いつも以上に攻めてきたなーという印象は強いが、ラストが若干弱

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    2017年12月31日
  • キリング・ゲーム

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    ネタバレ

    カーソン・ライダーシリーズ7作目。実際では9作目らしい。今回はカルトではあるが、あまりそれが気にならない程度でサクサク話が展開していく。終盤に無差別に見えた殺人につながりがあり、伏線がしっかり張ってあったのは読んでいて楽しかった。しかしながら最後がちょっと展開が急というか、あっけないというか。せっかくだからジェレミーにもう少し出てもらってそこまでも解決できればよかったかな。次作からは職場変更?期待。

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    2017年11月09日