三角和代のレビュー一覧

  • 名探偵と海の悪魔
     1634年、オランダ東インド会社の拠点、バタヴィア(ジャカルタ)。
    アムステルダム行きザーンダム号は、オランダに帰国する総督一行を乗せるべく、出航を待っていた。
    乗船を開始した矢先、ボロボロのローブを纏った、血だらけの包帯姿の男が叫ぶ。「ザーンダム号の貨物は罪であり、乗客すべてに無慈悲な破滅がもた...続きを読む
  • 名探偵と海の悪魔
    『イヴリン嬢は7回殺される』でとんでもSF作品を生み出したスチュワート・タートンの第2作。

    時は近世、東インド会社の商船ザーンダム号はバタヴィア(現ジャカルタ)からオランダ、アムステルダムを目指す。
    香辛料と世間に名を轟かす名探偵にして今や囚人に成り果てたサミュエル・ヒップスとその従者アレント、そ...続きを読む
  • 猫の街から世界を夢見る
    ラヴクラフトの描いたドリームランドのダークファンタジーな世界観が好きだ。本作はそれと同一舞台ということで手に取った。

    「未知なるカダスを夢に求めて」を先に読んでいるとあの場所だ! と思うシーンが多く出てくるため、それらの情景を老齢の女性主人公の視点で共に冒険してより一層楽しめる。
    ただこの作品は、...続きを読む
  • 猫の街から世界を夢見る
    クトゥルフ神話テイストの異世界旅行記か?
    と思いきや……
    現代にトリップしたりして、
    タイトルの「猫の街から世界を夢見る」にぴったりな物語でした。

    ポツンと出てきたロビンソン・クルーソーが意味ありげで、個人的にはとても気になりました。
    ロビンソンは、最終的には元の世界に帰りました。

    では、主人公...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    エーランド島四部作、第三弾。テーランド島に越してきた家族と、イェルロフの妻の日記を柱に、それぞれの物語が同時進行する。石切場のトロールなどファンタジーの世界や北欧の春の兆しを織り交ぜながら、静かに始まるが、終盤は怒涛の展開となる。
  • 名探偵と海の悪魔
    海洋冒険+怪奇小説+ミステリとはなんとも贅沢な組み合わせ。細かく生々しい描写はまるで自分も乗船して旅しているような感覚になり、いつしか悪魔の影にも怯えることに。
    読み応えたっぷりの長編ですが、面白かったです。
  • 名探偵と海の悪魔
    17世紀、航海中の東インド会社の帆船で起こる数々の事件。悪魔の所業、魔女狩りといった考えや行いが否定されない時代であり、それが事件の重要なファクターとなっている。何をしてでも手に入れたい物がある人間は、どんな悪事にも手を染めるのか?人の命を奪い続けてきた人間は、人の命の重さがどんどん軽くなっていく、...続きを読む
  • 冬の灯台が語るとき
    スウェーデン、エーランド島にある双子の灯台を望む古い屋敷に越してきた家族に訪れた悲劇。前作「黄昏に眠る秋」同様、ゆっくりと人間関係が剥がされてゆく。過去と現在を往復しながら、ブリザードの雪や暗い海に世界に引き摺り込まれるような錯覚を覚える。
    前作に続き、老人イェロホフも登場し、ほっとさせられる。
  • ウォーシップ・ガール
    楽しいスペオペ。
    異種族のノッドの詩的な語りとか、誰かが芸術的惑星改造をした星系とか、宇宙船の AI とか、もうギミックだけで楽しい。(^^
    戦闘シーンもあるものの、基本的に人助けの団体に所属している船が舞台なので、戦闘ばっかりみたいな話より楽しいところが多いんじゃないかな。
    AI の女の子も、ラノ...続きを読む
  • ウォーシップ・ガール
    少女と犬の遺伝情報を持つ、14歳の戦闘用AIを宿す重巡洋艦、しかも退役しており人命救助を現在のミッションとしていて、極めつけは僕っ娘。マップスを彷彿とさせる設定(義体は出てこないけど)、癖のある登場人物たち、奇抜な天体の設定、シリアスな空気をまといつつ、いっそコミックがしっくり来そうな縦横無尽のスペ...続きを読む
  • ウォーシップ・ガール
    過去のトラウマに囚われた人ばかりでみんなウジウジしてて大丈夫か?と序盤こそ不安になりましたが、後半のスピード感ある宇宙艦隊戦がカッコよかったのですべてOK!
    元戦艦のボクっ娘AIが、皮肉を言ったりここぞと言う時にアバターをお着替えするのがカワイイ。
  • 償いは、今
    ふむふむ、書評を読んで買ってみたけどなかなか。
    かなり上から目線の強気な女弁護士が、昔の婚約者の冤罪を晴らすため奔走。会話の訳がややカタいけど、プロットとキャラの魅力は十分伝わる。女性が主役のミステリは月に1冊くらいは読みたいな。
  • 償いは、今
    「書評七福神」の書評を頼りに本を買う生活にも飽きて、なんなら七福神に選ばれる本を自分なりに予想してみようと始めた一冊目(無事、選出されてた)
    初めて読む作家
    タイトルの割に読みやすく
    主人公が40代なのかわからないほど軽い話し言葉でスラスラ読めました。ちょっと原文まんま訳したのか違和感のあるかしょも...続きを読む
  • キリング・ゲーム
    カーソンと殺人者の視点でストーリーは展開する。五里霧中の捜査を強いられるカーソンと、奇妙な行動を続ける殺人者グレゴリー。このふたつの線はどういう関係にあるのか、どう交差するか、そこが読みどころのひとつ。

    「ミッシング・リンク」が本作品のテーマ。意外な真相へと繋がる手掛かりや伏線は、いくつものエピソ...続きを読む
  • キリング・ゲーム
    カーソン・ライダーシリーズ7作目。実際では9作目らしい。今回はカルトではあるが、あまりそれが気にならない程度でサクサク話が展開していく。終盤に無差別に見えた殺人につながりがあり、伏線がしっかり張ってあったのは読んでいて楽しかった。しかしながら最後がちょっと展開が急というか、あっけないというか。せっか...続きを読む
  • ガンメタル・ゴースト
    拡張現実とかいうと難解になりがちだが世界観もディティールも分かりやすく特に後半は一気読み。登場人物も多彩。ただ皇太子の彼女が男っぽいしゃべり方で所々紛らわしかった。原文でもそう表現されてるのかな?
  • 冬の灯台が語るとき
    ストックホルムから島に移住してきた一家。
    越して間もない頃、妻が海で溺れて発見される。
    殺されたのか?事故なのか?

    同じ頃、島に来た警察官。警察官の大叔父がその謎を解く。

    #幽霊現象
  • 黄昏に眠る秋
    読み終わるまで凄く時間がかかりました。'45の殺人事件、'70年代 の幼児失踪、を'90年代に解決するという、3つの場面が交錯するので、なかなか集中できませんでした。
    '45に殺人事件を起こした男の望郷の念がまず理解できない。なぜそんなに故郷に固執するのか。凶暴で行き当たりばったりの行動する力がある...続きを読む
  • 夏に凍える舟
    シリーズ4作とも、とても面白かった。美しい北欧の島を背景に、土地の言い伝えを交え、過去と現在が交差する物語がスリリングに展開。4作を通して探偵役を務める老船長の人柄が素敵で、味わい深いミステリーシリーズになっている。
    現在の北欧というと、今まで読んだ本や見たドラマでは、もっと暗くて荒んだイメージだっ...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    物語がなかなか進まずイライラしたけど、「むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなにもかもが、さっさと済ませねばならなくなって」って言葉が出てきて、はっとした。