三角和代のレビュー一覧
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アメリカの作家「アラフェア・バーク」の長篇ミステリ作品『償いは、今(原題:The Ex)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。
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「あなたがパパを助けないとだめ」少女の訴えを聞いて、弁護士の「オリヴィア」は愕然とした。
少女の父親「ジャック」は、彼女の元婚約者だった。
小説家の彼は、三人が死んだ銃撃事件の容疑者として逮捕されていた。
現場にいたことを認め、事件の被害者の一人と深い因縁があった。
ひどい仕打ちをして別れる原因を作った「オリヴィア」は、彼に懇願され、無実を信じて弁護を引き受けるが……予測不能のストーリーで描く俊英の衝撃作
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2017年(平成29年)のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞候補となった作品です。
ニューヨーク・ウォーターフロントで三人が射殺される事件が発生… 弁護士の「オリヴィア・ランドール」は、逮捕された容疑者が元婚約者の「ジャック・ハリス」であることを知って愕然とする、、、
かつて婚約を一方的に破った負い目のある「オリヴィア」は「ジャック」の弁護を引き受ける… しかし彼はあまりに不利な立場だった。
現場にいたばかりか、被害者の一人は、三年前に彼の妻が射殺された事件と深い関係があったのだ、、、
果たして偶然か、復讐か? 元恋人を救うべく、女性弁護士は勝ち目が薄い裁判に臨むが……。
過去の婚約者「ジャック」の娘「バックリー」からの連絡により、三人が銃殺された事件の容疑者となった「ジャック」を弁護することになった「オリヴィア」… 婚約破棄に至った経緯に悔恨の思いのある「オリヴィア」は、勝ち目が薄い裁判に臨むが、、、
「ジャック」が真犯人ではないかという疑いを感じながら弁護を進める「オリヴィア」に気持ちをシンクロさせながら読み進めましたが… いやぁ、意外な真相でしたね。
つまらない結末だったなー と思わせておいた後のどんでん返しが愉しめました… 子どものことは油断していましたね。
全篇通じて気になったのは「オリヴィア」の話し方、、、
原作が読めないので判断は難しいのですが、相手のことを全て「きみ」呼ばわりして、男性のような言葉遣いなので、誰と誰が会話しているのか、序盤は混乱しちゃいました… 違和感というか、しっくりこない感じ、「オリヴィア」の行動も共感できない部分が多かったので、感情移入が難しかったですね。 -
Posted by ブクログ
☆3.5くらい
設定の面白さ、ミステリ物語としての緻密な構成は素晴らしい。だがそれを損なわせているのが文章。翻訳か原文か、どちらかがとにかくこちらの理解を曖昧なものにしてくる。するすると読めるとは言い難い。人物も多くて覚えきれず、それも分かりにくさに一役買った。誰?と思いながら読むことが何度も。
ただそれでもサスペンスじみた構成力には脱帽だ。タイムループものは混乱して然るべきとも言えるし、整理しながら読めば傍観者ではなく探偵として没入し、もっと楽しめただろう。
いやそれにしても久しぶりにミステリでここまで主人公に寄って物語を読めた。大抵探偵役には早く推理聞かせてくれないかな、と思っているところがあるのだが、今回は真相を解き明かすのを応援しながら読んだ。長めの物語なうえ読みにくさがあったとはいえ、よい読書だった。 -
Posted by ブクログ
帯に惹かれて手に取りました。
海賊にさらわれた料理人の運命やいかに!というかこの主人公、本当に料理のことばっかりで頭がいっぱいになっているのが面白い。勿論、囚われの身から抜け出すことにも頭を使っている訳ですが、それよりもパン種を作ったり、素材をいかに調理するかを考えている発想力がすごい。
読んでいて、そうか、キリスト教は肉食を禁じていないから(そういえば子羊とかを生贄に捧げてたよな、旧約聖書では)、教会で修業した調理人は殺生を行うんだなぁと改めて思いました。
お話の本筋はイギリスと中国の阿片貿易に絡んだなかなか骨太なお話で、人間関係の複雑さも絡み、面白かったです。個人的には味噌と醤油を日本の捕鯨船から仕入れるくだりが良いな!と思いました。
そして船長さんはどこかでまた出会えるという可能性があると良いなぁなんて思いながら本を読み終えました。 -
Posted by ブクログ
今時流行りのループ系小説と言って良いのかはわからないけれどもループして同じ日を繰り返し、事件を解決するお話。面白いのが、一日が終わると違う宿主として目覚め、その宿主の性格や元々持っている判断力、思考力や人格に左右されるところ。期限は7日間で、傍観している人曰く、相当数繰り返しているらしい辺り、傍観者というか観察者も大変そう…
ミステリーとしては面白いんだけど、この舞台設計を作ったというSF的な仕組みはちょっと読み終わっても「ん?」という感じ。繰り返す度に毎回注意喚起に行くのは大変そうだし、そこも踏まえて過去の自分が行った行為は7日分は更新されるんだろうか?なんかややこしい。そして、この場合モブのような他の人物達はすべてAIが管理しているのであれば、そもそもその中から犯人を見つけ出すのは難しくない?動機づけしてない人格が勝手に動くのかな?でもそもそもAIが動かしているとしたら、ナマの人間を投入しなくても事件そのものはこの世界を走らせている機械がすべて丸っとオミトオシなんじゃないだろうか?
まぁメタ的なことは置いておくとすると、なかなか面白かったです。お前だったのかよ!みたいなところも含めて。 -
Posted by ブクログ
ラヴクラフトの描いたドリームランドのダークファンタジーな世界観が好きだ。本作はそれと同一舞台ということで手に取った。
「未知なるカダスを夢に求めて」を先に読んでいるとあの場所だ! と思うシーンが多く出てくるため、それらの情景を老齢の女性主人公の視点で共に冒険してより一層楽しめる。
ただこの作品は、作者が謝辞で指摘する通りラヴクラフトが描かなかった女性の物語である。そのためにウルタールに科学系の学問を教える女子カレッジが存在していたり、電池式の懐中電灯が存在していたりと、時代を考えればラヴクラフトのそれよりはるかに先進的な印象だ。ラヴクラフトの描いた古風で不便だが科学や法則に囚われない夢の国を期待して読むと肩透かしかもしれない。幻想の世界での厳しい現実を突きつけられる。
個人的な解釈としては夢の中にリアリティを求めた結果生まれたのが「夢の国」というわけではないため、ここまで克明に描くとラヴクラフトの描いた世界と視点が違うというレベルではなく、別物だと感じてしまった。アウトラインが都合よく暈けているほうが夢らしいのではないだろうか。これが全く違う世界として描かれていたのであれば素直に飲み込めたのだろうと思う。
このように書きはしたが、作品から一貫して訴えたいテーマを感じられるので、そこは一読と考察の余地があると思う。
神々の存在による抑圧、女性を自身の物語の添え物とする男性、女性の社会的立場・展望。
良くも悪くも現代的な作品であり、ラヴクラフトの時代に生まれることはなかった作品だと思う。彼の作品へのアンチテーゼとして創作された部分には強いメッセージ性とそれを補足するストーリーが丁寧に盛り込まれている。 -
Posted by ブクログ
カーソンと殺人者の視点でストーリーは展開する。五里霧中の捜査を強いられるカーソンと、奇妙な行動を続ける殺人者グレゴリー。このふたつの線はどういう関係にあるのか、どう交差するか、そこが読みどころのひとつ。
「ミッシング・リンク」が本作品のテーマ。意外な真相へと繋がる手掛かりや伏線は、いくつものエピソードの中に巧妙かつ大胆に仕込まれているから、真相を推理することは十分可能。さらに、その先にもうひとつの驚きが仕掛けられている。そこで読者は全体の構図が反転するショックを味わうだろうし、作者の企みを確認するため再読したくなるかもしれない。
いつも以上に攻めてきたなーという印象は強いが、ラストが若干弱い。それをスルーされたせいで、読後は不完全燃焼。