あらすじ
「命が惜しければ最高の料理を作れ!」1819年、イギリスの海辺の別荘で、海賊団に雇い主の貴族を殺害されたうえ、海賊船に拉致されてしまった料理人ウェッジウッド。女船長マボットから脅されて、週に一度、彼女だけに極上の料理を作ることに。食材も設備も不足している船で料理を作るため、経験とひらめきを総動員して工夫を重ねるウェッジウッド。徐々に船での生活に慣れていくが、やはりここは海賊船。敵対する勢力との壮絶なる戦いが待ち受けていて……。面白さ無類、唯一無二の海賊冒険×お料理小説!
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Posted by ブクログ
もう設定からおもしろすぎ。
海賊の女船長にさらわれた料理人が無事生き延びる条件は、毎週日曜日に彼女に最高の料理を振る舞うこと。わくわく!
前半は古い価値観と世界の光の当たるところで生きてきたウェッジの凝り固まった正義感にイライラしてばかりだったけど、海賊と、特に船長のマボットと過ごす中で変化していく価値観に、現代を生きるわたしもハッとさせられるところがあり心が洗われる感じがした。
映画化したら楽しいだろうな〜。マボットは、ジェシカ・チャステインとかピッタリだと思うな〜。
Posted by ブクログ
海や船自体の知識が少なく、描写を上手くイメージしきれないところはありましたが、読み進める毎に料理物だけではない色々なジャンルの小説が混ざりあい、とても面白く読むことができました。
Posted by ブクログ
海賊船の捕虜になり週に一度女船長に最高の料理を振る舞わないと殺されるという契約に縛られながら設備も材料もごみレベルの環境下で悪態つきつつも工夫凝らして毎回舌唸らせるメニュー案出する中隙あらば脱走企て失敗し挙げ句の果てに敵船の砲撃(?)で片足失いうんざりするが若い聾唖の船員に文字を教えてあげたり船長との食事楽しんだりなんだかんだで良い思い出になり船降りた今もときどき生死不明の船長恋しがる料理人の日記
Posted by ブクログ
海賊に拉致された料理人の運命は?
波乱万丈で泥臭くドラマチックで、どっちへ転ぶかわからない、珍しい雰囲気の作品です。
1819年のイギリス。
貴族に仕える料理人ウェッジウッドは、突如別荘に乗り込んで来た海賊団に雇い主を殺され、ついでに拉致されてしまった。
迫力ある美人の女海賊マボットから、週に一度、マボットのためだけの本格的な料理を作るように命じられる、「命が惜しければ」と。
優雅な暮らしで繊細なテクニックを身につけてきたウェッジウッドだが、海賊船にはろくな材料も器具もない。
既に中年で妻を亡くして気落ちしていた彼は、荒くれ男たちの中に放り込まれて絶望しかけていたが‥
運命を呪いながらも、必死でましな物を作るうちに、しだいに信頼関係が芽生えていく。
めちゃくちゃに見えたマボットも、ある目的を抱いて行動していることがわかり、感動するウェッジウッド。やがて‥?
命の危機にも何度も見舞われながら、情熱的に進んでいく物語。映画にしても良さそうです。
面白かった!
Posted by ブクログ
ふだん読まないタイプの小説だけれども面白かった!料理人ウェッジウッドが、自身の良心に苛まれつつ海賊船で料理づくりに奮闘する。女船長マボットとの交流で、今まで見えてなかった裏側の世界に戸惑い、嘆き、もはやどちらに進むにしても腹を括らざるえない状況に追い込まれる。当時のイギリスの非道ぶりも初めて知った。また読み進んでいくにつれて、マボットの印象が変わる。容赦のない残虐性と母性と、カリスマ性が入り混じり、複雑で味わい深い人間に描かれていた。最後は少しの切なさを残して幸せな結末に。
Posted by ブクログ
貴族の専属料理人だったウェッジウッドは、海賊に主人を殺され、さらわれて海賊船の料理人となる。材料も調理用具も満足にない過酷な台所事情を乗り越えつつ、海賊との波瀾に満ちた冒険がはじまる。
清濁併せ持ちつつ、大人として自身の正義を貫く海賊という、女船長マボットのキャラクターがとても印象的。
終盤の怒涛の展開は、ONE PIECEとはまた違う冒険活劇でとても面白かった。
惜しむらくは、個人的事情により、細切れ読みで読むのに2週間かかったこと。一気読みしたかったです…。
Posted by ブクログ
冒険とお料理が混ざった歴史エンタメ小説!ホントに面白かった。1819年当時の世界が文章で再現されていたし、海賊だから当然船と船の戦闘シーンもあって、とにかく少年心をくすぐられっぱなしでした。
親子や恋人同士の愛についても描かれていて、色々な視点で楽しませてもらいました‼︎そんな中で日本の味噌と醤油も登場してました笑
Posted by ブクログ
あまり読まないタイプの海洋冒険小説。
美味しい料理を作らないと死んでしまう、シェヘラザードの海賊版小説。
船長のマボットはとんでもなく魅力的な女海賊(某スマホゲーのドレイク船長みたい)だけど、主人公の料理人ウェッジウッドがヘタレすぎて、結構好き嫌いがあるかも。
特に中盤が少し中弛み。
そしてウェッジさん、脱走しすぎだろう笑
ある意味、途中の中弛みがあるからこそ、登場人物に愛着が湧き、ラストの迫力ある大海戦での散り様に心動かされるのかも。
最後は静かな中にも、過去の航海の記憶があって。余韻のあるラストでした。
Posted by ブクログ
貴族のお抱え料理人ウェッジウッドは主人を海賊団に殺されて捕虜になる。海賊団の女船長マボットはウェッジの料理を気に入り、週に一度自分のために料理を作れと言い出して……。海賊冒険お料理小説!(ミステリ要素はなし)→
常識人ウェッジウッドがとにかく融通が利かない。何度も逃げ出そうとしたり、海賊たちを下に見たりととにかく苦手キャラで正直400ページあたりまでは読むのがしんどかったんだけど、ウェッジがマボットの影響を受けて一皮剥けた後はめちゃくちゃ面白くなった!
クライマックスは最高!ラストは泣く!
小説の形式がウェッジの日記なんでウェッジに感情移入できないとなかなか読み進められないのが難点。
でも、クライマックスはすごい。ウェッジもがんばる!
そしてエピローグ!!みんな読んで!めちゃくちゃいいエピローグだから!私この終わり方すごい好き!!
ウェッジがあまりにうだうだと偏見まみれの考え方で話すから、途中でちょっと諦めかけたけど(笑)
いやぁ、読んでよかったよー。映画見てるみたいやった。
てか、これは映像化して欲しい。ラストは映像でみたい。絶対カッコいい。
Posted by ブクログ
目の前で雇い主を殺されてしまった料理人。ところが、その殺した当人である海賊船船長に拉致され、週に一度自分のためだけにご馳走をふるまえと無茶ぶりをされる……という斬新かつ怒涛な展開で幕を開ける物語は、その後も使い古された言葉なれど、まさに「波乱万丈」の一言。
賞金首の海賊なだけに、命を狙われて続けている航海だから、敵の来襲は当たり前。なおかつ、船長は別の目的をもってある人物を執拗に追い、そのために自分と船の危険度をあげてもいる。その道行きそのものもとても躍動的で、かなりわくわくさせられます。
そして囚われの料理人ウエッジウッドの孤軍奮闘ぶりがユーモラスにそして驚くひらめきを持って描かれます。脱走を諦めずシニカルな彼の個性も生き生きとしてよいのですが、海の上の貧弱な食材と道具から生み出される、船長の舌を満足させる料理の数々もまた魅力的。海賊にはかかわりたくありませんが、この一触即発のディナーには一度お目にかかりたいものです。
海賊船の人間模様もまた種々さまざまで、彼ら彼女らが背負ってきた苦難を知っていくことで、いとおしさが生まれてきます。
それでも、本筋は命の取り合いである海賊の道行きを辿る物語。ウエッジウッドと船長マボットの緊張感を保った関係の変化も物語に深みをより与えつつ、犠牲と打算と裏切りがめくるめくクライマックスを迎えていきます。
ラストシーンは、凪いだ海の波面のように穏やかでした。脳裏に浮かぶその静かな波間の中に、通り過ぎていった冒険の数々と、彼女の強さと弱さに思いを馳せるのでした。
とても好きな物語でした。
Posted by ブクログ
冒険小説。
貴族に仕える料理人ウエッジが、悪名高い女船長ハンナ・マボットの襲撃を受ける。ターゲットとされた御主人様を殺され、海賊船に拉致される。
生き抜くためにはマボットのために、乏しい食材で毎週日曜日ごちそうをつくなねばならない。
賞金がかかってる彼女を追う敵やら、妙に結束力強いクルーたちとウエッジのやり取りが面白い。
生半可でない戦闘シーンが迫力満点。痛々しく苦しいくらい。でも時々クスリとさせる場面もある
マボットの存在が素晴らしい。クレイジーなだけの女船長かと思いきや、いやいや、なんとも思慮深く魅力的な人物だった。
Posted by ブクログ
・あらすじ
海賊に拉致されたシェフと女海賊の話。
・感想
信仰心が篤く潔癖な主人公が冒険を通して今までの自分の世界の狭さを実感する。
死に触れることで生きるとは、食とは料理とは…を改めて構築していく物語。
料理人ならではの矜持を最後まで持った主人公だった。
詩的な表現が多く、ちょっと遠回しというか若干イメージしにくいというかわかりにくかったかも(わたしがその手の表現が苦手だからだろうけど)
主人公が料理をする、食べるという事の意味を改めて問い直す場面と最後の終わり方がすごく好きだった。
Posted by ブクログ
シェフ×女船長。極限状態にあってさえ、「美食」はなにごとにも優先される。食とは単に欲を満たすものではなくて、心を満たすものなのだと。腹の熱で酵母を発酵させるシェフの執念たるや!それに応じて、海の上ですら美しく着飾ることを怠らない女船長(※海賊)。香辛料のにおいが行間から香り立つよう。
Posted by ブクログ
帯に惹かれて手に取りました。
海賊にさらわれた料理人の運命やいかに!というかこの主人公、本当に料理のことばっかりで頭がいっぱいになっているのが面白い。勿論、囚われの身から抜け出すことにも頭を使っている訳ですが、それよりもパン種を作ったり、素材をいかに調理するかを考えている発想力がすごい。
読んでいて、そうか、キリスト教は肉食を禁じていないから(そういえば子羊とかを生贄に捧げてたよな、旧約聖書では)、教会で修業した調理人は殺生を行うんだなぁと改めて思いました。
お話の本筋はイギリスと中国の阿片貿易に絡んだなかなか骨太なお話で、人間関係の複雑さも絡み、面白かったです。個人的には味噌と醤油を日本の捕鯨船から仕入れるくだりが良いな!と思いました。
そして船長さんはどこかでまた出会えるという可能性があると良いなぁなんて思いながら本を読み終えました。