支倉凍砂のレビュー一覧
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SpringLogという物語に波乱なんていらない。事件なんて起こらなくていい。ただただ、2人の幸せであり続ける物語を見せてくれたらそれでいい。
書き下ろし中編『狼と香辛料の記憶』のラストには震えた。ホロの視点から見る、幸せであり続ける物語からは悲哀がひしひしと伝わって来て僕の胸も苦しい。起伏なく続く日常に恐れを感じるというホロの焦燥が痛いくらいに伝わって来て。それならばと旦那が示した策は、読者にとっても余りに魅力的。
必ずや、1巻から読み返したくなる。ファンにとっては堪らなくそそる好編だった。
ってかさ、わっち可愛すぎんだろわっち。こんな真面目くさった気障な文章書いてる間も顔が緩んで緩んで仕方 -
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「主人公とヒロインが結ばれてめでたしめでたし。二人は末永く幸せに暮らしましたとさ。とっぴんぱらりのぷう。」から始まる物語。
主人公とヒロインが結ばれるところまではっきり書き切れない作品がよく見られる中、主人公とヒロインの娘が新ヒロインになる新シリーズが始まるというのはなかなか壮大です。ドラゴンクエストVみたい。
主人公役にはコル坊が抜擢されました。前シリーズは商人ロレンスとの行商の旅という大枠があり、助けた恩、孤独の支えなんて縛りもあった上での結びつきだったので、ホロとロレンスのお互いに対する思いのバランスが取れていたのだと思います。それが、コル坊主人公では互いの思いのバランスが取れない、ま -
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ホロとロレンスはお互いの気持ちを察しつつも、ある種のタブーとして本音を交わし合うことを避けてきたのよね。そこに生まれるホロのいじらしさだったり、虚勢張っちゃう姿がべらぼうに可愛くてもう虜だったんだけど。新シリーズ「羊皮紙」のミューリは見てくれ通りの年齢で、酸いも甘いも経験したホロとは違って、いい意味で真っ直ぐな女の子。お利口さんだから、人ならざる者である自分の立場を理解はしている。だからこそ“今が大事”だと言ってコル坊への気持ちを公言することを憚らない。これが「香辛料」とは違う部分で、伝えないことが歪みを生むのではなく、伝えることがいつかきっと哀しみを連れくる。その哀しみの中で“今”の幸せを必
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あの世界が返ってきたよ!
うん、面白かったあ。
本作は『狼と香辛料』のいわば正当な続編。
青年になったコルと、ホロとロレンスの娘ミューリの物語。
なんていうか、こういうの好きなんだよね。
一度終わった物語の、その後。
物語は終わっても、彼らはその後も生きているわけで。
もちろん物語によっては蛇足になってしまうこともあるのだけど、この物語は全然そうじゃない。
それは主人公が次の世代であることもあるのだろう。
(いやまあホロとロレンスの物語でも全然いいのだけど。)
こんなその後の物語が読めるなんて、とても幸せ。
実に嬉しい。
物語的には、イギリス国教会やプロテスタントの事績をモデルに宗教と国 -
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実に5年ぶりのホロとロレンスとの再会。
いやあ、愉しいわあ。
雑誌掲載の短編3つと書き下ろしの中編ひとつという構成の短編集。
時間軸的にはシリーズ最終巻から十数年後のお話。
同時刊行で、ホロの娘と青年になったコルを主人公にした一冊が出てるので、それに合わせて文庫未掲載のお話を載せたのだろうと推測。
後書きを読むと事情は少し違ったみたいだけど、まあ、似たようなもんだし、そんなことはどうでもいい(笑)
とにかくまた彼らのお話が読めるだけで幸せ。
最初の短編の冒頭、ホロの葬送の場面にドキッとしたけど、作者のことだからまあ大丈夫だろうとは思っていた。
それにしてもそのイベントは信心深い村人にはちょ -
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ラノベを買うのは5年ぶり。つまり狼と香辛料の17巻が出て以来。まさか、またこの甘ったるい世界に浸れる日が来るなんて…願ってはいたけど、思ってもみなかった。
一旦閉じた物語を再開すると、付いて回るのが『蛇足』の声。けれど、この本に限ってはそんな声は生まれないんじゃないかな…
まるで桃の蜂蜜漬けのような甘ったるい夫婦生活を覗けただけで、胸が一杯になって、5年前ホロが愛おしくて仕方がなかったあの頃へ、時間が巻き戻ったようだった。ああ、やっぱり僕はホロが好きなんだな。そして、やっぱり僕は気持ち悪いオタクなんだな。そんな再確認をさせてくれた。
なにやら、あと1冊短編集が出るようなので気長に待とうと思う。 -
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原作14巻のエピソード。
原作は最後の山場に向けて小休止みたいな巻なので、原作1冊にコミックス1冊しか使っていない構成ですがあまり不満はありません。ただし、原作ラスト近くに結構重要なシーンがあるのですが、ここは婉曲にではなく、きちんとビジュアルをつけてもらいたかったです。コミックならではの見せ場になったんじゃないかと思うんですけれど。
あ、コミックならではと言えば、湯浴みシーンは充実してサービス満点。さらに、掲載誌の関係からか、パワーダウンしていたホロのディテールについても、久しぶりに「あとがき」でしっかりフォローされていますよ。
さて、コル坊ともお別れをして、原作はラスト2冊+エピロー -
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天使の奇跡二つ目。
いやあ、なんか幸せだなあ。
この物語、最初の不幸の底辺のような雰囲気から、シリーズ進むにつれてどんどん明るくなってきたよね。
今巻はもうなんだか幸せな雰囲気まで漂っていて、特に前半は半端なく愉しかった。
でも、こういうときはきっと落とし穴があるんだと、かの「狼と香辛料」の例で知ってたので(笑)用心してたら、うん、やっぱりその通りだった。
こういう期待を裏切らない展開は好きだ。
もちろんその後の展開も期待した通り。
そして最後の解決法も、やっぱりクースラは錬金術師なんだよなあ。
その天使の奇跡の再現がというよりも、8割がたはったりで解決してしまうところが(爆)
そんな本 -
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待ちに待った新刊ー(*´▽`*) いやあ、もう出ないのかな? 出ないのかな? ってやきもきしていました。出てくれてうれしい。しかもスピンオフキャラまで登場するとはwww むしろそのためのスピンオフだったのか? と勘ぐってしまいました。クースラがヘタレになってるって感想をちらっと見かけたけど、私はそうは思ってなくて。むしろ前へ歩き出せたんだねって思ってます。きっとフェネシスと出会う前のクースラだったら、ここまでの発見はなかっただろうなって。錬金術師ってなんだかんだ言って、その場に足踏みしたまま騒いでるって感じだったので。なので、今のクースラは「人間らしい錬金術師」だと思うし、ただの実験バカだと思
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株で大金を稼ぐ投資家SF+支倉さんらしいラブコメ。ストーリーのスタートが遅い、のが唯一の欠点。ヒロインが株に疎いので、複雑な株式投資の話を分かりやすく違和感なく説明できているので、株を知らなくても問題なし。ラブコメが邪魔になるくらいにストーリーが面白い。ストーリーの終わりまで考えてから書き込まれているので、ストーリーの展開に無駄が少なく、驚く展開が多い。株式投資と同時に人との繋がりが一つのテーマになっているので、ラブコメ要素も一気に面白くなると予想。月面という設定も今後活かす場面は多そうなので(市場の開拓という効果は持ってるが)、そこも期待。1巻が驚愕の展開で終わったので、2巻が気になってしょ
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