さくらももこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『さる』『もも』に続く初期エッセイ三部作の完結編。
まず表紙の装画が最高に笑える。
「タイってこんな柄の魚だっけ?」富士山を背に、毒を持っていそうな派手な和柄の体と、やる気のなさそうな死んだ目付きのタイの絵に、ページをめくる前から早くも「ももこワールド」へ引きずり込まれる。
めでたいタイトルとは裏腹に、中身は見事な「トホホ」の連続。しかしそこは「腐ってもまる子」、みっともない自分を最高の喜劇へとプロデュースしてみせる。情けない体験をする自分を、もう一人の自分が「冷めた目線」で実況解説する自作自演の構図が、まるで著者の心の中に「まる子」が共存しているようで爆笑を誘うのだ。
特に『怠け者の日々』での全力の怠け自慢には感服した。「あたしゃ今、一生懸命怠けているから忙しいんだよ」という、あの「まる子」のぼやき声が今にも聞こえそうだ。
漫画『ドカベン』に狂狂(くるお)しいほどハマり、ただ「怠けている」という理由だけで母親を号泣させた怠け振りには、感服するしかなかった。
笑えるだけでなく、どこかノスタルジックで癒やされる読後感は、一度味わうとクセになって抜け出せないのである。私のトホホな日常も、彼女のように冷めた目で笑い飛ばして生きていこうと思わせてくれる一冊であった。………後半へつづく。