山内昌之のレビュー一覧
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ネタバレフランスが犯した失敗の本質を的確にした指摘した上で、物は、祖国フランスの救済策を次のように書いている
強くなること
敏捷に行動すること
世論を指導すること
国の統一を保つこと
外国の政治から世論を守ること
祖国の統一を撹乱しようとする思想から青年を守ること
治めるものは高潔のある生活をすること
汝の本来の思想と生活方法を情熱的に信じること
戦時体制のアメリカ政府は、統合参謀本部を始め、軍のポストに多くの民間人を起用した。それが知のバラエティーを豊かにし、組織にバランス感覚を植え付けたのだ
学校での成績が重視される10日システムに象徴されるように、日本軍の組織人事は極めて硬直的なものであった
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太平洋戦争の日本軍の失敗に学ぶ本
組織論などで現代にもじゅうぶん通じる、ということは普遍的、本質的な話なんだろう
日本企業の組織あるあるではあった
作戦が失敗した
アメリカ→原因を分析、次の作戦に反映
日本→「気合が足りない」「次は勝てる」
無謀な意見が出た
アメリカ→ロジカルに考えて判断
日本→「あいつは本気だ、やらせてやろう」
第一陣が敗退したら、、、
アメリカ→コンティンジェンシープランを持っている
日本→「失敗するわけない」「失敗を考えるのは異端だ」
今時こんな古い考えの組織もなかなかないとは思うが、
ゼロではないだろうと思う。
少なくともうちの会社も忖度とかあるし、「あいつがあそこ -
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第二次大戦時の帝国陸海軍が犯した数々の失敗を、個別の事例の丁寧な調査と解説で分析してくれている。この手の本の中でもとてもわかりやすいものだと思う。何を読んでも当時のお粗末な意思決定や視野の狭さに呆れるが、やはり他人事ではない。特に戦艦大和の特攻にあたっての意思決定では、米国留学経験のある知性派でさえ、今考えれば合理的でない決定をしている。本書の分析によれば、「敗戦が濃厚な状況で、大和を温存しておくことは、臆病者のレッテルを貼られるだけでなく、終戦後に大和が敵国の実験などに使用されることになり、これらを何より恐れた」とされている。当時のその立場であれば当然の意思決定かもしれないが、そのせいで数千
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2016年、安部談話が出た当時に出た本だ。時勢については、変化があるといえばあるし、そのまんまといえばそう見えなくもない。今読み終えるのは、古いかといえば、今に至る社会情勢の進展を知る手がかりという意味はあるんじゃないだろうか。面白かったしね。
一番面白かったのは最後の章、世界史のリーダー論だ。このあたりは、情勢に関係なく読める。チャーチルの評価が高く、それに対して東条英機は低い。その根拠は、歴史や文学への造詣の深さに基づく、洞察力や知性だ。以前読んだ保阪正康著『昭和の怪物』の中で、東条英機は文学など読まなかったと、側近の軍人から証言されている。「われわれ軍人は、小説を読むなんて軟派なことに -
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ヘロドトス、トゥキディデス、司馬遷から、網野義彦の『無縁・公界・楽』まで、歴史学の名著30点を紹介している本です。
近代以前の日本の本として、頼山陽の『日本外史』、慈円の『愚管抄』、北畠親房の『神皇正統記』、新井白石『読史余論』、伊達千広の『大勢三転考』が選出されており、いわゆる近代的な歴史学の枠組みに収まることのない、著者のメタ・ヒストリー的な関心が反映されたラインナップになっているように思います。
ただ、どのような読者に向けて書かれた本なのか、ややわかりにくいという気もします。学問としての歴史学を志す読者にとっては、本書にあげられている著作はいずれも古典的名著であることには疑いがないも -
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ネタバレ「将来の出来事をあらかじめ知ろうと思えば、過去に目を向けないといけない。なぜかといえば、時代を問わず、この世の全ての出来事は過去に極めてよく似た先例をもっているからである。つまり、人間は行動を起こすにあたって、常に同じ様な欲望に動かされてきたので、同じ様な結果が起こってくるのである。」これは、15~16世紀のイタリアの政治思想家マキャヴェリの言である。
同様に、17世紀のフランスのルイ14世の寵臣だった外交官フランソワ・カリエールは、歴史と外交との関連について示唆に富む発言をしている。「事実や歴史に詳しいと言うことは、交渉家が敏腕であるための大切な素養の一つである。何故ならば、理屈と言うも -
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▼調べた単語
・翻って(ひるがえって):1 反対の面が出る。さっと裏返しになる。「裾が―・る」2 態度・説などが、急に変わって反対になる。「評決が―・る」
・賢慮(けんりょ):賢明な考え。すぐれた考え。
・コンテクスト:文脈
・プラグマティズム:思考の意味や真偽を行動や生起した事象の成果により決定する考え方。19世紀後半の米国に生まれ、発展した反形而上学的傾向の哲学思想。
・涵養(かんよう):水が自然に土に浸透するように、無理をしないでゆっくりと養い育てることを意味する。「読書力を―する」
・インフォーマル:公式でないさま。形式ばらないさま。略式。
・逡巡(しゅんじゅん):(スル)決断できない -
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別に世界を駆け回る仕事をしているわけじゃなし。仕事や日常生活にそれほどかかわるとも思えないんだけど、興味をひかれ面白く読んだ。もちろん、世界情勢というのは、日常につながっているというのはわかるんだけどさ。でも、それって直観的な理解とはちがうと思うんだよね。理屈でいわれて、まぁそうだね、というような。でも、本書は面白い。なんだろうな。ひとつには、そこに人間同士のポジショニングというかなぁ。悪の指導者という一個の個人が、どのようnまわりに影響を与え、権力を得て基盤を作り、ひいては国を動かしていくか、という構図がみえるからだろうか。うん。個人の単位からスタートしているから、面白いのかもしれないな。プ
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エコノミストの『2050年の世界』、フリードマンの『100年予想』をここのところ読んできた。
フリードマンの方はまだレビューにまとめてないが…。
日本については両者の見解が大きく異なるのに驚いた。
依って立つ理論の違いによるのだろう。
エコノミストは人口動態学、フリードマンは地政学だ。
最近地政学をタイトルに謳う本が多い。
その一冊として、本書を手にしたというわけで。
で、本書は必ずしも未来予想の本ではないが、フリードマンと共通する認識もあった。
例えばポーランドの評価。
地勢的にヨーロッパの中で重要な位置にあり、大国とみるべきだ、と。
ショパンの繊細なイメージと結びついて、ソ連・ロシアと -