山内昌之のレビュー一覧

  • 中東複合危機から第三次世界大戦へ イスラームの悲劇

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    著者の山内昌之氏は、中東・イスラーム史や国際関係史を専門とする歴史学者。
    本書は、中東で進行する第二次冷戦とポストモダン型戦争が複雑に絡む「中東複合危機」を、歴史や地政学の観点から分析するとともに、その危機が第三次世界大戦をもたらすというシナリオを検討したものである。
    著者はまず、現在の世界の状況を、自由主義対共産主義、資本主義対社会主義というイデオロギーの差異を基本とする国家のブロック対立を特徴としていた「第一次冷戦」に対して、中国、ロシア、イランのような、均質なイデオロギーを持つわけではないが、独裁や権威主義的な統治様式に依拠する国家群が、米欧本位で作られた国際政治経済・国際法のシステムに

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    2016年02月27日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

    購入済み

    素晴らしい

    名著「失敗の本質」の続編です。野中先生の理論が醸成させ、より判り易く書かれています。心あるビジネスリーダー必携の書です。

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    2014年08月16日
  • 嫉妬の世界史

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    古来組織と嫉妬は背中合わせでありました。
    インテリジェンスの世界でも「歴史についてよく勉強すること。歴史は相似形をかたち作ることが多いのでそれを見逃さないために。加えて動物行動学的なものと嫉妬についてもよくよく勉強すること。人間の行動原理がわかるから」といったことがよく言われるようで、この本は嫉妬の歴史についてひも解いている本であります。

    嫉妬というとプライベートの領域では女性と同一視されることが多いですが、仕事・業務・権力と紐付いた嫉妬というのは男性女性関係なく凄惨なものとなります。古来中国の宦官や大和王朝の公家に代表されるように、男の嫉妬は女性よりもむしろ陰湿さ激しさを増す場合が多いよう

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    2012年06月05日
  • 嫉妬の世界史

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    げに恐ろしきは、男の嫉妬…。この本には男の嫉妬にまつわる妨害、追放、殺戮にまつわるエピソードが古今東西に渡って収録、紹介されてあって、読みながらおなかいっぱいになってしまいました。問題作だと思います。

    あんまり具体的なことは書くまいと自分に 戒めているが、僕がとある出来事から学んだことは、男にとって嫉妬という感情が自分という人間を焼き尽くしてしまいかねないくらいに度がし難い感情であるということでした。やはり、嫉妬というものは女性のそれよりも男のそれのほうが何倍も激しいものなのだということを実感した次第でありました。

    この本はそんな「嫉妬」というものについて、古今東西のさまざまなエピソード

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    2012年02月08日
  • リーダーシップ―胆力と大局観―

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    「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」とはドイツ帝国初代宰相ビスマルクの言葉。管首相の「奇兵隊内閣」という言葉を選んだセンスを歴史を知らない悲しさだと看破。佐藤一斎の「大臣の職は、大綱を統ぶるのみ」(言志四緑)という言葉が印象に残った。自分を顧みて、やや細部にまで入り込みすぎていないか。自分の職責において「大綱を統ぶる」とは?考えさせられた。

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    2012年02月04日
  • 歴史学の名著30

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    東京大学大学院総合文化研究科教授の山内昌之氏の新刊。

    本書はちくま新書の企画として『政治学の名著30』と同時期に出版されたものだが、内容はタイトルの通りである。『史記』『ガリア戦記』『読史余論』などの古今東西の歴史の名著がずらりと並んでいる。

    名だたる歴史家がいかなる眼差しで時代をとらえ、語っているのかを本文を抜粋しながら、ごく簡単に説明されている。

    ただ、恥ずかしながら私はこの本で紹介されている「古典」をほとんど読んだことがなく、自分の無学さ、不勉強さに恥じ入る次第である。しかし本書を読めば、たとえ時間がかかってもこれら「古典」に挑戦し、歴史の面白さを体感したいと思うようになるの

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    2011年01月22日
  • 嫉妬の世界史

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    2010年に読んだ本の中でのベスト本。

    山内先生といったらイスラムのイメージだけど、こんな歴史雑学の引き出しもあったんだと、思わず感激です。

    出典もきちんとカバーしてる点など、評価できると思いましたね。

    少しユルイとは思いつつ、思わず人に話したくなっちゃう話の連続で、大変、満足でした。

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    2011年01月03日
  • 黒船以前 パックス・トクガワーナの時代

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    両者による対談形式。
    良書だと思います。この時代は、分かりにくい概説書が多い中、開国以降も念頭に置き、パックス・トクガワーナ(徳川の平和)について述べています。
    基本的には江戸政権の再評価といってよいと思います。

    食い入るように読みました。黒船以降とのセットでどうぞ。

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    2009年10月04日
  • 歴史と外交

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    国際政治や外交については20年前の本であっても、今の日本を語っているように感じる


    中公叢書 山内昌之 歴史と外交


    イスラームとヨーロッパの関係を読んで〜異なる価値観を持つ人 との付き合い方は、相互主義を前提として、その人の宗教や思想は 尊重しつつ、自分は それを受け入れる自由 と 受け入れない自由 を持つこと、と解釈した



    著者の歴史観は現実的。「歴史は 複雑に入り組んでおり、推測と主観性を消し去ることはできない 」とした上で
    「ナショナリズムは、歴史の推測や主観性を増長させる」とのこと

    日本と中国の歴史観の違い
    「自由と多様性のある日本の歴史家には、データの細部にわたり一致

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    2025年12月03日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    戦争の大局観や是非を語るのではなく、其々の戦いの戦術戦略をリーダーの資質から解説したもの。負け戦には理由があることがよく理解できる。失敗だけでなく成功例も挙げている。現代の政治や企業の組織と照らし合わせると面白い。

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    2025年11月06日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    リーダーシップの本質は、フロネシス(賢慮)ないし実践知と定義している。
    "フロネシスの中身を一言で言えば、個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断を素早く下しつつ、自らも的確な行動を取れる「実践知」のことを言う。そうした知を備えたリーダーがフロネスティック・リーダー"
    フロネスティック・リーダーの能力
    ①善い目的を作る能力
    ②場をタイムリーにつくる能力
    ③ありのまま現実を直観する能力
    ④直観の本質を概念化する能力
    ⑤概念を実現する政治力
    ⑥実践知を組織化する能力
    典型はチャーチル、目的が共有できなければミッドウェイのように

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    2025年09月13日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    野中郁次郎
    リーダーの条件
    フロシネスに求められるのも           現場感覚 大局観 判断力
    タスクフォース
    パラパラでなく重要な課題を集中させる
    サイロの反対

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    2025年08月24日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    日本の戦時期のリーダーを元にリーダー層の分析を行う。
    戦争だけで忌避感出るなら避けたほうが良いですが、それがなければ一読はありかと。
    ただ難しいなと思うのは、結局人的資質(その人による)になりかねない所でしょうか。
    時代的に仕方ありませんが。
    どちらかと言うと社会や組織論として、「抜擢」の重要性を認識すべきかもしれません。

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    2025年04月03日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    2024/07/05読破 
    一言 リーダーとしての戦績

    感想 戦争時代のリーダー達の良かった点、悪かった点を根拠を基に記載してあり、とても面白かったです。

    下記は印象に残った点
    「暗黙知」思っていること
    「形式知」思っていることを言葉にすること
    「実践知」言葉を形にしていくこと

    フロネシス=実践知

    リーダーに求める能力
    ①「大局観」②「現場感覚」③「判断力」

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    2024年07月06日
  • 大日本史

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    幕末から太平洋戦争まで、日本の近代史について語り合う対談本。

    特に外交面や当時の政治状況、旧日本軍をはじめとした組織のあり方について、教科書だけでは学べないことが書かれています。

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    2024年02月09日
  • リーダーシップは歴史に学べ

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    新聞や週刊誌に寄稿したもののまとめなので、一つ一つの文章が短く読みやすかった反面、内容が今ひとつ頭にはいりづらかったです。

    リーダーシップと言うよりも歴史に学べと言う方に重点が置かれているように感じました。
    リーダーシップも特に政治家に関するものが中心で、学びがないわけではないのですが、サラリーマンなど会社組織におけるリーダーシップを期待していると微妙かもしれません。

    ロシアのウクライナ侵攻による学びについては、中東問題と絡めながら、今後どのような事が起きる可能性があるのか?と言う内容は勉強になりました。

    リーダーシップと言う観点では、言葉と言動の一致の成功例としてのニュージーランドでの

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    2024年01月13日
  • 歴史という武器

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    歴史学者である著者が、歴史を学ぶことの効用を伝える一冊。2016年に出版された書籍で、当時の日本の政治に関する著者の見立てが語られている。与党が自民党から民主党政権に移行後、再び自民党になるような時代。過去の歴史から、世の中を見通してみようという試みを感じた。

    4章:歴史という武器から学ぶ
    が特に印象に残った。
    国が最も必要とするのが国民の強い意志であり、「大規模な一丸となった行動」
    これを実現するため
    ①国民向けの公共教育の充実、②道路や橋から光ファイバーや各種ネットワークにいたるインフラの絶え間ない現代化、③高度の学術知識を持った移民の受け入れ、④研究開発と政府の援助、⑤民間の経済活動へ

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    2023年10月21日
  • 嫉妬の世界史

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    「嫉妬」という言葉を聞いて良い感情だと感じる方は少ないだろう。だが時に自身を奮い立たせる原動力になったり、その気持ちを抱いた後に来る自身に対する嫌悪感から、より精神を高度に成長させる糧にもなったりする。斯く言う私もビジネスの世界では同僚や後輩の昇進に内心平然ならぬ感情を抱いたり、学生時代には好意を寄せる女性が他の男と話をしているのを見ては、自分は大して好きじゃないという想いとは逆の態度をとりながら自分の精神を無理やり平静に保とうとした事を思い出す。これは絵に描いたような嫉妬である。
    本書は歴史上の人物にも見られた嫉妬と、それを要因に発生した政変や粛清などを取り上げている。
    それは古代ローマ時代

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    2023年09月09日
  • 歴史を知る読書

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    ネタバレ

    ロシア大統領の特徴は、なるほどと。
     そういう風に歴史を使う政治家が、この国にはいるのかと。私たちの国の総理が、観光地に招いて結局何も生み出さなかったことを、歴史として厳しく記憶しておく必要があろう。

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    2023年07月14日
  • 歴史とは何か 世界を俯瞰する力

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    歴史学者である著者が、歴史を学ぶことの意義について論じている本です。

    著者は、司馬遷やヘロドトスから現代の歴史学者にいたるまでのさまざまな歴史にかんする議論を紹介し、人間が歴史に対してどのようにかかわり、歴史からなにを学んできたのかということについて考察をおこなっています。

    まず目を引くのは、著者が社会史に代表される現代の歴史学の動向に対して批判的なスタンスをとっていることです。著者は、歴史の叙述が生き生きとした文章によってわれわれにその魅力を示すということは、歴史にとって些末なことではなく、むしろ歴史の本質に属するものであると考えており、頼山陽の『日本外史』のような作品についても無礙にあ

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    2023年05月28日