山内昌之のレビュー一覧
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佐藤優先生と山内先生の対談。
佐藤優先生の言葉を借りると、日本が誇る最高レベルの知性が、圧倒的なコンテキストの知識を元に世界の流れを解説していく。
理屈が通っていて、そう考えていくのかと感心させられる。ISやロシアの外交政策が今の自分の世界に影響を及ぼしたとしても、自分にできることはないのだが、物事に大事な考え方や臨み方はとても参考になる。
ウイグルと中国におけるISの影響や、シーレーンにおける日本の海峡の重要性などは刺激的だった。また、沖縄における民族のテンションは我々本土の人間の皮膚感覚でははかりきれていない問題が潜在化していた。
最後の日韓問題、日中問題については、このれべるの知性を持ってしてもそう評価するのかと、面白かった。
なお、安部談話への評価や解説、各国からの評価は勉強になった。
ラストのリーダーに対する考え方は、ビジネスマンも重要視した上で修練しなければならなず、勉強になる。
流石佐藤優先生。 -
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日本が大東亜戦争で敗戦したことは知っていても,なぜ負けたのかということまでは,なかなか歴史の授業で学ぶことはないと思います。
敗戦の原因はどこにあるのか,将来にいかすべき教訓は何かということを研究したのが本書です。
文章が読みにくいということはありませんが,出来事や人物に馴染みがないので,やや読み進めるのに苦労しました。
私は自分の仕事や生活にどう活かしていくかということを考えながら読みました。
本書を読んでの私なりに得た教訓ですが,
・成功体験ばかりでもそのことだけに囚われて,視野が狭くなってしまい,そのことが大きな失敗を招く。それゆえ,失敗も貴重な経験。
・帰納的思考を大切に。経験から知識を得,それを実践しながら知識を修正していく。トライアル&エラーが重要。
失敗を取り上げることは,ともすれば当事者を非難するように受け止められ,取り上げること自体をやめさせようとすることもあるようです。しかし,責任追及という視点ではなく,何が起こったのか,その何が良くなかったのか,今後どうすべきかということは,たとえ失敗に目を向けることに気が進まないとしても,臭い物に蓋をするという姿勢ではいけないと思いました。
この本を読んでいる最中に,身近にそのような話を聞き,歴史を学ぶ姿勢は重要だと改めて認識した次第です。
本著の先駆けとなる「失敗の本質」も読んでみる予定です。 -
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ネタバレ一番上のリーダーは「戦略」を、各個隊のリーダーは「戦術」を、というイメージを受けた。
とはいえ状況において役割は相対的。
戦争なら「総大将」が「戦略」を考えて、「将軍」が「戦術」だが、それは全員が一同に居る場合で、各戦場においてはその「将軍」が「戦略」を適宜練り、「隊長級」が「戦術」を実行に移す。
とにかく、場によって求められる能力は違う。
その他にも、総合力、胆力、人身掌握力が挙げられている。
この辺りは所謂、「サラリーマン社長」と「プロの社長」の違いにも表れていると感じた。
「社長」という職業は「サラリーマン」と同様の発想では出来ないにも関わらず、年功序列というシステムにより適材適所が満たされない。
少なくとも「違う観点から考えないといけない」という事を知っている、ということが最低条件かなーと。
それにしても、菅直人のぼろくそぶりには笑った。
「奇妙な笑みを浮かべる」とか、文章で読むと面白いが、実際は洒落になってないんやろうな -
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本書で取り上げられているのは、以下の32冊である。
『歴史』ヘロドトス
『戦史』トゥキディデス
『史記』司馬遷
『漢書』班固
『日本中世史』原勝郎
『ローマ帝国衰亡史』ギボン
『日本外史』頼山陽
『イタリア・ルネサンスの文化』ブルクハルト
『中世の秋』ホイジンガ
『地中海』ブローデル
『愚管抄』慈円
『神皇正統記』北畠親房
『読史余論』新井白石
『大勢三転考』伊達千広
『世界史の流れ』ランケ
『東洋文化史』内藤湖南
『春秋左氏伝』(作者不明)
『史通』劉知幾
『アルファフリー』イブン・アッティクタカー
『歴史序説』イブン・ハルドゥーン
『歴史の研究』トインビー
『ガリア戦記』カエサル
『ヴェトナム亡国史 他』 潘佩珠(ファン・ポイチャウ)
『ロシア革命史』トロツキー
『第二次世界大戦』チャーチル
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ヴェーバー
『科挙』宮崎市定
『父と子』バーリン
『監獄の誕生』フーコー
『無縁・公界・楽』網野義彦
付録1:『知恵の七柱』ロレンス
付録2:『最終戦争論』石原莞爾
「科挙」を取り上げたのは流石である。この本は比較的読みやすいので、興味ある方は是非とも読まれるとよいと思う。 -
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ネタバレ勉強が出来る子は性格もいい,美人はキャラも美しいあるいは性格はブスなど,ある特徴とある特徴を結びつけて人物理解を簡単にする試みの中に,出世や活躍をする人は人物者であるというものがあるが,別物なのだと冷静に考えれば至極当然なことについて,これでもかと例証してくれる。
森鴎外やスターリン,毛沢東,東条英機くらいなら聞いたことがあったが,大海人皇子に対する中大兄皇子,忠長に対する家光,義経に対する頼朝,勝海舟に対する徳川慶喜,西郷隆盛に対する島津久光などそういえばというものまで歴史は嫉妬だらけ。
天才,秀才から凡人まで,嫉妬は万民に公平なんだ。
ただ,女性の嫉妬より男性の嫉妬の方がやっかいだと,世界史を嫉妬という目線から眺め渡した男性の著者がそういうのだから,きっとそうなんだろう。
以前,血なまぐさい日本画の大作を見てその強烈さに半日気持ちが悪かったことがあったが,そのことも載っていた。
前漢の高祖劉邦の正妻呂后が跡継ぎを産んだ寵姫の四肢を切断し失明させ舌を切りトイレに住まわせ人間豚として見世物にしたという逸話。壁いっぱいの絵にした画家の興味の方向性も気になるけど,西太后といい,歯止めのきかない人っているのね。
正室は臣下も追い落としまくり,この女性の死後は逆に,一族郎党皆殺しにあったとあるので,全体としておあいこなようにも見えるが
嫉妬の対象となって人生変わってそのまんまという人のほうが多く,受け流してさえいればそのうち消えてなくなるとか,抗い闘った方が勝率があがるとか,ゴールデンルールが見えてくるわけでもないので読後感は良くない。
実力を発揮しながら嫉妬をできるだけ受けずにやり過ごすためには相当のバランス感覚と大局観と感情制御術を要することはわかるのだけれど,そういう人は滅多にいないと著者も書いているので,誰もが嫉妬し嫉妬されると思っていた方がよさそう。
学者の世界の足の引っ張り合いも書かれているが,他の逸話と比較するとせこく幼稚っぽく,嫉妬を視野に入れた駆け引きを繰り広げるでもなく,一番つまらない章だった。
学校の勉強や学問に秀でるだけでは人間の全体は育たないことを自戒と共に改めて実感。 -
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ネタバレ「これから」をどう考えるか。3・11以降を生きる杖。
と、帯にあった通り、東日本大震災を経、これからをどう生きるかを9人が語っている。
養老孟:精神の復興需要が起きる
これを読みたくて買った一冊。いつもと違う養老センセ。スラスラとその思いのままに語り、面倒だから説明はヤメ、と突き放されるようないつもの文章よりも、ずっとずっと、静かでゆっくりとした口調で語られている。
「周りがうるさくなってくると静かにする。ブレーキをかける。そういう習性が身に付いているのです。」(本文より抜粋)という姿勢からきているのかもしれないが、意外なほどに、淡々と「これから」を語っていた。
「生きていれば、さまざまな悪いことが起こります。しかし、何かあったときには最終的にプラスになるように考えるしかないのです。」(本文より抜粋)
「自分の人生がよりいい作品になる。そう思えばいいのです。」
(本文より抜粋)
茂木健一郎:変化への希望
山内昌之:公欲のために私欲を捨てよう-「災後」の歴史認識
こういう事を声を大にして叫ぶのはキライなんだよな、と偏見に満ちたままに読んでみたが、至極真っ当な事を言っているだけで、不快感はなかった。なるほど、自分で主張するだけなら不快感はないわけで、私は全部に共感はしないものの、こう考える人がいること事態は喜ばしい事態なんじゃないかと思う。いろんな事を言う人がいていいわけだ。
南直哉(みなみじきさい):無力者の視線
自分の中にあるあれこれを言葉にしてくれたような文章で、普段私が考えていることを整理整頓した上に補強まで(笑)してくれたような、とても共感しやすい話だった。
大井玄:プロメテウスのように
橋本治:無用な不安はお捨てなさい
体力がないと余計な不安さえも持ち続けられない。と著者は言うが、ここのところ体調を崩していた私には至極その通り、と何度も首肯したくなった。
「私が神経を尖らせるのは、「全然大丈夫で安心できる状態ではないけれども、まだパニックを起こすような段階ではない」のまま推移しているものが、「やばい」の方向に振れるかどうかだけだ。」(本文より抜粋)
そういう事だと、再び首肯。
平易な、かつ、状況を突き放したような語り口ではあるけれど、示唆に富む内容だと思う。
ただ、私は何故かこれは寂聴さんの文章だと思いこんでいたので、「へえ、こんな事を言う人だったんだ。勘違いしていたなぁ」なんてカンチガイをしながら読んでいた(笑)。こんど、橋本治さんの著作も読んでみよう。
瀬戸内寂聴:無常-どん底は続かない
曽野綾子:「いきてるといいね」
つくづく作家なんだなぁと思った。この人の作品を読んだことはないのだけれど。
「ままへ。いきているといいね お元気ですか。」(本文より抜粋)
は思わず、だらだらと泣いてしまいました。
阿川弘之:「大丈夫、必ず復興しますよ」
阿川佐和子さんのお父さんね、という認識しかない物知らずな私。年輩の方の言葉というのは、無駄が少なくて直裁に届くようです。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
喜怒哀楽とともに、誰しも無縁ではいられない感情「嫉妬」。
時に可愛らしくさえある女性のねたみに対し、本当に恐ろしいのは男たちのそねみである。
妨害、追放、殺戮…。
あの英雄を、名君を、天才学者を、独裁者をも苦しめ惑わせた、亡国の激情とは。
歴史を動かした「大いなる嫉妬」にまつわる古今東西のエピソードを通じて、世界史を読み直す。
[ 目次 ]
序章 ねたみとそねみが歴史を変える
第1章 臣下を認められない君主
第2章 烈女の一念、男を殺す
第3章 熾烈なライヴァル関係
第4章 主人の恩寵がもたらすもの
第5章 学者世界の憂鬱
第6章 天才の迂闊、秀才の周到
第7章 独裁者の業
第8章 兄弟だからこそ
第9章 相容れない者たち
終章 嫉妬されなかった男
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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[ 内容 ]
民族宗教紛争の多発により世界は新たな対立と緊張に直面している。
中東和平や中央アジアの動向は今後どのような展開をみせるのだろうか?
世界史への登場以来、先進的な文化を誇ってきたイスラームは、けっして異質で非寛容な文明なのではない。
日本人にとっては、日本という独自の枠組にこだわることで、かれらとの協調と理解の地平はおのずと見えてくるにちがいない。
では、イスラームという入射角から光を照射すれば、世界史はどのように現れてくるのか?
世界史と日本史をつなぐ歴史的な視点を軸に、21世紀に向かう現代世界とイスラームがかかえる課題を問いなおす現代人のための一冊。
[ 目次 ]
序章 20世紀―戦争と革命の世界像
第1章 世界史の十字路―中央ユーラシア
第2章 現代史のなかのイスラーム
第3章 中東の運命
第4章 歴史家の眼
第5章 国際社会のなかの日本
終章にかえて イスラエルのバラク政権と中東和平
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本や世界で日々起きている事件の背景を知るために不可欠なのは、日本史や世界史の知識である。
ところが世界史の未履修問題で明らかになったように、歴史を学ばずに大学生や社会人になってしまう人も少なくない。
他方、教科書の歴史知識だけでは満足できない人でも、古典や大著となると縁遠くなる。
本書は多忙な現代人のために、紀元前の時代から二〇世紀にいたるまで、日本から中国やアジア、イスラームからヨーロッパなどで生まれた名著を厳選し、懇切丁寧に歴史理解への道を案内する。
歴史の面白さと読書の喜びを伝えるブックガイドの決定版。
[ 目次 ]
1 歴史への問いかけ
2 叙述の魅力
3 歴史を見る眼
4 歴史家の使命感
5 大変動のなかで
6 現代への視座
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書は多くのビジネスパーソンに愛されている野中郁次郎の代表作「失敗の本質」の続編にあたる。前作がいわば状況の
分析を通じて、日本軍という組織の特徴を洗い出し、その延長線上として日本式の組織と米系組織の退避を行うといった構造だったのに対し、本作はより直接的に、その組織でリーダーシップを振るっていた人間の分析を行おうとしている。これは野中の興味関心が組織そのものから、後年になるにつれてよりリーダーシップに移っていたことを反映しているだろう。
ただし本書の場合、野中一人で書いているのではなく実質者が複数にいるということで、ややテーマがぼんやりしてしまっているところがあるのは否めない。また、前作はかなりの時間をかけられて執筆されたことが伝わってきていたが、今作については出版社の企画ありきだったと思えるようなところもあり、完成度としては世の中の本の中では低い方に入るだろう。
特に第三章「リーダー像の研究」は、著者の思い入れがある人物を対象としたのか、取り上げられている石原莞爾も山口多聞も、神聖化されすぎている嫌いがある。
これでは研究というよりもむしろファンブックという感じで、かなり強引だったというのが本音だ。
もし、野中の後期の他の本を手にしていないのであれば、本作も読む価値はあると思うが、この代表作を既に手に取っているのであれば、無理して読む必要はないと感じてしまった。