鮎川哲也のレビュー一覧
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ネタバレ『翳ある墓標』
新聞記者の杉田はある晩、同僚の高森映子の学生時代の友人ひふみを知る。翌日遺体で発見されたひふみ。ひふみの所持金から熱海まで何者かに車で連れていかれて殺害されたと考え調べ始める映子。行方をくらませた映子。しばらくたち映子の遺体が発見される。映子のために事件を調べる杉田。ひふみの同乗者を見つけ出し死の状況知るが。事故に隠された秘密。事故を起こした車を売るセールスマン熊谷。熊谷のアリバイと曜日により下着を変えていた映子。
『達也は嗤う』
義兄の板原に呼び出された作家の浦和。保険金の受取人を浦和から他の人間に変えると宣告される。その夜何者かに殺害された板原。「自殺ならいいが」と呟く浦和。犯人が分かったと宣言した帯広達也の殺害。死の直前に「おんな、おんな、女」と言い残す。北田チヅ子の死。 -
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ネタバレ『離魂病患者』
同期でありライヴァルの柊屋との恋の争いに勝って映子と結婚した曾根。ある飲み会の後電車で女性と一緒にいる曾根を目撃したという柊屋。出張中に曾根にプレゼントを持ってきた女。謎の女・石田照子と心中したと思われる曾根。曾根と照子の写った写真。曾根に謎の女の事で相談を受けていた作家・杉の推理。
『夜の断崖』
ミナが打ち合わせに行った翌日に断崖から転落死した作家・茅野。遺体の身元確認のために病院を訪れたミナ。ミナが気がついた違和感。前夜に来ていた浴衣に残っていたはずの焼け焦げの痕が無くなっている。茅野の妻の証言。眼鏡なしで行動できない茅野の残された眼鏡。ミナの同僚・吉岡が話したサングラス越しの茅野のまなざしの不気味さに隠された秘密。
『矛盾する足跡』
推理小説家数人でこうにゅうした別荘で過ごす冬の夜。近所に別荘を持つSF作家・月村ルナ子の訪問。会話の中で起きた小さな口論。足跡のない殺人についての話。翌日発見されたルナ子の遺体。鮎川哲也の推理。
『プラスチックの塔』
大学助教授・和気順三の死。死の前夜何者かに呼び出され会いに行った順三。順三の遺体が握っていた何かの本の切れ端。和気が殺害された夜に列車から転落した黒柳教授。黒柳教授が争う学部長選挙。和気が握っていた切れ端に隠された秘密。
『塗りつぶされたベージ』
フランス人の経営する会社に勤めていた妻・町子の失踪。捜索願を出した夫・昭夫にもたらされた遺体発見の情報。町子が勤めていた会社が見つからない。町子の証言で夫殺害の容疑者から外れた勝子。町子の口座に振り込まれていた金。何かの強請りか?彼女の日記にある塗りつぶされたページに隠された秘密。
『緑色の扉』
あるファッション誌の秘密のファッションショーを撮影にきたライヴァル誌の記者・森と助手の佐里。当日何者かに睡眠薬を飲まされて病院に運び込まれた佐里。撮影したフィルムは何者かに破棄された。緑の扉のロッカーにしまわれていたはずのフィルム。疑いをかけられた海老原。殺害された森。容疑者として会社を追われた森。退社の日森に話をした用務員と用務員の飼っている小鳥の秘密。
『霧笛』
客船に乗り合わせた客たち殺害された乗務員。乗務員の首に残された留美のベルト。自分の書いた小説の為のメモに事件の状況が似ているとおびえる大本。何者かに襲われ重傷を負う大本。殺害されたさち子。さち子の聞こえないはずの片耳につけられていたイヤホンの秘密。 -
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ネタバレ『人買い伊平治』
金貸しの老人を殺害した容疑をかけられた若尾道春。死に際に残された「桐生」という言葉と「WM」のイニシャル。海外に逃亡した若尾からの手紙。シンガポールの娼館で人買い伊平治の下で働く若尾。娼婦との恋。殺害された娼婦の復讐。
『死に急ぐもの』
雪の道から転落した車。運転していた会社社長・福田の死。福田の所持していたワンピース。和服しか着ない後妻。
『蝶を盗んだ女』
デパートで蝶の標本を盗んだ女を目撃した若林慎一。万引きした女・大村みゆきに体の関係を強要した若林。関係が深まり恋に落ちた二人。若林の元に二人がホテルに入る写真を持ち込み金を要求する探偵。離婚に追い込まれた若林に仕掛けらた罠。
『結婚』
宇宙旅行が可能になった未来の世界。1度結婚したら離婚できない世界で初めて見た女性にプロポーズした男。
『灰色の動機』
酒に酔った状態で転落死していた森三郎。「よっちゃん」と呼ばれる男と一緒に飲んでいた森。「よっちゃん」の正体を探す刑事。浮かび上がった堤芳樹。2年前に死んでいた堤。死の直前見知らぬ男と宿に泊まっていた堤。再婚した堤の妻の誕生日の証言からの展開。
『ポロさん』
貧しい長屋に住むロシア人夫婦ポロさん。 -
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ネタバレタイトル通り全編アリバイ崩しの短編集。それぞれ趣向が異なり、エッセイも2本挟まれていて充実した内容でした。
【北の女】タイトルがサスペンスっぽくて好きです。ある事が思わぬ方向を示して、そこから一気に真相が引っ張り出されていくのが気持ちいい。
【汚点】アリバイ崩しに鉄道ミステリと贅沢な一編。トリックを見破った瞬間、その場所で犯行時の映像がありありと浮かんでくるような様がぞくぞくしました。用意周到で冷酷な犯人のラストが感慨深いです。
【下着泥棒】下着泥棒事件の瑣末な事が殺人事件の解決に繋がっていくのが流石。濡れ衣を着せられた記者がなんとも哀しい。
【霧の湖】発見者だったり、温泉旅館の叔父さんだったり、ただ日々を生きる何気ない登場人物達が魅力的でした。
【夜の疑惑】濡れ衣を着せられた男が真犯人を捜査→その友人記者が真相を看破の流れがサスペンスフルで楽しいです。そこからラストの一捻りに唸ります。 -
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ネタバレ記念碑的作品。読んだけど、今ひとつトリックがわかりにくかったなどと言ってはいけないのだろう。この文庫版に収録されている作者のあとがきによると、黒いトランクという作品が成立するまでの紆余曲折がよくわかる。作品のストーリー顔負けなくらいに面白い。
引用部分の通り、テンポは決してよくはないし、トリックは難解を極める。簡単に言えば被害者が殺される為に動き、トランクが交差することによって読者を欺くわけだが、図解してもらってようやく理解した次第。犯人の遺書が挑戦状という趣向はあまりいただけなかったので、記念碑的作品とわかっていながら★を一個減らしてしまった。