【感想・ネタバレ】黒いトランク~鬼貫警部事件簿~のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2013年02月14日

時刻表トリックというと、どんなものなのか具体例もわかなかったけれど、一気にこれでイメージが良くなった。
伏線から論理を組み立てた先に時刻表があって、非常にロジカルに使うものなのだと本作で思った。
本作でも、些細ながらも重大な齟齬が伏線として描かれ、それの意味するところを考えた結果、反転が起こり、それ...続きを読むから論理的に考えた結果、時刻表を読み取る。
とってもクール。
しかし、この凄まじい構築力。読み返したら細かい部分でさらに圧倒されそうな予感。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

 本格物の推理小説として、私が読んだ作品が少ないとはいえこれ以上の作品は今まで読んだことがありません。トリックの精巧さは言うに及ばず、解決に至るまでの物語の展開も絶妙。主人公の得た事実から導く推理が一貫して純粋に論理的であることが、何より強烈に感情と思考を移入させます。
 評価は最高の星5としました...続きを読むが、他の作品の評価を下げるかどうか検討するほど別格の面白さです。

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Posted by ブクログ 2012年08月20日

5
美しき詰め将棋。非常に硬質な、磨かれた水晶の如き輝き。


2002年に復刊された初刊本バージョン。誤字等の最小限の修正に止めたとのことだが、それでも誤字はなくならない。第三者視点で語られる地の文に、1度だけ唐突に“俺は〜”という一人称が出てきて面食らう。前後の流れから“彼は〜”の誤りであること...続きを読むは明確だが、念のため創元版で確認したところその通りであった。まあ重箱の隅の話である。


*****
黄→緑→赤→黒→?

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Posted by ブクログ 2011年03月21日

俺はミステリー小説が好きだが、ミステリー小説の嫌いな面といったらこういうのを言う。

難しすぎてわけがわからない。

やってることはわかるが、犯人側はどういう意図で行動したかいまいちつかめない。一回だけじゃわからないようになってるのよね。

絶賛されてる短編集”五つの時計”も同じ状態といえる。

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Posted by ブクログ 2017年12月31日

複雑で緻密なトリック。作者の苦労が感じられる力作である。純度100%のトリックまさにその通りである本格ミステリであった。クロフツの「樽」好きとしては、このプロットは至高。
最強犯人のシナリオ。鬼貫警部との対峙。結末…勿論、私は真相にたどり着けなかったが、敬服する。只々恐れ入りましたと頭が上がらないの...続きを読むであった。
真相に近づけた読者はいたのだろうか?解説の図をみて、大体の構図を理解できたくらい難解であった。

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Posted by ブクログ 2015年10月23日

学生時代、私がミステリに多少なりともハマっていた頃には鮎川哲也さんの作品はそのほとんどが絶版あるいはなかなか入手困難で、作品の存在は知っていても読むことが出来ませんでした。
その後、『黒い白鳥』や『リラ荘事件』『ペトロフ事件』などは復刊され読むことが出来ましたが、この『黒いトランク』は鮎川氏の事実上...続きを読むのデビュー作でロジックの精緻な積み重ねのアリバイ崩しの傑作という評は知っていても未読だったのですが、このように光文社文庫から2002年に復刊されていたのですね。
舞台は1949年。戦後わずか4年。今となってはその時代設定自体がエキゾチック(?)(当然ノスタルジックではない(笑))な魅力ともなり、贅沢な読書時間を過ごさせてもらいました。

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Posted by ブクログ 2013年07月30日

本格ものの傑作、という評価は聞こえていたが、今頃になってようやく読んだ。
確かに、古き良き時代の本格という感じ。
時刻表トリックって、今の時代には無理だよなぁ、と、年中止まる山手線に乗る度に思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年05月09日

 記念碑的作品。読んだけど、今ひとつトリックがわかりにくかったなどと言ってはいけないのだろう。この文庫版に収録されている作者のあとがきによると、黒いトランクという作品が成立するまでの紆余曲折がよくわかる。作品のストーリー顔負けなくらいに面白い。
 引用部分の通り、テンポは決してよくはないし、トリック...続きを読むは難解を極める。簡単に言えば被害者が殺される為に動き、トランクが交差することによって読者を欺くわけだが、図解してもらってようやく理解した次第。犯人の遺書が挑戦状という趣向はあまりいただけなかったので、記念碑的作品とわかっていながら★を一個減らしてしまった。

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Posted by ブクログ 2011年07月20日

汐留駅で引き取り手の現れない黒いトランクの中から、男の腐乱死体が出てきた。
トランクの発送者が容疑者として浮かぶが、その男もまた死体で発見される。自殺なのか、殺人なのか。

トランクが発送された九州、札島−汐留を駆け巡る鬼貫の捜査と推理。これも時刻表を使ったトラベルミステリの範疇に含まれるのだろうか...続きを読む
だとしたら、これほどトラベルミステリを面白いと思ったのは初めてだ。トランクの移動と、犯人は死体をいつどうやって移動させたか。また犯人のアリバイをどう崩すか。こつこつと地味な捜査で色々な事実が明らかになる様は多少ややこしく感じるものの、読み応えはたっぷりで、最後の種明かしも効いている。
鬼貫と同じように作者にしてやられたりという感じ。
そしてやはり鮎川氏の文章は豊富な語彙と言い回しで、読んでいて楽しくて仕方がない。この表現はいいなぁとか、こんな言い方もあるんだとか、1冊で謎解きと表現の両方を楽しめる。
ストーリーや謎解き、キャラクターばかりに目がいきがちなミステリにおいて、この点はものすごく評価するべきではないかと思う。

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Posted by ブクログ 2018年10月24日

スピード感はなく話そのものは地味だけど、凝ったトリックで面白い。
じっくりとダイヤを確認しながらの推理はあの時代ならではという感じで、それだけでノスタルジックな感傷を覚える。

ただ最後まで鬼貫は好きになれなかった。
時代や作者の観念が手伝って、女性に対する考え方がとても偏ってる。
昭和なのだからと...続きを読む理解していたけど、終盤に鬼貫の女性観が吐露されていたことで、読後感は正直イマイチだった。
あとがきからも思ったけれど、作者は女性に何か恨みでもあるのか…
良くも悪くも昭和の推理小説。

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