鮎川哲也のレビュー一覧
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鮎川哲也の長篇ミステリ小説『偽りの墳墓~鬼貫警部事件簿~』を読みました。
『人それを情死と呼ぶ~鬼貫警部事件簿~』、『準急ながら~鬼貫警部事件簿~』に続き、鮎川哲也の作品です。
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浜名湖東岸の温泉街で、土産物屋のおかみ・いくが首吊り死体で発見された。
自殺を偽装した痕跡があったことから、多額の保険金を掛けていた夫・捨松(すてまつ)が疑われるがアリバイが崩せない。
さらに、保険会社の依頼でいくの死を調べていた美人調査員が殺される、第二の事件が発生。
やはり真犯人は捨松なのか!? ところが事件当日いくを訪ねてきていた第三の男の存在が浮上して……。
巧 -
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鮎川哲也の長篇ミステリ小説『準急ながら~鬼貫警部事件簿~』を読みました。
『人それを情死と呼ぶ~鬼貫警部事件簿~』に続き、鮎川哲也の作品です。
-----story-------------
はたして、奇怪な殺人事件を解く鍵はどこにあるのか? 雪深き北海道・月寒で瀕死の怪我人を助けた海里昭子。
その美談が十数年後、新聞に採り上げられた。
一方、愛知県・犬山で、経営不振にあった土産物屋店主が何者かに刺殺される事件が。
だが驚いたことに、被害者の鈴木武造は、出身地・青森で健在だとの情報が入った!?
―一見無関係な事件がダイナミックに絡みあう。
そして、鬼貫警部を悩ませるのは鉄壁のアリバイ。
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戦後、間もないころの香りが漂う物語
作者は鮎川哲也
その名は東京創元社主催の推理小説新人賞「鮎川哲也賞」でおなじみ。
彼の1956年の出世作で、今もって名作とされる物語。
ようやく復興の進んだ東京の汐留駅に、異臭を放つ黒いトランクが届けられた。
事件は九州での捜査により一旦解決を見るも、とある依頼から警視庁の刑事により再捜査が始まる。
物語は次第に、トランクと駅、鉄道、不審人物の行方の謎が絡み合って、少しずつ異なった様相を示し始める。
描かれているのは戦後まだ国内航空便が再開されておらず、鉄道や汽船が重要な移動手段とされていた時期。
描写の中にも、戦後間もないころの情景があちこちにちりば -
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ネタバレ私のようになんとなくすいすい読んでいって、おおよそのトリックであったり謎解きであったりといったものをゆるやかに楽しんでいるタイプの人には、時刻表トリックはあまり向いてないかもしれないけれど、表題のトランクに関するトリックでは、見事に鬼貫警部と一緒に悩まされて、最後に明かされるトリックになるほど!と思わされる。
刊行されたのがずいぶんと昔であるけれど、今の時代に読んでも違和感なく入り込むことができる。
自身でトリックを解いていきたい人には一部納得のしかねるところもあるというのは、他の人の感想を見ていると確かにそうだとは思わされるものの、あくまでもこれは虚構であって現実ではない。そこにツッコミを入 -
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推理小説作家(本格推理というのでしょうか)やミステリ小説マニアの間で良く耳にする作品だったので、読みました。
初版が50年前とかなり古い作品ですが、こちらを読む直前に石坂浩二版の金田一シリーズの映画「悪魔の手毬唄」を見ていて、発表当時は計り知れないほどの衝撃だったのだろうと感じました。
連続殺人事件における「どうしてそのようなことをしたのか」の理屈、ロジックが美しいです。8割ぐらい連続殺人事件の場面が入っていて、途中警察が介入するも尽く見過ごし(警察マヌケ過ぎない…?)、満を持して登場した素人探偵星影龍三が鮮やかに事件を暴きます。人間関係など動機から事件の真相を探る金田一耕助の姿が世間に浸 -
購入済み
王道ミステリー
ミステリー小説が好きで、少し古い作品ですが読んでみました。
犯人とトリックは殆ど解けてしまいましたが(笑)
伏線盛りだくさんで中々楽しめました。
刑事が使えなさすぎるのはネタ(笑)
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ネタバレ評価は4。
内容(BOOKデーターベース)
労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。さながらロミオとジュリエットだが、社長の死を契機に労使間は雪融けを迎えつつあり、二人の春も遠くはない。その気分も手伝ってか、敦子は社長殺しの一件を探偵しようと提案。怪しいと目星をつけた灰原秘書のアリバイ捜査に赴いたバー『ブラックスワン』で、鳴海は事件の鍵を握る人物と出遇う。第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。
鬼貫警部シリーズ。
2時間サスペンスに持ってこいの内容だった。犯人は・・・・はは~ん過去をバラされたらおしまいだわ。と追い詰められた末の犯行ね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレどれも良質な推理小説だった。ミステリとか本格派とかそうでないとかはよく分からないけれど、推理ものとしてとても楽しめた。正直、一つ前に読んでいた短編集よりこちらの方が断然好き。
推理小説を読んでいると、誰がこんな手の込んだトリックを使ってまでこの程度の動機で殺人を犯したりするだろうか、と思うことがしばしばある。ミステリとしてはそれで良いのだろうが、筋は通っていてもあまりにも現実離れしたトリックの犯罪は、できれば現実離れした設定や舞台の上でやっていただきたい、と思う。それならお話として大いに楽しめる。
この作品は、手は込んでいるがやろうと思えばできないことはないトリックが用いられているのが