鮎川哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
《五つの時計》
五つもの時計(の時刻)が立ちはだかる鉄壁のアリバイをいかに破るか。
「それまでの四つの時計のトリックと違って、第五の時計の謎はアリバイ工作の大きな山」と鬼貫警部も言ったように、このトリックの謎は最も面白かったなあ。
アリバイトリックが破られる前に、ソバの食べすぎで朱鷺子の腹のほうが先に破れはしまいか。…警部のこのジョークには笑いました。
《道化師の檻》
「五つの時計」とリンクしてるような作品ですね。応用発展形とでもいうか。
“意図したわけじゃないのに”総合すると確かに、出口入口に人目があるトンネルの中からピエロが消失しちゃうのが不思議。
それをまた“気絶”を糸口にして真相を解明してゆく星影龍三の推理も心憎い。
両作品とも、メインとなる、発想を転換した行為は目からウロコです。誰かを相手に、実際に試してみたくなりました。
平然と水面上を泳ぐアヒルが、じつは水面下では必死に足をバタバタ漕いでるように、シンプルに見える出来事のウラで、こんなにも複雑なことが進行していようとは!…これが両作品に共通した驚きです。
鮎川先生、僕の完敗です。
あなたのその優秀な頭脳に乾杯! -
Posted by ブクログ
星影龍三ものの短編四つを収録している作品集。
「消えた道化師」…犯人消失や謎の道化師など、本格モノど真ん中の道具立て。それを可能にするトリック自体は良く見るもののバリエーションだけど、使い方は流石。でも個人的にはこういう犯人はあまり好きじゃないんだけど……。
「薔薇荘殺人事件」……事件そのものよりも、読者への挑戦に仕掛けられた稚気が面白かった。もちろん証拠一つ一つを押さえつつ、論理的に犯人を追いつけていく業にも感動した。
「悪魔はここに」……いまいちトリックが良く分からん……。
「砂とクラゲと」……謎の不思議さとその解決は上手い。でも、こういう錯誤のトリックって、信頼感に欠けると思うんだけどなぁ……。