鮎川哲也のレビュー一覧
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ネタバレ『白昼の悪魔』
鬼貫警部シリーズ
殺害された姉帯田鶴子。現場に残された飛行機からばらまかれたチラシ。死体に刺さったアマチュアレスリング協会のネクタイピン。容疑者となったピンの持ち主・伊能忠平。紛失したピンを拾った探偵・鵜ノ木。鵜ノ木の下から盗まれたピン。ピンを盗んだ人物としてあがった沖正造。正造の逃亡と鵜ノ木、沖と秘書の関係。
『誰の屍体か』
鬼貫警部シリーズ
池田伊之助に送られた硫酸、宇井歌子に届けられたピストル、江木俊介に届けられたビニールひも。すべての送り主は芥川厚。地下室で発見された遺体。首がなく銃で撃たれビニール紐で絞殺され、手を硫酸で焼かれていた。被害者は岡部乙五郎。犯行後に岡部の目撃証言が。発見された首は岡部とは別の物。容疑者となった岡部。岡部と宇井歌子との元同棲関係。
『五つの時計』
鬼貫警部シリーズ
会社の金を横領し殺害された笹本。死体に巻き付いたタオルから容疑者として逮捕された二階堂峰吉。彼の恋人からの依頼で捜査に当たる鬼貫警部。横領事件の主犯として浮かび上がった椙田。椙田のアリバイを支える証人・小早川と五つの時計。小早川の時計、椙田家の時計、金を返した樽原氏の時計、そばを届けた蕎麦屋の時計、ラジオ放送の時間。
『愛に朽ちなん』
鬼貫警部シリーズ
大阪の運送会社の倉庫から盗まれた荷物。荷物の中から現れた女性の死体。被害者は荷物の製造元の会社の社員・灰田なおみ。箱に荷物を詰め込んだ半井支配人。大阪と静岡に送られた荷物。5尺の函と5尺5寸の函の謎。鯨尺と曲尺の秘密。
『古銭』
鬼貫警部シリーズ
殺害された古銭商。盗まれた幻の「金字開珎」。売りに出された「金字開珎」。捕えられた売主から盗難品と発覚。盗難の被害者・芦田省三にかけられた容疑。
『金貨の首飾りをした女』
鬼貫警部シリーズ
失業者・武原幸吉の受けた仕事。謎の研究者に助手としての仕事。子供公園での殺害事件。「従兄弟なんて他人も同然だ」という犯人の言葉。被害者・権藤和夫の従兄弟。宇部三郎の容疑。宇部の逃亡と宇部の元妻の調査。犯人の従兄弟の正体。浮かび上がった田ノ中格之進。
『首』
鬼貫警部シリーズ
いたずら注文が続く商店街。いたずらされた商店主が発見した遺体。被害者・製薬会社の専務・岩倉。岩倉と対立する社長・日置。熊本にいたというアリバイ。 -
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ネタバレ『碑文谷事件』
鬼貫警部シリーズ
殺害された女優・山下小夜子。被害者の夫・山下一郎の九州から東京へ向かう電車の中にいたというアリバイ。一郎が電車の中で乗り合わせた大池宣造に通過駅の「島田」「磐田」を読みこんで読んだ俳句の謎。事件発覚後タクシーを待たせ入れ替わったと思われた一郎。
『1時10分』
鬼貫警部シリーズ
さまざまな女と関係を持つプロデューサー・稲田登の殺害事件。チケット注文の電話オペレーター・甘利ツル子の元にかかってきた稲田登からの電話の時間一時十分。稲田の婚約者・丘リリ子の殺害事件。容疑者としてあがったネリー絵島の車から見つかった血塗れのナイフ。田所警部の捜査。
『早春に死す』
鬼貫警部シリーズ
柴崎しず子をめぐって対立していた国領一臣と布田福次郎。殺害された国領。布田のアリバイ。国領の退社時間の謎。止まっていた会社の時計と警備員の証言の秘密。
『見えない機関車 二ノ宮心中』
鬼貫警部シリーズ
剣豪小説家・和田倉大輔の死。蕎麦を届けに来た女性が発見者。容疑者として逮捕されたライバル作家・祖父江。事件当日、八王子で心中をしようとしていた槇と吟子。列車に飛び込むことを恐れ睡眠薬を購入に行った槇。槇のアリバイの秘密。
『不完全犯罪』
鬼貫警部シリーズ
田丸出版を共同経営する田沢と丸毛。田沢に使い込みがばれた丸毛は田沢の殺害を計画する。アリバイ工作の為に購入したキップの秘密。払い戻しに訪れたキップの罠。
『急行出雲』
鬼貫警部シリーズ
田辺きぬ子を強請る三田が殺害された。容疑者として挙がったのはきぬ子の恋人・唐沢。唐沢のアリバイ。急行出雲の11号車に乗ったという唐沢。しかし同じボックス席に乗り合わせたはずの乗客たちは唐沢を目撃していないと証言。唐沢の義弟・空知良彦が用意したキップ。旅行業者である空知の特別車両の秘密。
『下り「はつかり」』
鬼貫警部シリーズ
殺害された河井武子。目撃された千家和夫。麻薬に依存していた武子に強請られていたと思われる千家。武子の正体にかくされた秘密。千家のアリバイを証明する下りの急行「はつかり」の写った写真と千家の手編みのセーターの謎。
2011年1月12日再読 -
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『道化師の檻』
星影龍三シリーズ
楽団「ハネ・ワゴン」で起きた殺人事件。被害者はパトロンである三木の愛人・まゆみ。浴槽で殺害された被害者。殺害直前に楽団のリーダーとの口論を目撃されていた。犯人と思われるピエロの恰好をした人物が逃走したトンネル。トンネルの出口にいた警官に目撃されることなく消えたピエロの謎。
『薔薇荘殺人事件』
星影龍三シリーズ
薔薇荘と呼ばれる館に住む学生たち。館の主人・田代氏。薔薇荘近くの海岸で遺体となって発見された玉江。彼女の部屋から消えた「ユダの窓」。何度も殴打され殺害された知井。ロープを凶器とせずサンダルを凶器とした犯人の謎。消えた絵画の秘密。
『悪魔はここに』
星影龍三シリーズ
富豪・牧良介氏の家に招かれた鮎川哲也氏。牧氏の行方不明の姪・絵馬子の登場。遺産問題で揺れる甥たち。牧氏の殺害。逆さにされたおかめの面の謎。甥である海彦の爆死事件。逆さまにされた冷蔵庫の秘密。猪谷老人の殺害。逆さまにされた絵画。ローマ字とカナ文字にかくされた秘密。
『砂とくらげ』
星影龍三シリーズ
薔薇荘を再び訪れた鮎川哲也氏。薔薇荘での午睡の習慣。殺害された水戸つね子と吉村徹子。片腕の不自由な徹子。鮎川哲也氏と今里利平がチェスで対局している最中の事件。徹子の様子を見に行った今里氏の行動。鞭で打たれたような徹子と絞殺されたつね子。
2010年11月5日再読 -
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こういう作品を読んでると本当に自分が何故昭和30〜40年頃をメインに生まれてこれなかったのだろうと悔やみたくなります(笑)。
それほどこの時代の雰囲気が好きです。
などと余計なこともほざきつつ以下ネタばれ感想です。
円満な家庭に舞い降りた汚職事件の捜査の手、そして真面目実直だったはずの夫がある日突然失踪、後にとある女性と心中をして…という話ですが、前半は汚職事件絡みの捜査メインの記述、後半は一転して心中した女性の側の事情を追求していったらそこには…という展開です。この反転のところがうまいな〜と思います。
こういう眼からウロコ的な展開が大好きです。
あと文庫解説にも書かれてましたがラストの描写が美しい。
追い込まれた人間の弱さ儚さと一縷の強さというものが自然な筆致で描かれていると思います。いいなあ鮎哲。
トリック的にはやはり「2月5日」の二重トリックが印象的です。
証言者の誰もが嘘を言っていないのに、実はそこにズレがあるという発想が面白い。実際にやろうと思ったら結構難しそうですが(笑)、やはりミステリはこうでなければね! と思うのです。
そして情死した(ことにさせられた)遼吉さんの妹御の由美さんが素晴らしく頭の切れる素敵な探偵役です。
でも鮎哲作品て(まだ三作品しか読んでませんが)登場人物の誰もが探偵役になれる可能性を秘めているというか、場面場面によって探偵役が移り変わるので一概にこの人が秀でてるとかないのが面白いと思います。鬼貫警部も快刀乱麻を断つよりもまとめ役ぽいもんなあ。由美さんの嫂(あによめ、つまりは遼吉さんの奥さん)の照子さんも素敵な女性でした。
しかし最後に出てきた粋な姐さんはてっきりまた警察官のおとりかと思ってたんですが、本当に単なる恐喝者だったのですね…。ああびっくりした。
そういえば最初の頃に久子さんの葬式の場面で出てくる大学生のことなんてすっかり忘れ去っていたんですが、実はかなり重要な人物だったんですねえ。
すべての伏線が絡まり合ってさっと解ける瞬間ていうのはやっぱり心地いいです。ミステリ万歳。 -
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実は何気に(今さら)初鮎哲。
しかもこのお話、各章にサブタイトルがついているので最初てっきり短編集だと思って読み始めてしまいました…(←長編です)。
という訳で以下ネタばれ感想です。
中古レコード店のふたりの共同経営者のうち、一人がレコード買い付け出張後に行方不明になり殺され、一人がその犯人だった…というお話なんですが、クラシック音楽やSPに対する素養のない私には最初入り込みにくいところもちょこっとありました。
それでもラストの解決編が気になって一気に読んでしまったあたりが流石は大御所・鮎川先生といったところでしょうか。
幻の鑞管レコードを巡る歴史ミステリ的衒学趣味も披露しつつ、非常に手堅い本格推理モノでした。ひとつひとつ謎を潰していく堅実さが小気味いいです。
ロッカーの鍵とか動機とかジェラルミンケースとかアリバイとか。
にしても茨木さんの心の闇は如何ようなモノだったのか。
人物描写のされ方も好きな作品でした。
そして、まとめ役として出てくる鬼貫警部は鮎川作品ではレギュラーらしいのですが(次に読んでる短編集でも大活躍しています)、本作品が初鬼貫さん体験でした。いい感じです。
にしても、山本周五郎の「ねぼけ署長」を読んだときにも思ったんですが、どうして昭和前半(戦前から昭和30〜40年あたり)に記された作品って、どうしてこう私のツボをガツンと突いてくれるのでしょうか。もういっそ昭和メインに生まれたかったくらいです!(笑)この何とも言えない雰囲気の良い文章がたまらなく好きなんですよね〜。
という訳で鮎哲先生もすっかり気に入ってしまいました。
そんな鮎哲先生の代表作と言われる「黒いトランク」も是非読んでみたいです。
ところで、このお話の冒頭で中古レコード店の看板娘、相良昭子さんの素敵さを描写する場面があるんですが、「相楽昭子が、親しい会員仲間からコオロギというニックネームを奉られているのは脚が細くて長いせいだが、」という一文が出てくるのです。
てかコオロギって。
やっぱり最高です昭和の文豪。
この文章だけでもこの本を読んだ甲斐があったと思いました(笑)。
※ちなみにここの「会員」とは、中古レコード店のお得意様オークションの会員さん達のことです。 -
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『春の驟雨』
スカートを切り裂かれたと女に訴えられた男。その女らしき人物が風呂場で死体で発見される。なぜ風呂場だったのか?
『新・ファントム・レディ』
ドンファンの殺人容疑。彼を強請ろうとした強請屋が殺害された。ドンファンのアリバイを握る消えた女の秘密。
『竜王氏の不吉な旅』
スーパーで殺された男。強請屋の男にゆすられた竜王氏のアリバイ。強請屋の知り合いのホステスの最後の言葉。
『白い手黒い手』
楽器のセールスマンが呼び出されたのは幕張。しかし顧客の家は見つからない。幕張で起きた殺人事件のアリバイがくなった男。
『太鼓叩きはなぜ笑う』
殺害された強請屋の探偵。探偵の強請相手のリストノートの1部が破り捨てられていた。容疑者になった男の無罪を証明するために捜査をおこなう探偵の「わたし」。三番館マスターの行った実験。訪問者が訪れた順番とウィスキーの量の謎。 -
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5編収録の短編集。
中編レベルの長さの作品もあって読みごたえは十分。アリバイ崩しや照明がメインでトリッキーな謎を解き明かす知能派バーテンだがカクテル作りの腕が宜しくないという設定が面白い。知恵は出さないがバーのメンバ―の面々も楽しい。昭和50年頃の設定なので警察の捜査が悠長。現在の捜査スタイルだと科学捜査の緻密さのほか、防犯カメラに街頭カメラ、Nシステムが犯罪を成立させない。1970年代が舞台であることを頭に入れて読む必要がある。
春の驟雨:デパートのエスカレーターでスカート切りと間騒がれた男に殺人の容疑が掛かる。弁護士に依頼された私立探偵が事件の真相に迫り、行きつけの会員制バーのマスターが解き明かしていく。鎌倉。青いペンキ。捜査陣や探偵の調査も大変だが、犯人の苦労が偲ばれる。
新ファントム・レディ:「幻の女」をリスペクトしている。和製ドンファンのアリバイを照明。割とまったりした話。犯人を追い詰める場面や直接対決が無いせいか。長めだが中華談義が印象に残る程度。
竜王氏の不吉な旅:スーパーの凍結死体。犯行の日時偽装トリックとアリバイ崩し。探偵は今回も仕事として長旅をする。ラストも楽しいし色々な要素を詰め込んで盛り沢山。長編の短縮版の様相。
白い手黒い手:風景画。割と杜撰な殺人計画だがネタは面白い。
太鼓叩きはなぜ笑う:難点はあるが納得させるだけのトリック。解明手順も魅力的。脅迫された人物たちがちゃんと描かれていて好感が持てる。勧善懲悪のスタンスでないところが良い。