鮎川哲也のレビュー一覧

  • 朱の絶筆~星影龍三シリーズ~

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    同姓同名の容疑者が4名いるという設定だけで御飯三杯いける。捜査過程の描写が面白い。かなり間を空けて読んだため真相の説明が頭に入ってこなかった。でもこれは再読の価値あり。

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    2014年12月03日
  • 黒いトランク

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    ミステリランキング上位だけに、期待値がかなり高かったけど、その分かえってちょっと肩透かし、って意味で評価は渋めに。書かれた時代を考えると、時代背景は気にならないし、時刻表トリックも良く考えられていると思うし、なんだけど、淡々とした筆致のせいもあってか、どんどん先が読みたくなる!的なドキドキ感がいまひとつだった。まあでもそれって、本作に期待する方向性が違う、って言われればそれまでなんだけど。

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    2014年11月28日
  • 完璧な犯罪~ベストミステリー短編集~

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    ネタバレ

    『小さな孔』

    『或る誤算』

    『錯誤』

    『憎い風』

    『わらべは見たり』

    『自負のアリバイ』

    『ライバル』

    『夜の演出』

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    2014年07月13日
  • りら荘事件

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    58年刊とのこと。
    言葉の端や若干の女性蔑視的な考え方に時代を感じさせますが、連続殺人の緊張感、論理的な解は今読んでも充分に新鮮で楽しい。
    本格としては満足のいく一冊でした。
    しかし同時に、推理物について回る探偵の役割について考えさせられるものが。
    優秀な探偵ほど瞬時に解を導くとすれば、物語の途中では確かに不要。
    実際本作の探偵登場も八割が経過してからでした。
    ですがぽっと出のキャラクターに愛着が湧かないのもまた事実。
    ラストだけ出てきて正答を述べて帰る姿には、只々ぽかんとするばかりでした。
    やはり探偵はヘボでいいかな?

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    2014年06月28日
  • 憎悪の化石~鬼貫警部事件簿~

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    ネタバレ

    鬼貫警部シリーズの長編小説。

    熱海の旅館で一人の男が殺害された。
    あくどい恐喝者であった被害者には12人もの容疑者が存在したが、その全員にアリバイがある。

    被害者の身元や所持品から12人の容疑者を挙げ、熱海署員が一人ひとり丁寧に調べていく前半。
    あからあさまに怪しい人物もいるわけですが、熱海署員の根気の捜査が楽しく、こいつが本星か!と思ったところに意外な方面から有力な容疑者が現れたりと飽きさせません。

    捜査が行き詰ると事件は熱海署から鬼貫警部、丹那刑事にバトンが受け継がれます。
    同じように12人のアリバイ確認から始まるわけですが、同じ情報から別の手掛かりを掴む鬼貫警部はさすが。

    殺害現

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    2014年05月16日
  • 消えた奇術師~星影龍三シリーズ~

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    奇術師・旭日斎天馬一座の目玉の出し物は「トランク抜け」だが、抜け出すはずの一員が死体となっていた。二人目の犠牲者はピストルで撃たれ階段を転げ落ちた。マジック・コンテスト優勝賞金の独り占めを目論む天馬。しかし、その姿は、密室空間から忽然と消えていた(表題作)。赤、白、青、三つの「密室」傑作を含む中短編集。消失トリックの白眉を天才・星影が斬る。(「BOOK」データベースより)

    赤い密室
    白い密室
    青い密室
    黄色い悪魔
    消えた奇術師
    妖塔記

    鮎川作品で赤い密室は押さえておかなきゃねーと読みましたが、なるほどすごいなこの人。
    大好きな有栖川氏が尊敬する作家だけのことはあります、ってなんかエラソー(

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    2014年05月12日
  • 完璧な犯罪~ベストミステリー短編集~

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    ネタバレ

    全編倒叙もの。
    殺人計画を練るのに推理小説を参考にしたり、なかなかいいアイディアが出なくて悩んでいるのがおもしろい。
    どこから破綻するのか考えるのは楽しいですが、やはり犯人視点だと事件が唐突に終わります。短編ですし仕方ない部分もあるかと思いますが、もっと刑事との攻防がある方が好きかな。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







    【小さな孔】女の惨めな様がいたたまれない。どこから事件が発覚するのか、レンガとか胃の内容物とか目撃情報とかいろいろとアイテムがありますが、思わぬところでした。原稿用紙にスポットを当てて万年筆が巧く隠れています。事件の発覚の仕方が悲しくて良いです。

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    2014年03月04日
  • 太鼓叩きはなぜ笑う

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    ネタバレ

    元刑事の私立探偵が巻き込まれた事件を行きつけのバーのマスターが解決していくという安楽椅子探偵の元祖っぽい短編集。
    『謎解きは〜』とかはこういうところから派生したんだろうけど、こちらのほうが好感が持てるし、トリックもわかりやすく普通に楽しめる一冊。

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    2014年03月02日
  • 崩れた偽装~ベストミステリー短編集~

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    どんなに入念に準備しても、予期せぬ事態や些細なミスによって犯行が発覚する。全てが思い通りに行くことなど世の中には無いと教えてくれているかのようだ。

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    2013年11月19日
  • 黒いトランク

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    鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。(「BOOK」データベースより)
    汐留駅でトランク詰めの男の腐乱死体が発見され、荷物の送り主が溺死体となって見つかり、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。作者の事実上のデビューであり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作!(内容紹介より)

    伝説の名作(?)をやっと読むことができました。
    いつもクロフツの樽を思わせる作品といわれる本作、私も樽は既読だけど正直細かいことはよく覚えていない。

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    2013年08月25日
  • ペトロフ事件

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    巨額の財産を狙った殺人か?旧満州、大連近郊でロシヤ人富豪イワン・ペトロフが射ち殺される事件が起きた!容疑者は三人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルとその恋人たち。だが、彼らには一人残らず堅牢なアリバイがあった!鬼貫警部は得意のロシヤ語をあやつり、粘りづよく捜査する。…はたして満鉄の時刻表は何を語るのか?本格推理の巨匠初の長編にして、時刻表トリックの傑作。 (「BOOK」データベースより)

    色々な作家さんが尊敬してやまない本格推理界の重鎮、鮎川哲也氏。
    いつかその作品を読んでみようと思いながら、なかなか読めずにいたのですが、やっと読むことができました。

    鬼貫警部との出会いは、火曜サスペ

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    2013年07月29日
  • りら荘事件

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    怒涛の展開で息つく暇もなく殺人事件がおこります。そう思うとちょっと警察の無能ぶりがひどすぎるんじゃなかろうか…。そして探偵が出てくるのは最後の最後。ぱぱっと謎解きして終了です。それでも話に勢いがあるので、どんどん読み進められました。関係ないですが、登場人物の名前は今時のキラキラネームみたいだなーと。

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    2013年07月01日
  • 完璧な犯罪~ベストミステリー短編集~

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    小粒揃いだとはわかっていても、このシリーズはついつい手を出してしまう。本格を読む機会がめっきり減った昨今、アユテツの短編集は貴重だね。

    倒叙スタイルで統一され、全体に同じ展開の作品群が並ぶ。出来に多少のばらつきはあるものの、本格に対するスタンスは不変。倒叙モノというとやはりアリバイ偽装になるのかな。小道具を絡ませてしっかり起承転結で読ませる手腕はさすが。秀逸は『憎い風』。短編には勿体ないくらいの演出。

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    2013年06月08日
  • ペトロフ事件

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     満州を舞台にしたアリバイ崩しもの。
     日本人や満州人、ロシア人が入り乱れ、よく解らない。土地名も解らないし、位置関係、距離感覚がない。なのでよく解らない。
     でも、そこそこ面白かった。

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    2013年03月09日
  • りら荘事件

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    犯罪の手口は現実味薄く、捜査陣の言動も笑いをこらえること度々あり。しかしながら執筆された時代(昭和20年代)を考慮すれば画期的な作品であったのかも。

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    2013年03月19日
  • ペトロフ事件

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    鮎川哲也の初長編。想像してたのとは結構違った雰囲気だった。
    旧満州方面を舞台にしていることにまず驚かされるし、登場する大連とか夏家河子の光景の方がミステリの仕掛けより、むしろ印象に残る。
    また日本を舞台にしたほかの多くの作品でも、方言というのがよく登場するが、本作からしてロシア語や訛り混じりの北京語が登場し、通訳を通して、という場面も多い。
    言語の問題を意識的に描いているのが、自分には新鮮だった。

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    2013年02月14日
  • 崩れた偽装~ベストミステリー短編集~

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     電車や病院で読むのにちょうどいい短編集。どろどろしていないし、犯人は初めからわかっているから、アリバイがどこから崩れるのかなあと安心して読める。
     女性の登場人物の言葉づかいがていねい。これが普通なのかもしれないけれど、関西人でがさつな私としては違和感がある。けれども黒柳さんのしゃべり方に似ているから関東では普通なんでしょう。

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    2013年01月28日
  • 人それを情死と呼ぶ

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    フーダニットとして読んでいった場合、他の犯人候補たちのアリバイはもうちょいゆるい方が好みだけれど、物語としてはこちらの方が良いのか。
    最後の章が肝、として、他の犯人候補のアリバイが強固であれば、追い詰められる絶望も深い。
    しかしながら、最近のアピールが派手な物語に触れている身としては、感情の起伏がもっと大きく、大味な方が自分には良いのかも。

    あと、なぜか食べ物に関する描写が妙におかしく感じるものが(笑)

    「人の世に移りかわりはあるけれども、今川焼の味はつねにおなじである」

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    2013年01月18日
  • 積木の塔~鬼面警部事件簿~

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    3+ 

    終盤、怒濤の推理展開で、鉄壁のアリバイを崩していく様は、正にがらがらと音を立てて倒れゆく積木の塔といった趣で圧巻。ただ僅かに腑に落ちないのは、その推理のきっかけが二つ三つ、かなり偶然性の高いものとして描かれていることか。手掛かりはそのものは捜査で得た情報なので、そこから更に意識的に捜査を進めることで、新たな情報を得るような描写でも良かったのではないだろうか。

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    2013年01月16日
  • 準急ながら

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    色々と時代を感じさせる話でした。
    背景や、描かれ方、文章などなど。ちょっとずつ変わって今に至るんでしょうが、そのシンプルさにちょっとびっくり。特に終わり方とか。
    昔の推理小説の方がかなり俯瞰的というか、距離を取って描いている感じがします。新鮮でした。

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    2013年01月06日