鮎川哲也のレビュー一覧

  • リラ荘殺人事件

    Posted by ブクログ

    登場人物のアクが強すぎて最初は消化不良気味だったのが、怒涛の展開に驚愕の結末でとても満足。やり取りや諍い、小さな謎全てに意味があり、伏線だったことに終わりの終わりに気付かされる。矛盾点に気付かずにサーっと読み流していたからちょっとくやしい笑
    他の二作も読んでみようと思う。

    0
    2019年05月20日
  • リラ荘殺人事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何度か改稿されている作品らしいのと、私が読み飛ばしただけかもしれないのだが(廣済堂版の1976/6/20第3刷読んだ)、牧と尼リリスが婚約してるって記述ありましたっけ…

    一方的にリリスが言い寄ってるだけなんかとばかり思ってたので、橘の不貞発言が互いの誤認で進んでいたというどんでんがピンとこなかった次第。

    0
    2018年11月02日
  • 砂の城~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    鳥取砂丘で見つかった女の他殺死体。容疑者探しは二転三転するものの、ひとりの画家が浮上する。その画家は、京都で起きた別の殺人事件にも関わっている可能性があることが判明するが、2つの事件のどちらにも鉄壁のアリバイがあった。鳥取県警の刑事、京都府警の刑事が警視庁の刑事と連携して、アリバイを崩すための地道な捜査を続けていくが、難航し、鬼貫警部にアリバイの再検討が託される。鬼貫警部が登場するのは、物語の4分の3が過ぎてからで、読んでいる最中は鬼貫警部シリーズだと思っていなかった。
    東京―鳥取間の移動に関するトリック、鞄の鍵と週刊誌によるアリバイトリックはいずれも魅力的であり、京都の殺人事件の動機に関する

    0
    2018年02月13日
  • リラ荘殺人事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    “本格派”との評判でしたので楽しみに読みました。誰が犯人なのだろうと最後までわくわくしました。探偵役?と思った彼が殺された時は驚きましたが、最後の種明かしは一つ一つ納得させられました。しっかりしたミステリー。面白かったです。

    0
    2018年02月10日
  • 黒いトランク~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    複雑で緻密なトリック。作者の苦労が感じられる力作である。純度100%のトリックまさにその通りである本格ミステリであった。クロフツの「樽」好きとしては、このプロットは至高。
    最強犯人のシナリオ。鬼貫警部との対峙。結末…勿論、私は真相にたどり着けなかったが、敬服する。只々恐れ入りましたと頭が上がらないのであった。
    真相に近づけた読者はいたのだろうか?解説の図をみて、大体の構図を理解できたくらい難解であった。

    0
    2017年12月31日
  • 時間の檻

    Posted by ブクログ

    【収録作品】五つの時計/白い密室/早春に死す/愛に朽ちなん/道化師の檻/悪魔はここに/不完全犯罪 
     トリックには微笑ましさすら感じるが、時代を思うと、確かに先人だったのだと思わせる。解説が江戸川乱歩というのもなんだか嬉しい。

    0
    2017年06月03日
  • 悪魔はここに~星影龍三シリーズ~

    Posted by ブクログ

    良作品が揃った短編集。特に「薔薇荘殺人事件」は傑作。
    探偵星影龍三と叙述者の作者との関係は、麻耶雄嵩作品のメルカトル鮎と美袋の関係に似ていると思った。

    「道化師の檻」
    トンネルの中で消えてしまったピエロの謎。
    手の込んだトリックに見事に騙された。
    犯人も予期しなかったアクシデントが、事件をより複雑なものに見せている。
    星影が指摘した失神の理由も面白い。

    「薔薇荘殺人事件」
    「黒死館殺人事件」の黒死館に似せて造られた薔薇荘で起こる二つの殺人事件。
    読者への挑戦状があり、そこまでに提示されているデータで犯人を論理的につきとめることができると書いてあるが、全くわからなかった。
    短いページ数の中に

    0
    2017年03月14日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    トリックの中のトリック。華麗なる盲点とでも言おうか。モノの「すり替え」を考える時、どこが変化点になっているか、を、つい大局的に見てしまうところをうまくついてきている。「え?そこ?」と言いそうになりながらも秀逸さに負けた。

    0
    2017年01月09日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    派手さはなくとも、トリック一つと丹念な描写でこれだけのものが出来上がるということを示してくれている。

    0
    2016年12月24日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    何枚もメモ書きながら読んだが途中で投げ出す。火サスの再放送の鬼貫さんに嵌り読み始めたので時刻表のトリックには覚悟をしてのぞんだのだが。混乱の糸で読者の頭をぐるぐるにひっ絡めてやるぞ!いう作者の執拗な思いを感じずにはいられない。トリックの複雑さでしんどくなったが意外と内容はシンプル。ドラマもそうだったが、謎に対して真摯に真面目に向き合っている作者の姿勢が伝わる硬派な推理小説だと思う。

    0
    2016年09月19日
  • わるい風~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    鬼貫警部シリーズの作品集。
    犯人たちが入念に練った完全犯罪を、一見穏和そうな鬼貫警部がアッサリと見抜き解決する。
    倒述物という雰囲気だが、犯人たちの実は脆い見通しにあっけなく破綻する様は、ミステリーというよりはブラックユーモアのような雰囲気もある。
    しかし彼らの身勝手さや傲慢さもあって、心地よく読める。
    最後の二編は戦前のハルビンが舞台。ロシア人やロシア語地名がたくさん出てくるので、不思議な雰囲気。

    0
    2015年12月12日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    日本版「樽」と呼び声高いらしいので読んで見たのですが、解説によれば「蝶々殺人事件」にインスピレーションを受けたらしく、ほぇーなるほどー。内容については凄まじかったです(^^;クロフツの樽を彷彿とさせる幕開けから、またまた樽臭溢れる地道な捜査が行われ、最後にやられました。解説にも言われていた通り、どうやってこんなトリックを思いついたのかが本当に良く分かりません。感激しました。九州の方に詳しくないせいか地名には終盤になっても手こずりましたが、読んで良かったです。近い内に再読をして理解を深めたいですね^^

    0
    2015年11月22日
  • 黒いトランク~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    学生時代、私がミステリに多少なりともハマっていた頃には鮎川哲也さんの作品はそのほとんどが絶版あるいはなかなか入手困難で、作品の存在は知っていても読むことが出来ませんでした。
    その後、『黒い白鳥』や『リラ荘事件』『ペトロフ事件』などは復刊され読むことが出来ましたが、この『黒いトランク』は鮎川氏の事実上のデビュー作でロジックの精緻な積み重ねのアリバイ崩しの傑作という評は知っていても未読だったのですが、このように光文社文庫から2002年に復刊されていたのですね。
    舞台は1949年。戦後わずか4年。今となってはその時代設定自体がエキゾチック(?)(当然ノスタルジックではない(笑))な魅力ともなり、贅沢

    0
    2015年10月23日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    複数のトランクが鉄道輸送で往来し、数多くの地名が登場するため、クロフツの「樽」みたく頭が混乱しました。作者もマッチ箱を動かしているうちに「ヒョッコリと思いついた」らしいです。解説で北村薫が「再読すると思ったよりシンプル」と述べられているように、たしかに一見、複雑に思えるものの、基本構造はとてもスッキリとしていて美しく感じました。

    0
    2015年09月19日
  • 黒い白鳥

    Posted by ブクログ

    鉄道ミステリーはあまり好みじゃないですが、いかにして謎が暴かれていくのかには興味があるので最後まで楽しめました。探偵もののような派手さはなく地味ですが、時代背景が興味深いです。(メインの事件は下山事件を連想させます)
    巻末の有栖川氏の文によれば鉄道ミステリーを確立し、リアリズムの捜査小説と本格ミステリーを融合させた鮎川氏の代表作とのことで、推理小説を知るのに頑張って読んでみるのもいいと思います(合わなければ自分の好みを知ることができますし)

    0
    2015年06月04日
  • 翳(かげ)ある墓標

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『翳ある墓標』
    新聞記者の杉田はある晩、同僚の高森映子の学生時代の友人ひふみを知る。翌日遺体で発見されたひふみ。ひふみの所持金から熱海まで何者かに車で連れていかれて殺害されたと考え調べ始める映子。行方をくらませた映子。しばらくたち映子の遺体が発見される。映子のために事件を調べる杉田。ひふみの同乗者を見つけ出し死の状況知るが。事故に隠された秘密。事故を起こした車を売るセールスマン熊谷。熊谷のアリバイと曜日により下着を変えていた映子。

    『達也は嗤う』
    義兄の板原に呼び出された作家の浦和。保険金の受取人を浦和から他の人間に変えると宣告される。その夜何者かに殺害された板原。「自殺ならいいが」と呟く浦

    0
    2015年03月03日
  • 憎悪の化石~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鬼貫警部シリーズ

    結婚直前に自殺を遂げた岡崎ルミ子。
    熱海の旅館で殺害された湯田真壁という名の男。所持品から湯田の裏の顔・恐喝屋の側面が見えてきた。被害者たちのアリバイ。TMSCという音楽会のメンバーのバッチ。妻が浮気していた推理小説家・疋田のアリバイ。元ロシア文学者の曾我のアリバイ。曾我の過去の事件。治安維持法の被害者たちの悲劇と元特高の将校たち。

    0
    2015年03月02日
  • 偽りの墳墓~鬼貫警部事件簿~

    Posted by ブクログ

    ★3.5かな。
    初めて読んだ鮎川作品。
    派手な密室トリックやダイイングメッセージなどはなく、地味に物証を集めながら推理して行くストーリー。
    リアリティがあり、好きです。

    0
    2014年10月12日
  • 黒い白鳥~鬼貫警部事件簿/鮎川哲也コレクション~

    Posted by ブクログ

    時刻表トリックの名作、と聞いて。
    鮎川哲也さんの小説をはじめて読みました。
    登場人物が男女ともにそれぞれクセがあって
    面白く、時刻表トリック以外の部分にも
    読み応えがある謎ときが見事。

    鬼貫警部シリーズということだけれども、
    語り手のキャラクターが何度か変わるせいか
    警部のキャラがいまいち立っていないようにも思った。

    カバーデザイン:盛川和洋

    0
    2014年02月19日
  • 黒いトランク

    Posted by ブクログ

    文体は古臭く読みやすいとは言えませんが、それを越えた魅力があります。さらっと読めるような作品ではないので、読むのに気合いが必要。これを読んでしまうと今のミステリーが物足りなく感じます。天才的な閃きではなく、ひたすら論理と実証で捜査を進めていく鬼貫警部が印象的でした。

    0
    2014年01月08日