鮎川哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
推理小説作家(本格推理というのでしょうか)やミステリ小説マニアの間で良く耳にする作品だったので、読みました。
初版が50年前とかなり古い作品ですが、こちらを読む直前に石坂浩二版の金田一シリーズの映画「悪魔の手毬唄」を見ていて、発表当時は計り知れないほどの衝撃だったのだろうと感じました。
連続殺人事件における「どうしてそのようなことをしたのか」の理屈、ロジックが美しいです。8割ぐらい連続殺人事件の場面が入っていて、途中警察が介入するも尽く見過ごし(警察マヌケ過ぎない…?)、満を持して登場した素人探偵星影龍三が鮮やかに事件を暴きます。人間関係など動機から事件の真相を探る金田一耕助の姿が世間に浸透していた当時、彼の姿は新鮮に映ったのではないでしょうか。
言い回しが少々難しいですが、最後の爽快感がたまりません。スッキリしたい方におすすめ。 -
購入済み
王道ミステリー
ミステリー小説が好きで、少し古い作品ですが読んでみました。
犯人とトリックは殆ど解けてしまいましたが(笑)
伏線盛りだくさんで中々楽しめました。
刑事が使えなさすぎるのはネタ(笑)
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Posted by ブクログ
ネタバレ評価は4。
内容(BOOKデーターベース)
労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。さながらロミオとジュリエットだが、社長の死を契機に労使間は雪融けを迎えつつあり、二人の春も遠くはない。その気分も手伝ってか、敦子は社長殺しの一件を探偵しようと提案。怪しいと目星をつけた灰原秘書のアリバイ捜査に赴いたバー『ブラックスワン』で、鳴海は事件の鍵を握る人物と出遇う。第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。
鬼貫警部シリーズ。
2時間サスペンスに持ってこいの内容だった。犯人は・・・・はは~ん過去をバラされたらおしまいだわ。と追い詰められた末の犯行ね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレどれも良質な推理小説だった。ミステリとか本格派とかそうでないとかはよく分からないけれど、推理ものとしてとても楽しめた。正直、一つ前に読んでいた短編集よりこちらの方が断然好き。
推理小説を読んでいると、誰がこんな手の込んだトリックを使ってまでこの程度の動機で殺人を犯したりするだろうか、と思うことがしばしばある。ミステリとしてはそれで良いのだろうが、筋は通っていてもあまりにも現実離れしたトリックの犯罪は、できれば現実離れした設定や舞台の上でやっていただきたい、と思う。それならお話として大いに楽しめる。
この作品は、手は込んでいるがやろうと思えばできないことはないトリックが用いられているのがすごい。各作品の舞台に応じて、トリックの“やりかねない度合い”がしっかり調整されているように感じる。
どのお話でも突っ込みどころのない練られたトリックが披露されていて、面白かった。 -
Posted by ブクログ
鳥取砂丘で見つかった女の他殺死体。容疑者探しは二転三転するものの、ひとりの画家が浮上する。その画家は、京都で起きた別の殺人事件にも関わっている可能性があることが判明するが、2つの事件のどちらにも鉄壁のアリバイがあった。鳥取県警の刑事、京都府警の刑事が警視庁の刑事と連携して、アリバイを崩すための地道な捜査を続けていくが、難航し、鬼貫警部にアリバイの再検討が託される。鬼貫警部が登場するのは、物語の4分の3が過ぎてからで、読んでいる最中は鬼貫警部シリーズだと思っていなかった。
東京―鳥取間の移動に関するトリック、鞄の鍵と週刊誌によるアリバイトリックはいずれも魅力的であり、京都の殺人事件の動機に関する謎もあって、引き込まれる内容であったが、そのトリックの中身はどちらも抜け道のような手法であり、拍子抜けした。東京―鳥取間の移動に関するトリックに関しては、時刻表を読み解いて、答えを考えるべきものであったが、時刻表が離れたページにばらばらに載っていたこともあって、そのような気持ちが起こらなかった。
話の膨らませ方、展開の仕方が上手で、読み物として、十分に楽しめる作品であった。 -
Posted by ブクログ
良作品が揃った短編集。特に「薔薇荘殺人事件」は傑作。
探偵星影龍三と叙述者の作者との関係は、麻耶雄嵩作品のメルカトル鮎と美袋の関係に似ていると思った。
「道化師の檻」
トンネルの中で消えてしまったピエロの謎。
手の込んだトリックに見事に騙された。
犯人も予期しなかったアクシデントが、事件をより複雑なものに見せている。
星影が指摘した失神の理由も面白い。
「薔薇荘殺人事件」
「黒死館殺人事件」の黒死館に似せて造られた薔薇荘で起こる二つの殺人事件。
読者への挑戦状があり、そこまでに提示されているデータで犯人を論理的につきとめることができると書いてあるが、全くわからなかった。
短いページ数の中に、様々なアイデアが盛り込まれている。
一つ目の殺人事件の伏線はさりげなさすぎてわかりにくいが、第一の事件と第二の事件の裏返しの構造、知井みや子が言った「にせもの」の意味、犯人の特性がうまく活かされた真相、登場人物の属性に意味があったことなど、実によく計算されている。
最後の一文にはさらに驚かされた。挑戦状には、答えが書かれていたのだ。
「悪魔はここに」
三つの殺人現場で、おかめの面、冷蔵庫、油絵が"逆さま"になっていた謎。
三人目の被害者が殺されていた理由が面白い。
「砂とくらげと」
薔薇荘で再び起こった殺人事件。ブラジルに出張中の星影が作者から送られてきた手紙を読んだだけで、真相を見抜いてしまう話。
トリックの核にあたる部分は何となく予想がついたが、真相まではわからなかった。ある小道具の使い方が面白い。 -
Posted by ブクログ
学生時代、私がミステリに多少なりともハマっていた頃には鮎川哲也さんの作品はそのほとんどが絶版あるいはなかなか入手困難で、作品の存在は知っていても読むことが出来ませんでした。
その後、『黒い白鳥』や『リラ荘事件』『ペトロフ事件』などは復刊され読むことが出来ましたが、この『黒いトランク』は鮎川氏の事実上のデビュー作でロジックの精緻な積み重ねのアリバイ崩しの傑作という評は知っていても未読だったのですが、このように光文社文庫から2002年に復刊されていたのですね。
舞台は1949年。戦後わずか4年。今となってはその時代設定自体がエキゾチック(?)(当然ノスタルジックではない(笑))な魅力ともなり、贅沢な読書時間を過ごさせてもらいました。