鮎川哲也のレビュー一覧
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ネタバレもう何年も気になっていたけれど、勝手に難しそうなイメージをもって後回しにしていた。
ところが、読んでみるとおもしろい!
犯人は最後の最後までわからなくて、「そういうことかー!」という感じがミステリを読んだという実感をもてて良かった。
ココアのトリックは結構衝撃だった。
…というよりも、ヒ素で肌を白くするって怖すぎる。
いくら好きな人のためとは言えねぇ。昔は珍しいことではないんだろうか。
あと、色覚障害って昔のミステリーにはよくあるイメージ。それをトリックに使うってなんかなーとは思うけど、これも時代なのかな。
『呪縛再現』の方は、やはりデビュー前の作品だからか少し読みにくい感じはある。だけど鉄道のトリックは読んでいて楽しかった。
全体として気になったのは、男尊女卑やデリカシーのないセリフ、見下したセリフが多いところが少し気分が悪い。(『黒いトランク』も読みたかったけど、どうしようか悩むレベル)
これもまた昭和だからこそと言ったらそうなんだろうけど、他の作家さんに比べても特別多い気がする。
それに尼リリスの体型に言及する場面が何度も繰り返しあるけれど、五尺四寸(163.6cm)で十七貫五百(65.6kg)って少しぽっちゃりしてるけどそこまで言う程ではないのでは??
しかも歌科なら、もっと大柄な人もいるでしょうに。
体型然り醜女やらなんやら、昔の人はどこまで女性に求めてるのやら(笑)
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Posted by ブクログ
鮎川哲也の長篇ミステリ小説『人それを情死と呼ぶ~鬼貫警部事件簿~』を読みました。
アンソロジー作品『線路上の殺意 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編〉』に収録されていた『早春に死す』を読んで、鮎川哲也の作品を読みたくなったんですよね。
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人は皆、警察までもが、河辺遼吉は浮気の果てに心中したと断定した。
…しかし、ある点に注目した妻と妹だけは、偽装心中との疑念を抱いたのだった! 貝沼産業の販売部長だった遼吉は、A省の汚職事件に関与していたという。
彼は口を封じられたのではないか? そして、彼が死んでほくそ笑んだ人物ならば二人いる。
―調べるほどに強固さを増すアリバイ。
驚嘆のドンデン返し。
美しい余韻を残す長編。
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『週刊文春』の1961年(昭和36年)1月23日号から3月6日号に連載された中篇を長篇化したもので鬼貫警部シリーズの作品です。
■一 見知らぬ女
■二 山の宿
■三 失踪のはて
■四 論理の軌跡
■五 意外な発見
■六 庫裡(くり)の灯
■七 海の宿
■八 狩猟家は語る
■九 夜くる客
■十 疑惑の否定
■十一 夢をみた男
■十二 鏡の説話
■付録1●あとがき 鮎川哲也
■付録2●人それを情死と呼ぶ 鮎川哲也
■エッセイ●街角のイリュージョン―鮎川哲也小論 芦辺拓(作家)
■解説●鮎川哲也とセンチメンタリズム 山前譲(推理小説研究家)
失踪したサラリーマンが箱根の山中で白骨死体で発見され、浮気相手との情死と思われたが、妻と妹は現場での違和感から偽装工作を疑い、夫が関与していた汚職事件を調べ始める… 読みながらどんどん物語に惹き込まれていき、ページを捲る手がとまりませんでした、、、
面白かった! 二転三転する痛快なストーリ―展開やアリバイ崩しの面白さ、汚職事案とは無関係の意外な動機、そして結末の美しい余韻とタイトルが印象に残る素晴らしい作品。
昭和30年代のノスタルジックたっぷりな雰囲気も大好きです… 犯人の告白による事件の全貌が描かれる哀愁感溢れる最終章が泣けますね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名作、と聞いていたけれど、古くて読みづらいのでは……となんとなしに読まずにこれまで来てしまった。
で、満を持して(?)読んでみたら、面白かった!
トランクと死体と容疑者の移動トリック。
どうしてこんなことを思いつけるのか……。
すごかった。
ガチガチのアリバイトリックだけど、登場人物の絞り込みがすごかった。無駄な登場人物は一人もいなくて、むやみに目くらましのために配置するようなことが一切ない。
中盤くらいで犯人はおおよそ見当がつくんだけれど、そのアリバイを破るトリックのためにどんどん読み進めていくのがつらくない。普段アリバイものは苦手なのに……。
靴磨きの少年のところ(靴の色)は、ちょっと「これは伏線ぽいな……」と思ったけど、子どもが砂山で遊んでいるのなんか完全にノーマーク。
描写は自然で文章は美しく、戦後の日本の風俗描写も生き生きとしていて、小説としてもとても素晴らしかったと思う。
名作といわれるのがよくわかった。おもしろかった。 -
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ネタバレ夏休み合宿でリラ荘に集まった芸大生を襲う連続殺人事件。犯行現場にはスペードのAから順にトランプが残される―と言う正統派推理小説。
原形版はSRの会の犯人当てに供されただけあって最終的に容疑者は実質的に2択にまで絞られ、本文でも露骨なほどフェアに「はい、このシーンのやりとりがヒントですよー!」と書かれているのにもかかわらず完全解明出来る読者はなかなかいないでしょう。
次から次へと起こる殺人、残されたトランプと消えた2枚のトランプ、犯行に使われたペンナイフ、青い夕焼け、被害者のメモ…死体も増えれば謎もどんどん増えて混迷を深めていきますが、終盤デウス・エクス・マキナ的に登場した名探偵がスルスル~っと全て解決していくのがたまらなく快感でした。
流石に『日頃から美肌の為に◯◯を飲用してたから耐性があった』は「わかるかー!!!」となりましたがw時代を感じますわ…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ解説で有栖川氏が「世界で一番好きなミステリ」「私が好きなミステリとはこういうもの」と述べているが、まさに私にとっても、好きな要素をとにかく詰め込んでまとめてくれたような小説であった。
まず、クロフツ式の、地道な裏付け捜査とそれにより過去の被害者や犯人の動きが徐々に明らかになっていく過程は、人によっては退屈に感じるかもしれないが、私には、その過程に特に読書の喜びを感じる。
例えば他の人は、最後にどんでん返しがあってその驚きが大きければ大きいほど面白いとか、過去にさかのぼって何があったかを調べていく過程より、小説の中の時間の進行に伴って、どんどん新しい展開(第二、第三の殺人など)が次々に起こっていく方が良いとする向きもあるだろう。だが、有栖川氏が指摘しているように、この小説では必要最低限の登場人物しか用意されていない。だから犯人が意外な人物だったということも、実はない。過去にあったことを丁寧に捜査して明らかにしていく、実はそれだけなのだが、こんなに先が気になり、展開がスリリングなのは、本書が優れた「本格もの」であり、奇抜さや奇を衒うのではない王道の推理小説ということだと思う。
それから戦後すぐの時代の、当時の時刻表を題材にとっている点。当時の鉄道網や鉄道史にも興味がある読者なら、必ず本書も興味を持つことだろう。石川達三や北原白秋など、いわゆる純文学系の話題にも触れられている点も良かった。
また、探偵役たる鬼貫の人となりの描き方も好感を持った(これは個人の好みだが、私は天才肌の奇人変人的探偵より、鬼貫警部のような生真面目で好人物な探偵の方が良い)。
さらに、巻末の解説部分で、鮎川氏が無名の新人だった頃、苦労して本作を書き上げた経緯や、初版から大きく改稿されてきている箇所も多いこともわかり、長年に渡って作者や編集者、さらには読者が、大切にしてきた作品だということが伝わってきて、そのような作品を読むことができて大変嬉しく思った。
また、クロフツの「樽」をあらかじめ読んでいたので、さらに読む楽しさが増したのだろうと思う。「樽」のように、トランクが複数存在すると思われることが明らかになった箇所は、思わず唸ってしまったほどだが、決してクロフツの作品の焼き直しではないことは無論である。「黒いトランク」の方が、よりテンポが早く、やはり日本人が読者なので地名などの位置関係も頭に入りやすかった。 -
Posted by ブクログ
未読だった鬼貫警部もの。
正統派時刻表ミステリの傑作。犯人がかなり周到な人物で、アリバイを二重三重に用意しているので、刑事との攻防が楽しい。崩せそうで崩せないいくつものアリバイがもどかしい。くくー。やっぱり鮎川哲也の時刻表ミステリはうまい。もう「鮮やか」の一言です。
また寝台列車が頻繁に出てくるのも楽しい。
最近の寝台列車は「旅情を楽しむ豪華寝台」路線だけれど、この頃は普通に長距離で利用されていたんだよなぁ、としみじみ。寝台列車はコドモの頃に「あけぼの」に数回乗っただけだけど、狭いB寝台でも楽しかったなぁ。今でもあのときのワクワクした気持ちが思い出せる(って、その「あけぼの」ももう定期運行されなくなっちゃったね・・・)。
これだけネットが発達してしまうと、冊子の時刻表を手に取ったことのない人も大勢いるでしょうし、時刻表ミステリを新たに書く作家さんもいなくなってるのかな。このジャンルは風前の灯だろうか・・・でも時刻表を見て「あぁでもない、こうでもない」ってやるのはものすごく楽しいんだけどね。・・・って、なんだか寂しくなってきたな。 -
購入済み
新鮮なミステリー
本の半分くらい(たぶん)を主人公が頭の中で推理していく話なのですが、こういうタイプのミステリーを読むのははじめてだったので新鮮でした。自分も主人公と一緒に推理してるような気分にひたれて楽しかったです。しかし!トリックは理解できませんでした。僕の頭が悪いのでしょうか?