鮎川哲也のレビュー一覧
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鮎川哲也さん初でした。
完全犯罪だと確信して行う殺人事件。
ちょっとしたミスから真相が明らかに…
・白い盲点
元カレに殺意を抱く…軽井沢の別荘にて自殺に見せかけ…
・暗い穽
探偵に不倫をネタに譲られる。アリバイ工作するが…
・鴉
酔っぱらった勢いで秘密クラブに嵌まってしまう中年教師。譲られ、アリバイ工作をし殺害するが…
・夜を創る
ある誤解から作家へ借金をしてしまう女性編集者。誤解を解こうとするが…
・墓穴
不倫相手より旦那殺害の相談を受ける。上手く行ったはずなのに…
・尾行
『尾行されてる!』そんな思いより浮気をしてる夫は妾と共謀して妻を殺害する…
・透明な同伴者
縁談を持ち込 -
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先日「りら荘事件」を読んで、<鬼貫警部事件簿>シリーズを再び読みたくなった。
東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。被害者が最後に喫茶店で会っていた女は数日後、広島・廿日市の線路脇で他殺体となって発見された。
女のバッグからは急行<海星>の寝台券が出てきたことから、<海星>の車中で殺され、列車から投下されたものと思われた。
そして鬼貫は女の関係者である由比という男が怪しいと睨むのだが、由比には鉄壁のアリバイがあった…。
毎回楽しいアリバイトリック。
被害者である女が<海星>の車内で殺されたと思われるものの、由比は<海星>に乗った形跡がない。では<海星>に廿日市に着くまでにどうや -
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鮎川哲也 「黒いトランク」を読みました。
うーん時刻表がでてきました。
私の今迄のミステリー読書で意外にも初めてでした。
今まで西村京太郎も読んでいませんから。
何しろ未知なる挑戦なのですから。
ミステリーベスト◯をすべて読みたいと思ったのがきっかけでした。
まず入手しなくてはいけない本リストに入りました。運良く本をゲットしました。
それから数ヶ月、次何を読むか気分とか、タイミングとか、目についたものだとか、手近にあったりなどの末、お待たせしました。完読しました。
鮎川哲也 本屋とかではあまり見かけません。
しかし有名です。名前は以前から知っていました。
ミステリーの重鎮のような方。本格 -
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時々無性に読みたくなる昭和ミステリー。
久しぶりに再読してみた。
埼玉県秩父山中にある大学の寮(短期滞在型)<りら荘>で起こる連続殺人事件。いわゆるクローズドサークルものなのだが、特徴としてはトランプカードで連続殺人であることを指し示しているということと、殺害方法が毒殺あり刺殺あり絞殺ありとバラエティに富んでいる(これは作中である登場人物が指摘している)ことだろうか。
七人の男女の学生たちが集まった最初の晩に一組の男女の婚約が発表されるのだが、その目出度い発表とは裏腹に、主役の男女に思いを寄せていた別の男女やそうした華やかな空気をきらう皮肉屋などがいて、雰囲気は不穏な感じ。
そしてその翌日 -
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実在する都市や交通機関が登場する本格ミステリーです。
北九州と東京を中心に繰り広げられる本格ミステリーです。実在の都市・鉄道・客船等や時刻表・地図等も実際の物を参照しながらストーリーが進み訪れた事の無い地方や乗り物なのに何故だかその情景が手に取る様に脳裏に浮かび最新のミステリーでは味わえない趣が有ります。
鉄道貨物を利用し死体を詰め込まれた黒いトランクが汐留へ発送された、、、
容疑者のアリバイと殺人現場のトリックがこの小説の最大の読みどころです。
登場人物が犯人を追う刑事と容疑者等関係者が学生時代の友人で少数に限定されているのですが鉄道・トラック・船を利用した仕掛けの上手さは最近流行の派 -
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ネタバレ
「そして誰も」のような緊張感がずっと付き纏っていた。犯行の動機はともかくトリックは面白かった。色の件といい、トランプの件といい。
しかし、警察がひたすら無能。何人も死んでいるのに警戒心は薄く、容疑者の足取りすら調査しようとしない。さらには誤認逮捕。極め付けに探偵役のおっさんが終盤に現れてさっと謎を解いてしまう始末。あまりに役に立たなすぎる…
尼リリスの本名は南カメだが、ナイフのイニシャルはA、死体を引き取りに来た母親もリリちゃん呼び。後者はやや違和感を覚えたが、高慢なリリスなら親がそう呼ばないとヘソを曲げる姿かもしれないな、と思い直した次第。
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ネタバレ本格推理もの。舞台は1949年で終戦後すぐ。まだ日本文化が色濃く残っている。旅行ものとしても面白い。人物描写は抑制が効いていてうるさくなくそれでいて特色があって面白い。トリックはかなり凝っているが蓋を開けてみれば単純だ。
当時の時刻表・九州の地図をなんども見返した。そうして実際自分がそこにいるような楽しみ方をした。時刻表をみたり地図をみたりする楽しさが味わえた。
トリックはちゃんと読んでいけば追いつけるので、巻末のトリック解説表がなくても大丈夫。あったほうがわかりやすいが。なので発表当時ではなく洗練されたものが読みたい人は創元推理でもいいと思います。
ただ、序盤にある北原白秋の話などが他の -
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とにかく人がどんとん殺される。こっちが考える間もないくらいに。
避暑を目的として学生たちが訪れたリラ荘は、もとの所有者がライラックの花を愛し、それを屋敷の周りに沢山植えていたことからついた、今では日本芸術大学が学生のためのレクリエーションの寮だ。
ここを訪れた学生は、男性が4人と女性が3人。個性的でアクが強いメンバーだ。メンバー同士の仲もあまり良くないようで、なぜ同じ時期にわざわざ訪れたのか不思議な気がするけど。
この犯人はそうとは見せないが、非常に頭がよく、機転がきく。この狭い敷地内で、最後まで疑われずに何人もの人間を短期間に殺すのだから。
読みながら何度も笑っちゃったのは、刑事や警部の