くまの柚子のレビュー一覧
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13年6月刊。総選挙候補作。
明らかに新撰組をモチーフにした若い剣士の隊に、めっちゃ強い女の子が隊長にやって来て、土方歳三モデルのおに副長と恋愛がらみ、って設定なにそれ最高じゃん!!!ホイホイ。
副長は脳内で山本耕史くん変換で読んじゃうよ!大河の新撰組!懐かしいな〜♪
ちょっと世界観がわかりにくいね。こういう和風でしかも江戸時代ぽい設定でファンタジーって珍しいから、慣れの問題かもしれないけど。
国の5つの領地5人の殿様が治めてて、1つの領地を二代続けて治めることはなくて、代替わりに領地替えがあって、ということなんだけど。どっかの領地で代替わりがあっても、他の領地では殿様は健在なわけで、領地替 -
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“たしかに自分は引きこもりだが、こんなところに監禁されて喜ぶほど、被虐的な引きこもりではない。
引きこもるなら、自分の好きな場所でないと意味がない。引きこもり生活とはある意味では最高のわがままなのだ。
(兄さまが待ってる、黒烏州の邸に帰るんだ)
——正しく引きこもるために。
もしここに蒼刻がいれば「いやその理屈はおかしい」とでも即座につっこんでいたはずだが、朧月一人では残念な思考に歯止めがかからない。
蒼刻にきちんと助けられて、故郷でちゃんと引きこもろう。
そんな限りなく後ろ向きで前向きな決意を固めて、朧月はゆっくりと立ち上がった。”[P.111]
6巻目。
引っぱる引っぱる……次が気になる -
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“頭から血の気が引く音を、クリスタは確かに自分の耳で聞いた。すべてを思い出すと、クリスタは腰かけさせられた長椅子にがくっと身を伏せた。
「ああ——。思い出したくなかった……!」
「でしょうねえ」
あっさりと頷いたビアンカに、クリスタは泣きながらしがみついた。
「私、やっちゃったわ!やっちゃったの、毒舌!吐いちゃったのよ、思いっきり。それも、アロイスのお父さまのダーウィト陛下と、お兄さまのジークフリート殿下に。なんてこと!そりゃ確かに、あの二人の態度には腹が立ったけど。アロイスのお父さんとお兄さんじゃなかったら、張り倒してやりたいくらい……。ううん、ぶん殴ってやりたいくらいだったわ。でも、これか -
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“「クリスタ!素晴らしいダンスだったね。次は私と、踊ってほしい」
そう声をかけてきたのは、笑みを浮かべたフィリップだった。視界の端でアロイスがむすっとしていることに気づいたが、断るわけにもいかない。クリスタは頷いて、フィリップの手を取った。フィリップはフィリップで、アロイスからもぎ取るようにしてクリスタを離れた場所まで連れ出した。
もしやアロイスを挑発しているのかしらと危惧しつつ、クリスタは兄に言った。
「このような祝宴を開いてくださり、本当にありがとうございます。フィリッ……。お兄さま」
「いいや。兄として、当然の務めだ。前にも言ったろう?君のためにできることは、なんでもしてあげたいんだ。僕 -
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幽鬼が見える、極端に後ろ向きな引きこもりの少女・朧月と、怖そうだけど意外と世話焼き武官な蒼刻の物語。シリーズ第1巻。
朧月の後ろ向きな引きこもりっぷりが嫌味でない感じで楽しい!少女小説にありがちな「特殊な能力ゆえに辛い過去があり、可愛いのに自分に自信がもてない」設定ですが、それだけでは語れない見事なまでの後ろ向きが、逆に清々しく笑えるキャラクターです(笑)久々に面白そうなシリーズに出会えました。
蒼刻も硬派で世話焼きで苦労性で格好良いです。相手が朧月にしろ皇子にしろ、ボケとツッコミの掛け合いが楽しいし!でも、「抱きつきたい男」第一位は、やっぱり張さんでしょう。肉球は正義。 -
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“「おうよ。俺は紳士なんだぜ」
蒼刻は「嘘こけ」とばっさり言ってやった。
——深窓のお嬢様に、根無し草の情報屋がうっかり惚れた。
そういうことなのだろうか。意外といえば意外な片恋である。
物語を書く高貴な女性と言われると、蒼刻はとっさに湘雲公主——太子殿下の姉公主である佳人を思い出す。蒼刻と朧月を題材にした物語まで書きはじめる、社交的で聡明だが困った姫君だ。
まさか彼女が、この男の想い人ということはないだろうが……。”[P.157]
5巻目。
蒼刻さんが何か危ない。色々と色々に危ない。
持ち上げて張り詰めて、しかしまさかの次巻に続く!
“蒼刻の傍らで獲物を狙う構えをとる白虎を見やると、張宝 -
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設定は好きな方だったんで、絵も嫌いじゃなかったんですけど、なんだろう、あまり入り込めませんでした。
30歳も年上のいけ好かない相手との結婚を嫌って逃亡して、飛び乗った列車に乗っていた王太子フェルウスと結婚することになったローダ。
失踪したってことなのに、まったくローダの実家のお話は出て来ませんでした。新聞見て、もしかして?って思ってもいいはずなのに、探しもしないのかなっていう疑問が。
王太子と結婚したのに、反対してたのはマリアルドだけで、「全き刃」の印象も弱かったかなぁ。最後の裏切り者もちょっと唐突でしたし、いきなりマリアルドも改心しちゃったし。
それよりもフェルウスがいったいどこら辺で -
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“「なんかもう、周りが見えてませんね、お二人とも」
「うむ。姫はともかく、蒼刻がああなるとは儂も意外じゃった。大丈夫かのう」
「それは武官さんの生命的な意味ですか?」
「まあ、それもあるがのう——」
などと幽鬼と白虎がひそやかに内緒話をしたのは、彼らだけの秘密である。”[P.98]
4巻目。
静心が出て来て会話の物騒さと面白さが増して。
“「大切なことだが——」
やがて静心は、神華国の政治的危機でも語るかのような重々しさで言った。
「我が妹はたいそう可愛い」
「…………は?」
「違うとでも言うのか」
答えによっては八つ裂きにする、と続いても違和感のない真顔である。冗談ではないのが余計に厄介 -
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“「否定はしない」
「うう……」
「だが、誰にでも平等に毒舌を吐くという点は評価できるぞ」
「え?」
「権力者に媚びることがないというのは、悪くない。誰にでもできることではないからな。お前は、この俺に対しても態度を変えないではないか」
褒められたと思ったら、やっぱりけなされていたようだ。クリスタはますます落ち込んだ。
(どうせ、私なんか……)
「お前は、俺の父や兄にも物怖じしないんだろうな。奴らに会わせてみたいと思う人間は、お前が初めてだ」
独りごちるようにそう言って、アロイスは喉の奥で笑った。
「な、なに?」
「この俺に面と向かってああまで言える人間は貴重だ。お前の毒舌癖、ルクアンの精霊のよ -
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ネタバレとうとう最終巻です。
十六夜の里に流された美咲ですが、いきなり走り回っていたので戸惑いましたが、乙斗という怪しい老人に助けられてました。
弘人は1ヶ月待って本当の敵である茨木童子と共に十六夜の里にたどり着いていたので、先に美咲に会うのはどっちかと思ったら、弘人の方だったんでほっとしました。
乙斗によって強制修行をさせられてた美咲がこれまでと違う雰囲気になってたことで、弘人が戸惑ってて、これまでの弘人優位の状況を中々作り出せずに、悶々としてたり、美咲のチラ見せ足にもやもやしてたり、指輪を渡す機会をいろいろ考えていたりってところは、にんまりしちゃいました。
まあ、そうはいっても、弘人さんです -
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