くまの柚子のレビュー一覧
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ネタバレ前巻で予想していたとおり、弘人が自分を選んだのは、天狐の血脈だったからって、もやもや悩みはじめた美咲。
一方、弘人は弘人で、自分を鍛えに1ヶ月も美咲をほっぽった挙げ句に、自分の中では完結したみたいですけど、ほったらかしはよくないかなぁ。
美咲の悩むところを他に男ができた?とかって、焦ってくれたらいいんだけど、弘人さんは、そこまではなかったなぁ。
今回はタイトルにもあるように、海の妖怪がいっぱいです。
最初の導入のところのがよく分からなかったですけど、最後まで読むと、美咲と颯太って分かりました。声が出てない颯太はかわいいんだけど、声が出るようになったときの毒舌ぶりには、美咲たちでなくても、目 -
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“「そんなに小さくなられてしまうと、君を見失いそうだな。手をつなごうか朧月」
「......天祥さま。こいつは俺が連行しますから、お構いなく」
「え......あの、わたしは一人でも大丈夫で——」
「信用できるか馬鹿」「迷子になってからでは遅いんだよ?」
同時に言われて、しゅんとする。
そうして左手を天祥にとられたかと思えば、右の二の腕をぐいっと蒼刻に引っ張られ、朧月は目を白黒させた。今朝から挟み撃ちに合いっぱなしだ。
どちらが珍獣を連れ歩くか議論している間に、不幻がふいに後ろから来て朧月を抱え上げた。普段よりも高い位置に持ち上げられた朧月は、声にならない悲鳴をもらす。
不意打ちに目を点にした -
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ネタバレ14歳まで普通の国で過ごしてきたロクサナが生まれ故郷のメフルダート女王国に戻ってきたんですけど、この国の男女逆転が微妙でした。よしながふみの「大奥」も男女逆転ですけど、あっちはそれほど違和感を感じなかったのが、戦士や騎士で筋骨ムキムキなのが女性で、なよなよときれいでキーキーうるさいのが男らしいって・・・。
そんななか、ロクサナが惹かれたのが普通の男のアズハル。まあ14歳まで普通の国で生きてきたら、それが普通の恋愛観だと思います。
女王国ではダメ王女だったロクサナが、王女の立場に自覚して、アズハルを夫とすることができますけど、できたら、結婚したそのあともちょこっと書いておいて欲しかったかなぁ -
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ヒロインの美咲は妖狐と人間のハーフ。生家は表向きはコンビニだが、裏世界の妖怪が表の人間世界で悪さをせぬよう見張り、時には捕らえることを稼業とする橘屋分店。人としての普通の生か、妖怪に混じって家業を継ぐか決めかねる美咲の元に本店の息子であり、家業を継いだ場合美咲の婿になるという若者がやってきて……というお話。
ハーフだものの大義名分で狐耳っ娘を書けるという点において、設定は悪くないと思うし、美咲自体も可愛く婿殿も一見ヤなヤツだが、何だかんだで美咲には甘々なあたりも僕好みと言える。
だが、如何せんその背景にある設定をおどろおどろしくしすぎた感がある。「妖怪」を扱う以上、どうしても異形のものを -
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ネタバレ茶々姫といえば、浅井三姉妹の長女で気が強く、秀吉を手玉にとった淀君のイメージが強いですが、このお話は、秀吉など全然出てこない少女時代の初恋のお話でした。
松千代と恋仲になるのはいいけど、最後駆け落ちさせても結婚させても史実と変わってしまうから、最後はどうなるのかなって思ったら、松千代死亡で終わりました。うーん・・・。
まあ、史実には影響ない終わり方ですけどね。
あと、乱丸(私は蘭丸かと思ってましたけど、どっちもOKなんですね)もなんだかんだ言って、結構いい人だったのは、よかったかなぁ。私的には、優しい松千代よりは、ぶっきらぼうだけど意外と面倒見のいい乱丸の方がすきかも。 -
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“「いかがかしら?劉武官」
湘雲に感想を求められたので、蒼刻は黒髪にきらめく蝶の髪飾りを眺めつつ言った。
「飛んだと思ったら、へろへろと落っこちてきそうな瀕死の蝶に見えます」
「情緒があるのかないのかわからないわね、君は」
蒼刻の反応がお気に召さなかったらしく、女官長は「再挑戦します!」と言い、すでに魂が抜けかかっている朧月を再び連れ去ってしまった。やっぱり大丈夫かなあいつ。
「それにしても——紅梅宮での女官働きは花嫁修業を兼ねてると聞いたんですが」
「あら、きちんと兼ねてるわよ?遊び心も忘れないというだけで」
「............」
「ついでに、わたしの楽園も築かせてもらっているけれど -
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“「姚朧月。俺の顔なんか見ないで、前を見てろよ。いい感じだぞ」
「......!」
意味深な言いように妙に焦りを煽られ、朧月が顔を前に振り向けると。
(あ——)
怖いくらい開けた景色が、そこに広がっていた。やわらかな風が袖や髪をさらう。
いつのまにか関門を抜け、州都の外に出ていたようだ。
澄んだ青空。陽光にきらめく、一面の菜の花畑。四方から押し寄せる春の香り。
耳をすませば、さかんに働く蜂の羽音がかすかに聞こえてきた。
「......本格的に気分が悪くなってきました」
「なんでだ!?」
だれもが心癒されるだろう春の景色なのだが、朧月は逆にどんよりと沈んでしまう。
「だって、ここが本当に外で.. -
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ネタバレ今年の大河ドラマの江姫の母であるお市の方と浅井長政、織田信長のお話です。この話では、織田信長とお市は義理の兄妹として書かれています。
私のイメージとしては、お市の方は男勝りな美人っていう感じだったですが、このお話では結構儚げな感じがしました。
信長も怖いイメージはありますが、義理の妹への気持ちに悩む姿は印象的です。あのとき、お市を受け入れていたら、長政とくっつくこともなく、話は変わっていたと思うと、確かに信長としては、長政に横からかっさらわれた感がありますよね。
違和感を感じたのは、長政とお市の出会いのシーン。
信長の城にやすやすと忍び込み、あまつさえ、お市の方の部屋に泊まったり、朝ご飯 -
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ネタバレ日本史でも出てくる石田三成と秀吉の家臣の娘、お蝶。あと、徳川秀吉の家臣の息子である本多忠純のお話です。
正直、歴史上の人物ものの作品って、結果が分かっているっていうか、石田三成が死んでしまうのも分かっていることだったので、ハッピーエンドではないんだろなって思ってましたけど、意外と読めました。
三成が亡くなる前にお蝶に宛てた手紙の内容とかは、ちょっと切なくなりました。自分が死ぬのが分かっていて、お蝶を受け入れなかった三成が実はこんな風に思っていたのかって。
三成が処刑されて、普通はそこで終わりそうですが、この物語はこういうノベルには珍しく、主人公が別の男性を愛するようになります。ちょっとラ -
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ネタバレ 購入済み
絵は微妙かも。話も微妙。
これは何系だろうか。ファンタジー系の、ラブストーリーでもないし、冒険活劇でもないし、うーん?
絵は、ぱっと見はいい感じだなと思ったのですが、読んでいくうちに少しずつ違和感が出てきました。人物の横顔が変だったり、表情の変化に乏しく貼り付いたような印象だったり、動きのあるはずの場面で躍動感がなかったり、あとはマンガ的な表現でコマ割りとかセリフの置き方とか、気になるところが多かったです。
話も突飛なことが続き、展開と展開の接続が雑です。最初の主人公がヴァンレインに潜入するくだりでも、そんな無茶苦茶なことするなら何か理由付けとか辻褄合わせがあるんだろうと思ったら、別になくて普通に無茶苦茶なだけでし