藤田和日郎のレビュー一覧
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ネタバレ悪意と怪異の巣窟・双亡亭を壊さんと異能者たちが集う第二巻である。
この巻では巻頭に、政府の説明会で集う異能者たちが描かれていて、いよいよ双亡亭を壊すべく物語が動き始めている。
その脇を固めるのが緑朗と青一の二人の総理との会談だろう。双亡亭の闇を説明する総理と同期するように、物語は暗澹たる壊滅へと向かっている。
それにしても、実にスマートな物語運びだと思う。
集まった異能者たち、それは堕落した修験者であったり、米国の調査チームであったり、あるいは全てを見通す占い師三姉妹であったりするのだが、そんな彼らを緑郎の姉・紅や凧葉の視点を通すことで、彼らの儚い運命を予見している。
その上で、 -
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ネタバレ自衛隊の爆撃をも物ともせず、中に入る者たちを取り込み化け物に変えてしまう。
そんな化け物屋敷・双亡亭を壊すべく立ち上がった人々の群像劇的物語である。主人公は(おそらくは)三人だが、基本線は群像劇と見ていいだろう。
それにしても、物語が開いていくワクワク感は素晴らしいものがある。
藤田さんが描く絵の濃さ、ホラー描写の巧みさも影響しているのだろうが、何よりストーリーテリングの手並みが本当に優れている。
おぞましき屋敷に因縁を持つ総理が、自身の手で双亡亭壊すべしと述べ、賞金を懸ける。
双亡亭に父を食われた少年・緑朗は双亡亭を壊しうる人との出会いを得て、双亡亭を目指す。
双亡亭爆撃の夜 -
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ネタバレラスト。
いや、1話目読んだときには、こんな壮大な話になるとは思わなかったです。
それどころか、1巻前でも、こんな展開になるとは思っていなかったという凄い展開。
たしかに、ついて行けなくて怒っている人もいるかもしれないのだけれど、わたした、これを大まじめにかいている藤田さんって、やっぱり素晴らしいと思います。
基本、わたしはひねくれ者だし、斜に構えたところがあると思っていますが、ストレートにいろいろにものに向き合おうとする強さは、やっぱり、凄いと思いますし、素直に脱帽します。
物語は、死なない。
このメッセージをものすごく強く伝えてくれただけでも、物語読みとして感謝したい気持ちです。
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Posted by ブクログ
大正時代より都下に建つ謎めいた廃屋「双亡亭」。
人を喰らうという噂のその屋敷は巨大な鉄球を撃ちこもうが空爆を仕掛けようが何をしようが絶対に壊れない最凶にして最恐のお化け屋敷。
昔日双亡亭に幼馴染の少女を取り殺された防衛大臣と総理は、職権乱用と公私混同を極めて、下記を合言葉に起ち上がる。
「双亡亭壊すべし!」
とにかく双亡亭の存在感がすごい。圧倒的に不気味。屋敷の猟奇的かつ芸術的な造形が廃墟マニアの心をくすぐる。
天井で途切れた階段や宙に聳える帽子掛け、濠を巡らした肖像画の為の小部屋など、軍艦島や九龍城塞、零シリーズなどホラーゲームに出てくるカオス構造の家屋に惹きつけられる向きの読者にはたまら -