左のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“否、それは奇妙に蠕動した地面から屹立した、無数の——触手だった。
蛸や烏賊のような、けれどそれにしても妙にでかい——人間の腕ほどのものから、丸太ほどのものまである。
先端に棘々がびっしりと生えたもの、繊毛に覆われたもの、無数のそれが縒りあわさったもの、得体のしれぬ粘液で濡れたもの……。
それらの触手に絡みつかれ、闇の奥ではわたしたちより先にこの悪夢じみた世界に迷いこんだのだろう生徒たちが、屍体のように吊りさげられて陳列されている……。
「触手プレイ、キター!」
つるぎが頭の悪いことを叫んだ。
「これだよ、これがなくちゃなクトゥルー神話は!さぁこい!待ってました!」
何でそんなに嬉しそうなの? -
Posted by ブクログ
“「しっかりしなさいよ。あんたの存在を知ったとき、あたしは嬉しかったのよ。ええ、きっとあたしの宿敵なんだ。あたしと同じぐらい苦しんで、切磋琢磨している、運命の相手がいるんだって——だから、お願いだから『ごめんね』なんて言わないで。足りないと思うなら、がんばりなさいよ。宿敵のあんたがそんなじゃ、張りあいがないのよ」
やっぱり、わたしを鼓舞してくれてるみたいだ。
微笑む。
このひとのこと、わたしは嫌いになれないの。
「でも、ごめんね」
時計を見ると、もう深夜だ。
「ベッド、占領して。情雨ちゃんだって、眠いでしょう」
「いいわよ、昨日はあたしが独り占めしたんだから。これで公平でしょ?」
情雨ちゃんは -
Posted by ブクログ
“「わたしは半人前だから、『最高神のちから』に振り回されてばかり。だから、一時的に、お母さんに預けるよ。その間に、わたしは成長する。強くなって、せめて『最高神のちから』に潰されないぐらいになる」
もう夜は終わりにしなくちゃ。
月明かりだけでは、世界はゆっくりと衰退していくだけだから。
「そうしたら、お母さんから『最高神のちから』を返してもらう。そして、この国を管理するのに相応しい存在に——『次世代神』の、つまり新しい神話の『最高神』になる、邪神たまにこのちからを託す」
天孫降臨の時代に、預けられた重荷を。
わたしが返そう。
「たまが成長しきるまでは——お母さんと、わたしが、見守る。それでいいで -
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“「かがみ」
わたしは、あらためて告げた。
「わたしの、友達になって」
暴れていたかがみが、停止する。
壊れたお人形のように。
あるいは、生まれたての、赤ん坊のように。
そんな彼女が愛しいと思う。
他人からの好意に慣れていなくって、回り道してそっぽを向いて、いつでも誤解されて、他人を拒絶してるみたいに見える彼女。
だけど、ほんとは寂しがりで、他人のために一生懸命で、不器用な——。
あなたが好き。
ううん、好きになれると思うの、もっともっと。 ”[P.174]
後半はおもたいシリアスな展開。
最後の一文がぐさりとくる。
かがみちゃんが可愛くて可愛くて。
お兄ちゃんも何か隠し事あるみたいで、楽し -
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“[タマはカガミから『ナース服-3』を受け取った!]
「ふにゃああああ!?」
かがみが珍しく絶叫する。
画面内のカガミがタマに素晴らしい勢いで着衣を引っぱられて、ナース服を脱がされてしまったのである。
当然、その下は全裸だ。
「ななな何すんですかたまーっ!?」
「おぉ、脱げた!面白い!『仲間』のあいだでは、そうびひんの遣りとりができるようになってるみたいだお!」
[『特殊イベント/全・裸・集・会!恥辱の入学式』が発生しました。]
「特殊すぎる!?ふにゃああ、なぜかみんながこちらを注目している!?何!?どうしてみんなわたしにお金を投げるの!?べつにお金が欲しくて脱いだわけではないのです!!校長も -
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もう続きは買わないと決めていたのに、表紙のるるなちゃんとしおりにつられて買ってしまった。うささみさんが可愛いです。
シリアス路線を突っ切っていく話。甘やかされまくったるるなちゃんは、傍若無人になってしまった。あんな子育てしてりゃ当たり前だよ!ささみさんのしつけがだめだめだ……。
たまが頑張る。未熟だと知り、努力を重ね、失敗ばかりで、全否定され。たまには感情移入してこなかったけど、こうやって文字におこすときついよなぁ。なんとかしようと藻掻いているのに、失敗ばかり。何もしなければ、最悪の方へ向かっていく。期待は大きくプレッシャーは強大。同じ立場の仲間はおらず、姉二人ははるかに強い。役に立ちたいと真 -