玄侑宗久のレビュー一覧

  • 四雁川流景

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    純文学調の作品、になるのかな。道尾秀介氏の賞賛ツイートがきっかけで手にとった作品。

    個人的には、スカッと謎やわだかまりが解決されるミステリーやエンターテインメントが好きなのだが、この作品は、あえて語りきらず、読み手に自身の心との対話を促すような作品。そういう作品ばかり読んでるときっと疲れてしまうけど、たまに読むと、心に栄養を与えてくれる気がする。命、生、死、性、愛、哀…それらが織りなす心の襞が、架空の舞台である四雁川の流れに垣間見える。そんな連作短編集。、

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    2013年08月16日
  • 無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方―

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    もう少し早く読むべきだったかもしれません。
    作品は読者が作るものだということを教えてくれた本となりました。
    私にとって鴨長明は無常観とか悟りとか言いながら、住居に強い執着のある矛盾した老人、というイメージでしたが、玄侑宗久氏の作り上げた鴨長明は決してそういう人物ではなかったのです。こうして、読者が作品を作り上げていくんだなあ。
    今だから必要な本なのでしょう。
    本の帯は早くに捨てるのですが、この本の帯については、筆者の笑顔に慰められたので、大切にしたいと思います。
    明るい無常観のススメ、ですね。

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    2013年04月16日
  • 中陰の花

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    僧侶である則道(そくどう)は、妻の圭子と二人暮らし。所謂"おがみや"として様々な予言をし、自分の死をも予知して最期を迎えたウメさん。鉱泉を開き、妻と共に自らの宗教体験を語る石屋の徳さん。流産のために産まれる前に亡くなった我が子と、圭子が「成仏してない」と主張するウメさんとを弔うため、圭子が作った紙縒(かみより)に包まれながらお経をあげる則道。そこで二人は紙縒に不思議な動きを認め、そして圭子は呟くのだ―「成仏やなあ」と。
    タイトルにもなっている「中陰」とは、この世とあの世の中間、という意味らしい。ネットで霊体験を検索する則道は、次のように考える。「多くは真剣に自分の信じる世界を描いているようだ。それは間違いない。しかしそれぞれの描く世界を総合しようとしても、そこには全くと言っていいほど整合性がなかった(p67)。」つまり中陰の花って、自分の信じる世界への入り口みたいなもの、だからみんなバラバラで、圭子がいう「成仏は成仏だ」というのも、この世の人の視点からではなく、死んだまさにその人にとってのものなのではないか。つまり、それぞれのやり方で「ほどけた状態」になることこそ成仏なのではないか、と。
    旅行をするとき旅先のことについて、全く知らないなんてことはないはずなのに、現代人の多くは旅先不明(行き先は勿論「死」だ)の旅をしていると、河合隼雄氏は解説でこう記している。あまりにも現実的・物質的な世界にだけどっぷり浸かるのはなんだか恐いと自分は思う。「死ぬ」という事実は極めて現実的なのに、死後の世界はある意味でとっても非現実的。どれだけ現実を生きようと、いつかは自分たちが認識している現実の外に放り出されてしまう。だから、時に「死」という非現実について思いを巡らせることは、人間の行き着く先を見つめる行為だという意味で大切であり、それが「生きる」という極めて現実的なことにも繋がっていくのではないかと思う。

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    2013年03月27日
  • 中途半端もありがたい

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    アンチ二元論

    見解の対立があるところは、深めずに終わらせてある。
    編集のしわざなのか、対談者のしわざなのか。。

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    2013年03月09日
  • 〈問い〉の問答 同時代禅僧対談

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    親鸞が思想的に逝ってしまっているという指摘と、法華経と良寛がともに論旨不明という指摘は非常に共感した。

    般若心経でクマラジーヴァも玄奘三蔵も漢訳せずに音訳した『panya paramita』『anuttara samyak sambodhi』『gate, gate, para gate, parasan gate, bodhi, svaha』を中村元が逐語和訳したことへの批判はしばしば聞くが、サンスクリットの音ではなく、音読みで『ギャーテー…』って品無く読むだけなら、別に気にしなくても良いのでは?と思っていた(今もそう思っている。)。
    が、本書では特に、『bodhi』を完了形で訳した点を批判していた。
    この批判は至極真っ当で、たとえサンスクリット原文が完了形だったとしても、般若系経典の趣旨からして適切だと思う。

    全力で壁にぶつかった経験の有無を、人物を判断する基準の一つとして使うことにしたい。

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    2013年02月18日
  • 現代語訳 般若心経

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    玄侑宗久による般若心経の解説書。最近流行りの写経で取り上げられることが多い心経ですが、経典のエッセンスを濃縮してあり、内容を理解するのは難しいです。本書では大本を使用し、"般若波羅蜜多"を軸に独特の観点から説明してくれています。解説本は色々出版されていますが、宗教色の薄いものは珍しいと思います。ある程度詳しい人には物足りないかもしれませんが、ちょっと興味があってという初心者には最適の入門書ではないでしょうか。特に東洋のお経の内容を西洋の科学と結びつけながら説明していく手法には目からうろこが落ちました。

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    2013年02月11日
  • 釈迦に説法

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    私はこの人の著書が好きです。
    作家としての文章力があり、禅僧としての独特の着眼点があり、読むことでなるほどと感心させられる所が必ずあります。
    今回も興味深い話が多く、あっという間に読み終わってしまいました。

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    2013年08月10日
  • 中途半端もありがたい

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    対談集
    震災前と震災後とで半々で
    震災後はやはり福島の話が中心になっている
    天災の多い日本に住んでいるから
    済んでしまったことに執着しないで
    気持ちを切り替える

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    2013年01月23日
  • 死んだらどうなるの?

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    平易な文章で「あの世」や「空」がわかったような気分になる本。分からない、言葉に出来ない概念を扱っているから、もっと分からない語り方でもいいかな、とも思うけれど、わかりそうな気分になる文章ではこれが限界なのかもしれない。科学知識の大雑把さはわざとだろうからツッコミが入れにくい。たまに挿入される落書きがかわいい。日本のあの世観はなかなか面白かった。自殺はもったいないという洞察には温かみを感じる。

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    2013年01月03日
  • 禅のいろは

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     いろはカルタの意味について実にリアルな例を紹介したり、強張ったような文体ではなく軽妙なテンポで文章が書かれているので、まるで著者が私達の目の前で話をしているかのように解説してくれる。禅的な視点だけではなく、私のような一般の人間でも「なるほど!」と頷けるような本。
     表紙で可愛らしく描かれた達磨や僧侶は、解説されるカルタの絵にも登場するので、一つ一つの例を目でも楽しみながら知ることができるのも魅力的である。

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    2012年12月20日
  • 祈りの作法

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    福島在住の僧侶である著者の語る震災、原発事故での現地の現実はマスコミが語ることのないものだった。特に約半年記された著者の日記は必読。

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    2012年11月23日
  • 祈りの作法

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    福島が「フクシマ」になってからの著者の福島在住ということで見えてくる「原発」と「放射能」の問題。
    人は無力だからこそ、親愛の情も深まり、祈りも真剣なものになり、そして雄雄しさも発揮されるのでは・、との言葉は重い。

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    2012年10月13日
  • 禅的生活

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    ネタバレ

    思考をコントロール出来ず、頭の中が熱くなり、イライラしてしまう状況というのは誰にでもあるだろうが、かくいう自分もそんな状況に度々悩まされている。

    この本で紹介されている「禅」は、そういった「迷いの思考」に対する解決策だ。まずは、意識的に心と体をニュートラルな状態に近づけ、あらゆる妄想を排除していくところから始まる。

    哲学や脳科学からのアプローチを交えて禅を解説していて分かりやすい。また、時に笑いを織り交ぜた面白味のある文体には好感が持てる。

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    2012年10月04日
  • 現代語訳 般若心経

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    「般若」とは理知によらないもう一つの体験的な「知」の様式である。「般若」の捉える「全体性」は、無情に変化しつつ無限の関係性の中にあり、いつだって絶えざる創造の場である。
    「般若波羅蜜多」は「知恵の完成」と訳される事が多いが、実践的叡智であることを忘れてないけないだろう。
    「般若波羅蜜多」というのは実は特別な呪文なのです。この呪文を唱えるといつのまにか「私」が消え、「いのち」の本体になりきってしまうということですね。

    以上、抜き出しでした。

    たった262文字の般若心経の解説に本が一冊とは多いのではないか、と思われるだろうが、私には足りないぐらいだった。
    「自分」というのは錯覚、とまで感じさせる。すべてが「空(くう)」で物事は「縁起」でつながり単独では存在しない。
    結局は自分の感じている苦悩なんて存在しないものだ、と言われると確かにそうなんだけど、と思うのはある。

    最後は呪文として覚えましょう。声の響きと一体になって宇宙とつながるのです。

    本書を読むとわかるのは玄侑宗久氏の哲学から物理学までに広がる豊富な知識。宗教とは世界観なんだろう。世界観、宇宙から見ると人間なんてちっぽけなものだ。そのちっぽけな自分の苦悩なんて、宇宙から見たら「無」に違いない。と、そこで悩まない自分なれれば「解脱」できた、ということか。

    そうそう、先々週はお寺て祈祷をお願いした。私のためだけに、お上人さんに1時間お願いした。さすがに正座をしたが、普通ならあり得ないのに、お経でかつお寺の中にあって正座は出来た。

    最後に玄侑宗久氏は高校の先輩であること、しかし私の入学した年に卒業をされていたのですが。

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    2012年09月24日
  • 禅のいろは(PHP文芸文庫)

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    「べらぼうな生活」以来、この方のエッセイは大好き。
    最近、本を出すお坊様も増えましたが、こっちのほうが人生の修行積んでると思うのに、若僧の(失礼!)人生論なぞ読む気にはなれないのですが、玄侑宗久氏の砕けたお話は面白い。
    禁煙を強いられる話などで、突然、大人気ないとも思われるエキサイトも面白いし。
    南極料理人の西村さんに通じるものもあるかなあ~
    京都エッセイの入江さんとか・・・
    ちょっと毒舌な文章も、悪気はなくて、「きっと、ご本人、面白い人なんだろうな」と思えるようなものは読んでいて楽しい。
    いろはかるたをネタに書かれていて、それぞれの文の頭にかるたのイラスト(カット)が入っているのですが、宗久氏とだるまさんをSD化したキャラが描かれていて、ゆるさ加減が良かったです。

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    2012年09月14日
  • 禅的生活

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    ネタバレ

    (読み終わってませんので記載中)

    払ってもいい金額:1200円

    基本的にわかりにくく読み進めにくい本なのですが、
    仏教だか禅だかの予備知識があると読み進めやすいかも。

    アクビのやり方(P14)
    1ハナゲ(P32)

    とかわかりやすい部分もある。

    「7つの習慣」同様、原則に基づいたことが書かれていて
    何度も読み返すだけの価値はある、ように思える。

    (2020/04 やっと読み終わった)
    後半は宗教色が強くなってきた印象で☆一つ減らしました。
    払ってもいい金額:800円

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    2020年04月28日
  • アブラクサスの祭

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    心に闇を抱えた僧侶の変性意識の描写が息詰まるようです。この結末は救いといえるのだろうか?

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    2012年09月06日
  • 禅的生活

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    この本で禅が解るほど浅い世界ではないが、禅の世界を垣間見られる。
    一つ一つの事象は独立していると考え、その事象を楽しみ、佳いと感じる「因果に落ちず今を楽しむ」と云う教えが心に残った。
    ・残念な事象の連続でも将来まで悲観しない。
    ・今の行為の果報を期待しない。
    ・因(原因)でもあり、同時に果(結果)でもある瞬間としての今を味わいつくす。
    実践はなかなか難しいが…。

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    2012年08月16日
  • 現代語訳 般若心経

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    般若心経って今までとっつきにくいイメージでしたが、平易な書きぶりで、初心者の自分にはピッタリでした。玄侑宗久さんイイですね。

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    2012年08月01日
  • 禅的生活

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    一般の人の視点にたった言葉遣いで書かれているからか、禅に関する他の書籍と比べて分かりやすく、あっという間に読み終えた。おかげで、もう少し禅について学んでみようと思った。

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    2012年08月01日