玄侑宗久のレビュー一覧

  • 光の山

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    いずれも東日本大震災を想起させる短編集。

    深刻に受け止められるエピソードもあるが、
    絶望だけではなく、なんだか前向きに思えるものがある。

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    2016年04月29日
  • 死んだらどうなるの?

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    著者の玄侑宗久氏は、2001年に『中陰の花』で芥川賞を受賞し、その後も多数の作品を著す、福島県の福聚寺の住職である。
    著者は本書で、「死んだらどうなるのか?」について、1.死とはなにか?、2.あの世とはどういうところか?、3.魂はあるのか?、という大きく3つのテーマに分けて、仏教、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)、日本の古来の思想などの視点に加えて、最新の科学的な知見、臨死体験の話なども含めて、様々な考え方を縦横に紹介している。
    そのため、我々読者も「死んだらどうなるのか?」について自然に思いを巡らせることになるが、結論としては、予想された通り、「もとよりこの本のテーマは、

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    2016年02月06日
  • 現代語訳 般若心経

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    私には、1回読んだだけでは難しくて分からない。何度も繰り返して読んでいるうちに、何だかしみこんできたような気がする。
    それだけ般若心経の奥が深くて、いろいろなことが凝縮されているということなのだと思う。
    何度も読み返したいと思った。

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    2015年07月13日
  • 現代語訳 般若心経

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    翻訳と言うよりも解説書であり,仏教思想(特に「空」の思想)の入門書。
    無心に般若心経を唱える準備を整えるための書籍。
    なぜ般若心経を唱えることが悟りへの路となるのかが解説されている。

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    2015年01月12日
  • 中陰の花

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    「成仏させる」というのは、死者の魂ではなく、遺族の魂のほうを成仏させるという感じかなあ、と解釈する僧が、知人の占い師の死や、霊感らしきものを感じるという妻の、流産した赤ん坊の供養をしたいという願いなどから、死んでまだ成仏していない魂というものの在り様について考え不思議な体験をするという話。通常の意識下ではなかなかとらえられないそのその不思議な現象についてよりも、僧侶とその妻の日々の暮らしの規律正しさと、交わされる会話の中にあらわれる故人のことを思う気持ちの優しさなどに惹かれる。

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    2014年12月04日
  • 生きる。死ぬ。

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    前提となっている事柄を疑う姿勢が大事。がんを敵対するものとしてみなすのではなく、がんも味方かもしれないという見方も考え、排除から共生への視点。ひさびさに面白い本で夢中になって読んでしまった。
    対談のラストで玄侑氏が不二の思想に決着点をつけてしまったのが少々強引な印象。

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    2014年10月12日
  • 禅的生活

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    やわらかいジョーク交じりの語り口で書かれているが、こちら側の禅及びその周辺に対する少ない基本知識では理解不能。しかし理解できた部分もあり、そこからもっと禅を知りたいと思った。

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    2014年08月07日
  • 生きる。死ぬ。

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    ガンは人間にとって体をむしばんでいくものだ、という常識を疑う前提で話が進んでいて、いい本やなあと思いながら読む。
    人間を全体で見たときに、病気の部分を排除して、それで問題なし、とする態度には、自分もすごく違和感があります。
    健康と病気をを対立するものとしてとらえない、そのことが重要なのかなと思う。どんなことにおいても。

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    2014年04月28日
  • 無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方―

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    もともと好きだった方丈記。もともと好きな作家の玄侑宗久。方丈記が800年前の火事・地震・津波・竜巻の記録満載なことは知っていたので、どう今の福島と絡めてくるかに興味がありました。
     驚いたのは、地震のあとしばらく本をよむことができなかったというくだり。実は私も震災後半年ぐらいは、本が読めなくなりました。当時本を「読まなければならない」事情があったのですが、読んでも読んでも目が上滑りして頭に入らず、好きだった本すら手にとる気にもならず、本当に困りました。プロの作家、僧侶という立場の人でも本が読めなくなっていたんだ。と妙なところで安心しました。
     もう一つ個人的に驚いたのは、黒澤明の映画「夢」で「

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    2013年12月01日
  • 死んだらどうなるの?

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    最後の、確かめないでね、が効いています。自然に死を迎えることで、思いも寄らなかった自分の人間性に出会えるのを楽しみにしておく…その発想が面白いです。
    自分らしく=実は自分らしくない、作られた姿。

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    2013年11月06日
  • アブラクサスの祭

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    病と音楽って、似てる。躁鬱でヤク漬けのロックな坊主の話。出てくる音楽はほとんど分からないのに面白い。音楽って毒にも薬にもドラッグにもなるよね。で、環境そのものでもある。


    これ読んで気付いたけど、私も躁鬱の気があるんだなぁ。ただ、幸か不幸か私には病に深く落ちていけるだけの才能がない。病は深く強烈に落ち込まなければいけない。そこから浮上する力は最底辺まで行かなければ湧いてこない。ただし、そのまま帰って来られなくなることもよく、あるけどね。

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    2013年11月05日
  • 現代語訳 般若心経

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    作家、禅僧である玄侑宗久氏が「般若心経」の内容を解説した本になります。

    著者が、観自在菩薩となって舎利子に語りかける形で内容を解説しています。
    最初から順番に内容を語るだけでなく、その考えがどこからきているのか、そういった関連した基本的な内容も合わせて説明されているので、非常に読みやすく理解も深まります。

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    2013年09月09日
  • 現代語訳 般若心経

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    全てのものは「空」である。
    一読しただけでは、何となく般若心経の外観がわかった程度であるが、
    今までの既成概念を見つめ直すにはいいきっかけとなった。
    再度熟読し、腹に落ちるまで読み返したい。

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    2013年09月02日
  • 自然を生きる

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    ネタバレ

    なかなか不思議な順番で読んだ。。この前に祖師仏教を批判する呉智英さんの「つぎはぎ仏教入門」を読んだんだけど、変に影響を受け視野が狭くなることなく読めただろうか。さておき、真宗と臨済宗なお二人の対談です。玄侑さんはTVで何かの番組にでられたときの印象がよく、「禅的生活」なんぞを読んでいたりする。作家としての玄侑さんの作品は読んでいないけど・・。

    関係性に自ずから巻き込まれることを「縁起の実践」とし、積極的にかかわりながらも関係性にはこだわらないとする「空の実践」との部分が今に響きました。関係性にこだわるあまりに巻き込まれることをしない自分がいるのは確かであり、またここがとにかくも頑なな部分でも

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    2013年08月26日
  • 四雁川流景

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    純文学調の作品、になるのかな。道尾秀介氏の賞賛ツイートがきっかけで手にとった作品。

    個人的には、スカッと謎やわだかまりが解決されるミステリーやエンターテインメントが好きなのだが、この作品は、あえて語りきらず、読み手に自身の心との対話を促すような作品。そういう作品ばかり読んでるときっと疲れてしまうけど、たまに読むと、心に栄養を与えてくれる気がする。命、生、死、性、愛、哀…それらが織りなす心の襞が、架空の舞台である四雁川の流れに垣間見える。そんな連作短編集。、

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    2013年08月16日
  • 無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方―

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    もう少し早く読むべきだったかもしれません。
    作品は読者が作るものだということを教えてくれた本となりました。
    私にとって鴨長明は無常観とか悟りとか言いながら、住居に強い執着のある矛盾した老人、というイメージでしたが、玄侑宗久氏の作り上げた鴨長明は決してそういう人物ではなかったのです。こうして、読者が作品を作り上げていくんだなあ。
    今だから必要な本なのでしょう。
    本の帯は早くに捨てるのですが、この本の帯については、筆者の笑顔に慰められたので、大切にしたいと思います。
    明るい無常観のススメ、ですね。

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    2013年04月16日
  • 中陰の花

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    僧侶である則道(そくどう)は、妻の圭子と二人暮らし。所謂"おがみや"として様々な予言をし、自分の死をも予知して最期を迎えたウメさん。鉱泉を開き、妻と共に自らの宗教体験を語る石屋の徳さん。流産のために産まれる前に亡くなった我が子と、圭子が「成仏してない」と主張するウメさんとを弔うため、圭子が作った紙縒(かみより)に包まれながらお経をあげる則道。そこで二人は紙縒に不思議な動きを認め、そして圭子は呟くのだ―「成仏やなあ」と。
    タイトルにもなっている「中陰」とは、この世とあの世の中間、という意味らしい。ネットで霊体験を検索する則道は、次のように考える。「多くは真剣に自分の信じる世界を描いているようだ。

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    2013年03月27日
  • 中途半端もありがたい

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    アンチ二元論

    見解の対立があるところは、深めずに終わらせてある。
    編集のしわざなのか、対談者のしわざなのか。。

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    2013年03月09日
  • 現代語訳 般若心経

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    玄侑宗久による般若心経の解説書。最近流行りの写経で取り上げられることが多い心経ですが、経典のエッセンスを濃縮してあり、内容を理解するのは難しいです。本書では大本を使用し、"般若波羅蜜多"を軸に独特の観点から説明してくれています。解説本は色々出版されていますが、宗教色の薄いものは珍しいと思います。ある程度詳しい人には物足りないかもしれませんが、ちょっと興味があってという初心者には最適の入門書ではないでしょうか。特に東洋のお経の内容を西洋の科学と結びつけながら説明していく手法には目からうろこが落ちました。

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    2013年02月11日
  • 釈迦に説法

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    私はこの人の著書が好きです。
    作家としての文章力があり、禅僧としての独特の着眼点があり、読むことでなるほどと感心させられる所が必ずあります。
    今回も興味深い話が多く、あっという間に読み終わってしまいました。

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    2013年08月10日