【感想・ネタバレ】現代語訳 般若心経のレビュー

あらすじ

人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。

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般若心経って、知ってるけど出だししか知らないな…と思って手に取った本。仏教についても知ってるようで知らない。日本人にも馴染み深く、多くの人や文化に影響を与えた宗教。そして宗教なのに宗教色の薄い感じ?が仏教らしさでもあることが分かる。高校時代にやたら四字熟語あるなと思っていた般若心経。あぁ、そんなことが書いてあったのかということと、仏教のスタイルについて「ほぇ〜!」って思える書籍。面白かった。

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2025年04月24日

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現代語訳 般若心経
著:玄侑 宗久
ちくま新書 615

般若心経を東洋的な智慧ととらえる本書。西洋合理主義に対して、東洋的な叡智というものがあり、般若心経がその代表的な1つであるということを示す書でした。

西洋の知は、人を幸せにしない。いわゆる、合理的な知。
それが証拠にソクラテスは、理知では届かない「無知の知」を自覚していたにもかかわらず、それを体現する手立てを見出せなかった。70歳で死刑宣告を受け毒を仰いで死んだ。

一方に釈尊とよぶゴータマ・シッタルダーは、大いに悩んだ末に大いなる、目覚めを得た。そしてブッダと呼ばれた。
ソクラテスがロゴスによって到れなかった生命、しあわせの実感に、ブッダは瞑想という方法にたどりつくのである。

理知によらない体験的な知、それを釈尊は、般若と読んだ。
般若心経が難しいのは、人間の理知を超える体験をしようというところにある。

荘子は、「吾、我を喪う」とあり、老子も、道(タオ)と表現し、荘子は、混沌と読んだ。

この知を、理知的な知と誤解することを怖れた、鳩摩羅什や玄奘三蔵は、原語のまま、般若と音写した。

般若波羅蜜多とは、智慧の完成と訳されるが、それは知的に理解できることではない。

悟りの境地も、阿耨多羅三藐三菩提というが、これも音写のままだ。

真理というものは、だれかに向けられた聖者の言葉にやどるものであって、万人向けの一般的な真実ではない。

結集:ブッダの言葉が失われないように経典にまとめられて、アジア全域にひろがっていくが、このとき、言葉には表現できない、膨大な何かが失われた。

般若波羅蜜多とは、呪文でもあり、これを唱えることで、能除一切苦、一切の苦を除くことができるのです。

目次
はじめに
1 「般若心経」(大本)の訳
2 「般若心経」(小本)の訳
3 「般若心経」(小本)の書き下し
般若心経全文
般若心経のよみ方
絵心経
解題
あとがき
図版クレジット一覧

ISBN:9784480063199
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:780円(本体)
2006年09月10日第1刷発行
2022年03月10日第22刷発行

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2024年11月15日

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般若心経の訳本として分かりやすい。仏教の基本知識である四諦や十ニ縁起、六根、六境についても説明がある。
また、音唱することこそが、本来の意義であることも書かれており、実践の道を示してくれる良書。

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2021年02月15日

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平易な文章で非常に解りやすく般若心経を解説。般若のお面と般若心経は全く関係ないことを初めてしった。また量子力学など科学的視点からの解説もあり、非常に納得感があった。まあ般若心経が合理的知性を超えたものであるので、納得感があるという表現はまだまだなのだが・・・とても良い本ですお薦め。

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2018年10月09日

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生のセンスデータに色を付ける
「自分」。

この本を読むことで「自分」を洗浄できたような気がする。

•••あ!!
「自分」を使ってしまった!という難しさσ(^_^;)

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2013年04月21日

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本書は、現役の副住職であり、芥川賞作家でもある著者による般若心経の現代語訳。観自在菩薩がシャーリプトラに話しかけるというユニークな形式を取り、最新の科学の知見も取り入れながら解説が進む。語り口こそ平易だが、内容自体は結構難解。
最後の最後に「最高の咒文(じゅもん)」(!)が登場する。文字数にしてたった18文字。ただし、この咒文部分だけは「意味などわからない方がよく、音だけを暗記し、『響き』の力を感じるべき」という理由から現代語に訳されない。同様の理由から、玄奘三蔵も音写のままにしたとのこと。
般若心経がこんな呪術的な内容とは知らなかった。何とも刺激的。

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2012年06月10日

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苦しみとは何か、苦しみを生み出す原因は何か、苦しみから解放されるにはどうすれば良いか、これらが本書では非常に合理的に説明されていた。
理知を用いて合理的に考え抜かれた末の結論が、理知を捨てることだということが、とても印象的だった。
私自身、まだ理知(概念)から解放される涅槃には全く至っていないが、概念というものに支配されている”自分”を認識することができた点が、この本から得られた大きな学びだった。

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2023年08月01日

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量子力学を調べていくうち、なぜか本書に辿り着いた。

ゴーダマさん凄い。あの時代に弦理論やら超ひもやら相対性理論を悟りで感覚的に理解していた訳だ。シッダールタまじ凄い。

私が今まで日本語を学び、本を読んできたのは般若心経に出逢う為だったのではないかと思うほど。
あまりスピってるとも思われたくないが、真理を志すのは良いことではないか。
いや、そんな事を思っているから実相を空と捉えられないのだ。

名づけのなかで、最も罪深いものが「私」という代物。
考えてみれば、私たちは物心がついたときにはすでに生まれていたわけで。そしてそれまで「私」など関係なく生きていた「いのち」を、あるときから「私」だと思い込んだ。
物心がつき、知恵づき、そしてさまざまな分別を身につけることでそれが肥大化していく。
そうして「いのち」の実相に関係なく、いつからか「私」という名の何者かを中心にモノを見るようになっていった。
当然、「花」のように、実物の「いのち」にはなかった自立性や恒久性が「私」にも付加されることになる。
大胆な言い方をすれば、これこそがあらゆる「苦」の根源かもしれない。

もしも今まで読書をしてこず、あらゆる先人の思想、アイデンティティを学んでいなければ私の知能では一ミリも理解できなかっただろう。本を読むことほど大切なことはないと改めて思う。

色即是空 空即是色
これだ。これ。

宗教に興味はないが、釈迦はヤバい。語彙が乏しくなるほど奴はヤバい。尊敬する。

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2023年07月29日

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面白かったです。
「仏教の辿り着いた世界観は、科学分野での研究成果と(それほど大きな)齟齬を来さない」と主張されており、時折、科学の話が挿入されるのが印象的でした。
般若心経を通して、仏教の合理性、哲学的を存分に感じることが出来るかと思います(ただし、本書の著者は、合理性でもって全てを理解した気になるという態度には否定的です)。

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2021年07月27日

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読みやすい様に書かれてると思うけど、一つ一つの言葉の読み方、意味が難しい。
ただ般若心経がなんなのかは漠然と分かった気がする。

仏教の本は初めてだったが、興味が持てた。
知識を持った後でもう一度読んだらより楽しめると思う。

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2021年05月29日

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般若心経について、詳しい意味(大本ベース)の説明、読み下し(小本)、そして実際に唱える際の音読の読み方までコンパクトにまとめた一冊。

知恵、真理に近づきたいと努力するなら、研究するにはよい自習書だと思います。

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2021年02月03日

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ネタバレ

衝撃的だったし、一度では理解しきれないので、読後即座に二度読み。即座に二度読みは人生初。まだ理解はできていないと思うが。

1.自分が、自分が、、の現代にあって、「「私」をなくすことが幸せ」と説く。


2.今まで常に何かを得よう、勉強しよう、とがんばってきたような気がするけど…

―どうしても私たちは、なにかを学ぶ、知識を得る、という次元で全てを処理するクセがついています。これも大脳皮質の強力な支配体制のなせるワザなのでしょう。本物の「いのち」の上に息苦しい虚構を作っていることに、なかなか気づかない。しかも「得た」と思うのは常に「私」です。タメになった、などと思っているうちはまだまだ「般若波羅蜜多」には程遠いのです。

―智も無く、亦得ることも無い

―般若とは、裸の「いのち」が本来もっている生命力への気づきでもあります。「空」というのは、「私」というものを抜きにした事象の本質的な在り方なのです。それを感じる主体は自他の区別がつかない状態で全体に溶け込んでいます。

3.他に、ただ唱えること、それによって感じること…という節があって、これに関しては、まだよくわからないが。

これだけを妄信してもいけない気がするが、
行きつく先はこれなのだと知っておくと、実に楽になる気がする。私こそが、色んな悩みとか、不安の根源なのだと知っておくと。

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2018年11月11日

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私には、1回読んだだけでは難しくて分からない。何度も繰り返して読んでいるうちに、何だかしみこんできたような気がする。
それだけ般若心経の奥が深くて、いろいろなことが凝縮されているということなのだと思う。
何度も読み返したいと思った。

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2015年07月13日

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翻訳と言うよりも解説書であり,仏教思想(特に「空」の思想)の入門書。
無心に般若心経を唱える準備を整えるための書籍。
なぜ般若心経を唱えることが悟りへの路となるのかが解説されている。

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2015年01月12日

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作家、禅僧である玄侑宗久氏が「般若心経」の内容を解説した本になります。

著者が、観自在菩薩となって舎利子に語りかける形で内容を解説しています。
最初から順番に内容を語るだけでなく、その考えがどこからきているのか、そういった関連した基本的な内容も合わせて説明されているので、非常に読みやすく理解も深まります。

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2013年09月09日

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全てのものは「空」である。
一読しただけでは、何となく般若心経の外観がわかった程度であるが、
今までの既成概念を見つめ直すにはいいきっかけとなった。
再度熟読し、腹に落ちるまで読み返したい。

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2013年09月02日

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玄侑宗久による般若心経の解説書。最近流行りの写経で取り上げられることが多い心経ですが、経典のエッセンスを濃縮してあり、内容を理解するのは難しいです。本書では大本を使用し、"般若波羅蜜多"を軸に独特の観点から説明してくれています。解説本は色々出版されていますが、宗教色の薄いものは珍しいと思います。ある程度詳しい人には物足りないかもしれませんが、ちょっと興味があってという初心者には最適の入門書ではないでしょうか。特に東洋のお経の内容を西洋の科学と結びつけながら説明していく手法には目からうろこが落ちました。

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2013年02月11日

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「般若」とは理知によらないもう一つの体験的な「知」の様式である。「般若」の捉える「全体性」は、無情に変化しつつ無限の関係性の中にあり、いつだって絶えざる創造の場である。
「般若波羅蜜多」は「知恵の完成」と訳される事が多いが、実践的叡智であることを忘れてないけないだろう。
「般若波羅蜜多」というのは実は特別な呪文なのです。この呪文を唱えるといつのまにか「私」が消え、「いのち」の本体になりきってしまうということですね。

以上、抜き出しでした。

たった262文字の般若心経の解説に本が一冊とは多いのではないか、と思われるだろうが、私には足りないぐらいだった。
「自分」というのは錯覚、とまで感じさせる。すべてが「空(くう)」で物事は「縁起」でつながり単独では存在しない。
結局は自分の感じている苦悩なんて存在しないものだ、と言われると確かにそうなんだけど、と思うのはある。

最後は呪文として覚えましょう。声の響きと一体になって宇宙とつながるのです。

本書を読むとわかるのは玄侑宗久氏の哲学から物理学までに広がる豊富な知識。宗教とは世界観なんだろう。世界観、宇宙から見ると人間なんてちっぽけなものだ。そのちっぽけな自分の苦悩なんて、宇宙から見たら「無」に違いない。と、そこで悩まない自分なれれば「解脱」できた、ということか。

そうそう、先々週はお寺て祈祷をお願いした。私のためだけに、お上人さんに1時間お願いした。さすがに正座をしたが、普通ならあり得ないのに、お経でかつお寺の中にあって正座は出来た。

最後に玄侑宗久氏は高校の先輩であること、しかし私の入学した年に卒業をされていたのですが。

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2012年09月24日

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般若心経って今までとっつきにくいイメージでしたが、平易な書きぶりで、初心者の自分にはピッタリでした。玄侑宗久さんイイですね。

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2012年08月01日

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まったく無知な自分にとっては非常にわかりやすい訳本だった。
わかりやすいわからなさというか。。
世尊の教えとは真逆の理知を極めてきた物理学や分子生物学のような分野の本に書かれていることが、般若心経にあるような世尊の教えと同じ方向だったりすることが興味深い

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2012年05月15日

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仏教の教義を補いながら般若心経をわかりやすく現代の言葉に書き下している。
まず、般若心経がシャーリプトラ(舎利子)という人物に「般若波羅蜜多」に至る方法を説いた説話のような体裁の経典だということを知り、堅苦しいイメージが払拭された。
「現代語訳」では、教義のみに留まらず、現代科学や近代哲学の知見をふまえながら「般若波羅蜜多」への道筋を示していて、まさに現代を生きる私たちに語りかけているようだった。
「かつ消え、かつ結ぶ」といった量子力学での粒子の振る舞いや、概念や因果律の超克という近代思想史における試みが、「般若波羅蜜多」と大いに親近性をもっていることがとても興味深い。
巻末には般若心経の全文とその読みが記されていて、これから写経や読誦を始めようという人にもちょうどよい一冊ではないかと思う。

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2012年05月06日

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どなたも何度か耳にしたことがあるであろう、色即是空、空即是色の般若心経の解説本。菩薩様と舎利弗との掛け合いが微妙でおもしろい。それでいて量子力学の不確定性原理やら我思う故に我ありなど、般若心経って哲学書なんですね。

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2013年02月10日

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[ 内容 ]
人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。
私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。
それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。
『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。
大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。

[ 目次 ]
1 「般若心経」(大本)の訳
2 「般若心経」(小本)の訳
3 「般若心経」(小本)の書き下し

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月27日

Posted by ブクログ

小説家でもある著者の書いた本なのでわかりやすくかつ惹きつけられるものも多かろうと手に取ったが、やはり自分にはしばしば難解な部分があった。認識するのでなく感覚でとらえる、ためには何度も唱えるしかないかも。挿絵のその時々でホッとする柔らかさが良かった。2021.10.7

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2021年10月07日

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般若心経の解説本ですが、もっとわかりやすい本があると思います。

1.この本を一言で表すと?
・臨済宗の僧侶にして作家の玄侑宗久氏による般若心経の現代語訳解説書。

2.よかった点を3〜5つ
・ちなみに日本では、「般若」というとあの角の生えたお面を想いだす方も多いかと思うが、あれは女性の嫉妬の究極を表したお面で智慧とは何の関係もない。ただあのお面を得意とした彫り師が般若坊という名前であったため、「般若のお面」と呼ばれたに過ぎない。ゆめゆめ混同しないでいただきたい。(p13)
 →本論と関係ないが、今まで知らなかったので面白く感じた。

・我々の脳に現象した「受・想・行・識」はあくまでも主観と客観との関係性のなかの産物。私たちが感じる「ありのまま」など、けっして「本当のありのまま」ではないということなのです。(p59)
 →「ありのまま」などない、というのは面白い考え方

・つまり、私は、「空」というのは「いのち」のまま、「色」というのはそれに脳が手心を加えた現象なのだと申し上げてきたつもりです。いや、脳というより、「私」と云うほうが正確ですね。(p154)
 →「色」というのは主観ということで、脳つまり私が判断しているものということ

・「私」を「いのち」そのものと錯覚したり、あるいは「私」の思いで「いのち」や「からだ」を支配しようというのが、一番困った勘違いなんです。難しい言葉で云うと「?倒夢想」ですね。(p160)
 →悟りの領域の感覚か?

・意味を忘れて「般若心経」を音読してください。(p194)
 →意味など深く理解するよりも、音として脳に染み込ませるべき

2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・人が成長するとは、むろん多くを知ることではありません。無始とよばれる始めなき「いのち」を支える関係性をいかに実感していくか。それ以外に人間の成長する道はないはずです。(p201)
 →成長については、他にも考え方はあると思う。これしかないという言い方には違和感がある。

・意味を考えず、音で感じよ、というのはなんとなく理解できるが、この本自体を否定することにならないか?

3.実践してみようとおもうこと
・特になし

5.全体の感想・その他
・もう少し簡単に理解できるかと期待していたが、哲学的内容なため、理解が難しかった

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2018年12月30日

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わかりやすい!
くどいところもあるが、仏教素人でも理解できる形で、言葉を補いながら般若心経を解説してくれる。

ただ、特に不確定性原理のような解釈の難しい現代科学が、あたかも仏教の考えをサポートするかのような形で挿入されているのは、誤解を生みかねないと感じた。取扱注意。

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2015年05月06日

Posted by ブクログ

「私」とはつくづく厄介な存在であるなぁと感じた。ともすれば好悪の感情や先入観で自分の都合のいいように物事を判断する。
本書では自我の獲得が苦の根源であると説く。言葉の獲得により自立性と恒久性を備えたがゆえの弊害。そういう意味では娑婆の世界における苦から解き放たれた存在である赤ん坊がうらやましくもある
これからクリアな気持ちになりたい時は「般若波羅蜜多」を唱えて原点回帰したいと思う。
般若心経についての入門書として読みやすかった。

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2013年08月19日

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お葬式であげられる般若心経の意味を知れた。般若心経の意味するところの難しさがわかる、という点でわかりやすい。

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2013年01月14日

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平易な文章で書かれてあるため、般若心経に触れるきっかけとするには丁度いい良書。巻末に「よみ方」が載っているのも面白い。

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2012年07月29日

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 生まれ落ち成長するにしたがって、言語を認識し概念を動員し理解する(自我/個の確立)。一方で、それらが迷いや苦しみの源となる(合理性の限界)。般若心経は合理的知性を超えたもうひとつの「知」が凝縮されている。「般若」というのは「体験的で全体性を持った知」(正しくないかもしれませんが大体こんな感じ)、「個」の錯覚が元となって事項中心的な世界の眺めは「般若」の実現で一変することとなる。
 
 本書は解説書ではなく、あくまでも訳書。ただでさえ般若心経は大般若経600巻を262文字に凝縮しているものなので理解することが難しい上、読書という理知的な方法で体験的な知を獲得することはなおさら難しいと感じました。でも、文章は易しいので、大意は大体こんな感じというような具合に理解できると思います。合理性に息苦しさを感じている方にオススメ。
 
 

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2012年05月13日

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