玄侑宗久のレビュー一覧
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現代語訳 般若心経
著:玄侑 宗久
ちくま新書 615
般若心経を東洋的な智慧ととらえる本書。西洋合理主義に対して、東洋的な叡智というものがあり、般若心経がその代表的な1つであるということを示す書でした。
西洋の知は、人を幸せにしない。いわゆる、合理的な知。
それが証拠にソクラテスは、理知では届かない「無知の知」を自覚していたにもかかわらず、それを体現する手立てを見出せなかった。70歳で死刑宣告を受け毒を仰いで死んだ。
一方に釈尊とよぶゴータマ・シッタルダーは、大いに悩んだ末に大いなる、目覚めを得た。そしてブッダと呼ばれた。
ソクラテスがロゴスによって到れなかった生命、しあわせの実感に、 -
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全体を通じて、仏教についてのとてもすぐれた入門書になっていると思った。身体は死と生が同時に起きているという科学の話題、華厳経の時法界、理法界、理事無礙法界、時時無礙法界、といった解説や、唯識による心の中の阿頼耶識の種子の話が印象に残った。
むすぶー結ぶ、ひらくー解きほぐす、という解釈も面白かった。我々の認識が世界を分節化して認識し、その分節化の行きすぎに陥っているから、それを一旦解きほぐしたらどうかという提案も、行き詰まりの社会になにかヒントにならないかと感じた。
ただ、「むすぶ」が「結ぶ」ではなく「産すぶ」につなげたらまた面白いとも思った。
聞き手の大竹稽は教え子の自殺を心に抱きながら、応 -
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私だけの仏教 あなただけの仏教入門 (PHP文庫)
by 玄侑 宗久
一つには経典が多すぎること。それはもう 浜 の 真砂 ほども、と言っては失礼になるが、とにかく何か仕事をしながら読もうなんて芸当のできる数ではない。僧侶などという雑用の多い仕事をしていたら 尚更 である。一説に五千四十八巻とも
ある意味では、自力とは言葉に表現できる世界であり、他力の世界は言語表現が不可能だと考えることもできるだろう。頭で考え、論理的に求められたものはすべて「自力」の産物だが、そこには宗教のもつ 醍醐味 はほとんどないと云えるだろ
学業優秀だった人々が大勢あのオウム真理教に入信していったのも、私 -
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玄侑宗久(げんゆう・そうきゅう)
福島県生まれ。慶應義塾大学卒。臨済宗妙心寺派福聚寺住職。
2001年『中陰の花』で芥川賞を受賞。他に『禅的生活』など。現在、政府の東日本大震災復興構想会議委員。
釈徹宗(しゃく・てっしゅう)
浄土真宗本願寺派如来寺住職。相愛大学人文学部教授。専門は宗教学、比較宗教思想。グループホーム「むつみ庵」などを運営するNPO法人理ライフ代表。
主な著書に、『ゼロからの宗教の授業』(東京書籍)、『現代霊性論』(内田樹との共著、講談社)など。
自然を生きる
by 玄侑宗久、釈徹宗
釈 ちょっと話が飛んじゃいますけど、僕ね、以前、アダルトビデオ(AV)監督の -
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ネタバレ:最も強い主体性は完全な受け身である
荘子の最大の関心ごとは主体性であった。逆説的だが、自分の外側で起こる変化を全て受け入れられる柔軟性を持ち、完全に受け身に徹した時こそ完全な主体性を得ることが可能なのである。精神分析学においても、完全に身を任せられることが完全な主体性の確立であるとされているという。
この受け身の姿勢は、一般的に「待ち」の姿として理解されているものとは似て非なるものだろう。なぜならば、完全な受け身の姿勢においては常に変化に合わせて動かなくてはならず、何かを待っていることなどできないからである。つまり受け身でいるというよりは、流れに逆らうような意識がないから上手く流れ流され -
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#史上最強の哲学入門 から興味を持った #荘子 について分かりやすいかと思い、購読。TVの4回放送のテキストが元なので、TV観てないと少々分かりづらくは感じた。
時代も場所も違うところで、同じようなことを言っているのが哲学の面白さというか、突き詰めると同じところに行き着くのかなと思う。
#胡蝶の夢 は自分の存在すら疑問を持った #デカルト の #我思う、ゆえに我あり だし、 #蝸牛角上の争い は全てのものに意味などないと言い切った #ニーチェ かな。
荘子の何がすごいって、デカルトやニーチェよりも全然昔の人だってこと。東洋の哲人たちは本当にすごい。 -
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玄侑宗久『光の山』新潮文庫。
福島県三春町在住の僧侶作家による東日本大震災後の苦難に満ちた人びとの日常を描いた短編集。三春町の小さな本屋のご当地作家コーナーで目にし、手に取った。珠玉の7編を収録。
『あなたの影をひきづりながら』。僅か5ページの掌編ながら、震災後の人びとの苦難を凝縮した作品。震災が引き裂いた若い男女……作中に描かれた「なんにもなぐなっちまった」という登場人物のお爺の言葉は震災直後に気仙沼の鹿折地区を見て、思わず自分が口に出した言葉と同じであった。
『蟋蟀』。震災で生き残った者の心の傷。老いた者も、若者も同様に心の傷を引きずる。蟋蟀たちの鳴き声は思い半ばにして亡くなった者た -
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7年越しの取り組み、だとか。
「玄侑さんの『竹林精舎』は、道尾の“ある作品”がもとになっています。そして僕の『風神の手』も、その作品がなければ違う物語になっていました。
その2冊が、偶然にも同じ日に同じ版元から刊行されるという……なんとも不思議なことが起きたのです。」by 道尾秀介
と言われちゃ、読まないわけにはいかないってもんですw
“ある作品”とか言ってるけど「ソロモンの犬」ですね。
その登場人物たちが名前は変えてあるけど、キャラクター設定などは同じままに登場。
両親を震災で失った秋内圭は出家し、学生時代の仲間と再会しとまどいながら、故郷の竹林寺での暮らしをはじめる。
フクシマに何