【感想・ネタバレ】私だけの仏教 あなただけの仏教入門のレビュー

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Posted by ブクログ

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私だけの仏教 あなただけの仏教入門 (PHP文庫)
by 玄侑 宗久
一つには経典が多すぎること。それはもう 浜 の 真砂 ほども、と言っては失礼になるが、とにかく何か仕事をしながら読もうなんて芸当のできる数ではない。僧侶などという雑用の多い仕事をしていたら 尚更 である。一説に五千四十八巻とも

ある意味では、自力とは言葉に表現できる世界であり、他力の世界は言語表現が不可能だと考えることもできるだろう。頭で考え、論理的に求められたものはすべて「自力」の産物だが、そこには宗教のもつ 醍醐味 はほとんどないと云えるだろ

学業優秀だった人々が大勢あのオウム真理教に入信していったのも、私にはこの「行」による恍惚感のせいであったように思えてならない。彼らは 五体投地 とか水中クンバカなどの厳しい「行」を通し、これまで感じたことのない恍惚感を感じたのではなかっただろうか?

各宗派を料理に 喩えたのは本当に不謹慎で申し訳ないと思う。しかし実のところそれが正直な実感である。それぞれに美味しいと思う宗派ばかりだから、私はまずどなたにも、自分の家の宗派を見直してほしいと思う。そしてその上で、何かほかに食べたいメニューを追加すればいいので

ただ、今も申し上げたように、これが中道であるという自覚は本来他人に言われて 鵜呑みにすることではない。実践的に極端も試してみるのはむしろ必要かもしれ

アメリカとイスラム圏の対立が激しい今だからこそ「 中道」が大事だとも云えるだろう。  そして何より仏教に最も特徴的なのは、こうしてヴァイキングが許されるということ、つまり 未だかつて本格的な集権化、統一化が図られたことがないという事実で

ここまで書いて 憶 いだすのは『 大乗起信論』という本である。これは著者が 馬鳴 とだけしか分からず、いつどこで書かれたかも不明ながら名著だと私は思うのだが、そこには物理学でいう「相補性」の考え方がふんだんに用いられている。  最近の物理学ではクォーク(物質を構成する基本的な粒子)に対する反クォーク、電子に対する反電子、あるいは物質に対する反物質というものまで 措定 され、それらは密接不可分に絡み合ったり離れたりすると考えられているわけだが、この相反するものどうしの 邂逅 と離反によって世界を感じとる仕方は、じつは『大乗起信論』以降、少なくとも六世紀以後の仏教思想においては常識化していたものなので

おそらく、不可能なことを目指す人間の姿は、美しいのである。私はたぶん、先輩のその姿の美しさに感動していたのだと思う。  あらゆる人々を救うことなど不可能に決まってるけれどそれを願い、煩悩が尽きないことは分かってるけれどやはりそれを願い、学ぶことはきりがなくあるけれどすべてを学びたいと願い、仏道に終わりがないのは知ってるけれど最後まで行きたいと願う。その姿は、必ず美しいはずで

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

仏教をバイキング料理にたとえて説明してくれいる内容で、本当に、もう何がなんだかわからない!という状況の私には、とても勉強になりました。
なんだかカオスなのは私の頭の中だけではなく、仏教自体がカオス的な状態になっているのね!ということがわかって、安心もできました(笑)
文章がとてもわかりやすくて、読み手が混乱しないようにやさしく語りかけてくれている感じがとても良かったです。

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2016年10月02日

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