【感想・ネタバレ】むすんでひらいて 今、求められる仏教の智慧のレビュー

あらすじ

「私たちの魂は死後も存在するのか」「人は生まれ変わるのか」ナビゲーターの素朴な問いに答える形で展開。「いろは歌」からわかる日本人の死生観や宇宙物理学に通ずる華厳の世界観など、仏教の深淵に迫る好エッセイ。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

全体を通じて、仏教についてのとてもすぐれた入門書になっていると思った。身体は死と生が同時に起きているという科学の話題、華厳経の時法界、理法界、理事無礙法界、時時無礙法界、といった解説や、唯識による心の中の阿頼耶識の種子の話が印象に残った。
むすぶー結ぶ、ひらくー解きほぐす、という解釈も面白かった。我々の認識が世界を分節化して認識し、その分節化の行きすぎに陥っているから、それを一旦解きほぐしたらどうかという提案も、行き詰まりの社会になにかヒントにならないかと感じた。
ただ、「むすぶ」が「結ぶ」ではなく「産すぶ」につなげたらまた面白いとも思った。

聞き手の大竹稽は教え子の自殺を心に抱きながら、応える玄侑宗久も日頃、多くの死に接していることが、対話のベースに流れていることを読み終わってから改めて思い出した。

0
2024年10月09日

「エッセイ・紀行」ランキング