あらすじ
福島在住の芥川賞受賞の僧侶作家が7年かけて取り組んだ長篇小説。両親を震災で失った秋内圭は出家し、学生時代の仲間と再会しとまどいながら、故郷の竹林寺での暮らしをはじめる。フクシマに何が生まれたのか? 現代に生きる気弱なブッダの弟子たちの恋と煩悩を描く力作。
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Posted by ブクログ
7年越しの取り組み、だとか。
「玄侑さんの『竹林精舎』は、道尾の“ある作品”がもとになっています。そして僕の『風神の手』も、その作品がなければ違う物語になっていました。
その2冊が、偶然にも同じ日に同じ版元から刊行されるという……なんとも不思議なことが起きたのです。」by 道尾秀介
と言われちゃ、読まないわけにはいかないってもんですw
“ある作品”とか言ってるけど「ソロモンの犬」ですね。
その登場人物たちが名前は変えてあるけど、キャラクター設定などは同じままに登場。
両親を震災で失った秋内圭は出家し、学生時代の仲間と再会しとまどいながら、故郷の竹林寺での暮らしをはじめる。
フクシマに何が生まれたのか?
現代に生きる気弱なブッダの弟子たちの恋と煩悩。
「ソロモンの犬」の事件が悲しくて・・・でも「竹林精舎」はそれを昇華させてくれた感じ。
続きの物語が、こういうかたちで読めてよかったです。
Posted by ブクログ
道尾秀介『ソロモンの犬』の登場人物のその後。
勿論、その作品を読んでいなくても楽しめる。
軽い感じで読み進められる。
ご住職という事からか、
日々、漠然と思っている事がきちんとした言葉になって連ねられている箇所があり、老い先短い人生を納得して生きる喜びを味わえるかも、という気持になった。
ありがとうございます。
Posted by ブクログ
玄侑さんの本を初めて読んだ。若い僧侶が主人公で、仏教知識も満載なところが玄侑さんならではの感じがする。テーマの方は、原発事故後の福島の放射能問題という現代的内容だが、そこに、純粋な恋愛が絡んだりして、中々豊かな内容だと思う。毒がないところが物足りないと思う人もいるだろうが、たまには、こういうふんわり柔らかな小説もいい。