【感想・ネタバレ】アブラクサスの祭のレビュー

あらすじ

東北の小さな町の寺に勤める僧・浄念は、躁鬱に苦しみつつ薬と酒の力を借りて法要をこなす毎日。不惑間近となったいま、学生時代にのめり込んだバンドへの情熱が心を占める。やっと実現にこぎつけたライブのステージで、強烈な恍惚感とともに降りてきた啓示の正体は……。精神を病みロックに没入する僧が、祝祭の只中で感じた歓喜と安らぎ、心のひそやかな成長を描く芥川賞受賞第一作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

かつてロックを志していた躁鬱の僧侶。
思考は強烈な視覚イメージに。

躁と鬱
有頂天と金輪際
あるがままとないがまま
正と邪

両極を行ったりきたりしながらライブへと。
ライブの強烈なカタルシスに啓示を受けるがきっとその一瞬だけなんだろうな。
だって祭りやもん。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

病と音楽って、似てる。躁鬱でヤク漬けのロックな坊主の話。出てくる音楽はほとんど分からないのに面白い。音楽って毒にも薬にもドラッグにもなるよね。で、環境そのものでもある。


これ読んで気付いたけど、私も躁鬱の気があるんだなぁ。ただ、幸か不幸か私には病に深く落ちていけるだけの才能がない。病は深く強烈に落ち込まなければいけない。そこから浮上する力は最底辺まで行かなければ湧いてこない。ただし、そのまま帰って来られなくなることもよく、あるけどね。

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2013年11月05日

Posted by 読むコレ

心に闇を抱えた僧侶の変性意識の描写が息詰まるようです。この結末は救いといえるのだろうか?

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2012年09月06日

Posted by ブクログ

善であり悪である神アブラクサス。それに象徴されるのは善も悪一体化した世界である。最後のライブシーン。主人公の浄念はまさにその一体化を体感する。
このライブシーンはまさに「祭」のよう。
人間は六道を漂うひげのようなもの。「あるがまま」ではなく「ないがまま」である。浄念は躁鬱、分裂病であると自認しているが、それはある意味で自然なことなのか。六道を突き抜けた恍惚の中で浄念が聞いた「おまえはそのままで正しい。」というアブラクサスの啓示。それは彼の存在を肯定するものであろう。ひげのように漂いながらも浄念は確かに生きているのだ。また妻の多恵が「六道の輪廻として浄念の変化を捉えてみよう」とし、自分を見直し、変化していく様子は心が穏やかな気持ちになった。夫婦が呼応し合っている。それが伝わって心地良かった。

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2012年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

躁・欝・分裂の症状を抱え、そのなかで揺れ動く禅僧・浄念を主人公に、かれが出家以前から追いかけていた音楽とふたたび合一することで自我の安らぎを得るまでを淡々と、しかし静謐な筆致で描く。心理描写(あるいはこの小説の場合、精神状態の描写)が圧倒的に情景描写を上回る筆致でありながら、もたつかず重苦しくもならず進める技は見事というほかない。途中までは主人公やその妻などの視点を自由に越える「神の視点」で書かれていながら、クライマックスでさらりと一人称「ぼく」に飛び移ってしまえるところにもいい意味での軽さを感じた。

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2011年04月18日

Posted by ブクログ

映画をみてから原作を。より掘り下げて補完出来た。
視点が切り替えで、変わってないようで巡ってる、ことが感じられるような。

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2011年01月23日

Posted by ブクログ

うつ病の坊さんはロックに安らぎを求めた。
読みやすい作品ではないが、面白い。

ZAZEN BOYS(向井さん)好きにはたまらないかも。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

精神を患っている僧侶の浄念は薬(医者から処方される)を飲むことで心の安定を図り、酒を大量に飲む事が恒常化している。そんな彼は昔音楽をやっており、病気から来るものか何らかの啓示なのかライブをする事に。
物語は主人公とそれを取りまく人々の視点で進んでいきます。
浄念の危うさと彼の妻、上司、上司の奥さんの寛容に包まれた物語でした!

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2014年10月26日

Posted by ブクログ

躁鬱を薬と酒の力でどうにか乗り切りつつ、騙し騙し法要をこなす浄念に多かれ少なかれ共鳴するひとは多いのではないだろうか。視覚的なイメージも強いため、現場にいるような息苦しささえ覚える。筆者の他の著書に比べて頽廃的、観念的になり過ぎていないのは浄念との距離の取り方が絶妙だからだろう。

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2012年07月13日

Posted by ブクログ

読んでいて少しだけ苦しかったです。
それでも、その分優しさが胸を打ちました。
印象に残ったのは浄念と多恵の鏡のシーン。あとはナムですね。
繊細さと力強さが入り交じった素敵なお話です。

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2011年08月16日

Posted by ブクログ

ロッカーにして禅僧
躁鬱に分裂病のケもある主人公
コンサートの開催を目論む日々のなかで
精神の安定を担保する存在「アブラクサス」を見出だす

ところで彼は、「アブラクサス」のために死ねるだろうか
(僕は無理です…)

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2011年05月15日

Posted by ブクログ

躁鬱病でアマチュアロックミュージシャンの鹿児島出身の僧侶が福島県で病と共存しながら暮らす物語。筋があるようなないような揺れ感のある文章。映画化される(福島県では既に先行公開されている)ときいていたのでもっとわかりやすい話かと思っていたらかなり純文学でした。ロック、躁鬱病、僧侶のどの世界についても背景知識にうとく話に入り込みにくかったのが残念。どれかに詳しければもっと深く読めたかも。

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2010年11月21日

Posted by ブクログ

これは話としては映画のほうが向いているかもしれない。と、いう意味で映画は良い作品になるかもしれない。ので、映画が楽しみだ。

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2010年10月17日

Posted by ブクログ

躁鬱病に苦しみながら法要をこなし、ロック好きな僧侶がライブをしちゃう物語。躁と鬱の内面的描写がリアル!僧侶の日常から脱しようとするあがきは誰にもあるのかな…この小説、映画化されるけど想像もつかない!

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2010年09月18日

Posted by ブクログ

スネオヘアー主演映画なので読んでみました。
葛藤する部分をどう演じるのか、難しそうです。
子供や妻との接し方は楽しみだなあ〜。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

躁うつ病で分裂病でロックな坊さんの物語。途中で語り手が主人公の周囲の人々にシフトして、周りから見た主人公がどういう状態かを書き出しているのが面白いと思う。精神世界の描き方が凄いと思ったら、著者は現役僧侶だったんですね。僧侶って内職してていいんですか。。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

他人との距離感とか、鬱のときの感じとか、すっごくわかるんだけど、最後に行くにしたがってそれがどんどんどんどん加速して行っちゃってとうとう突き抜けてしまう。玄宗曰くところの「人を陶酔へと運ぶ以前に自分が恍惚のうちに飛翔してしまう」(P.72)ってのが結局のところの真実なんだろうなーと思う。
主人公は躁鬱で分裂(と自認)。イっちゃってる感がすごいリアルで、この人(作者)もしかしてメンヘラかな、とたぶん誰もが思う出来。そういやメンヘラってキ○ガイの穏便な言い方なんだよな…。
主観の入れ替わりが激しくて時々「あれ?」って思ってしまうけど、それって結局私の頭の回転が遅くなっててついていけなかっただけかも。

メンヘラになる理由なんて人それぞれだし、よくわからん。自分のことですらわからん。
主人公も自分のことながらなんで自分がメンヘラなのかわかってない。わかってないから悩むし、悩むから、余計鬱(躁)になる。過去のことを引きずり出すのは鬱のときにとてもよくないことです。

なにも成長できなかったと思う。
この後どうやって生きていくのかな。

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2009年10月07日

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