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何が起ころうと悩まない。決めつけない。そして全てを受け容れ揺らぎ続ける。それが自由になることであり、強くなることであり、未来を楽しむことである――。幾多の天災人災を経験し綴られた鴨長明の境地を今に重ね読み解く。フクシマに暮らす著者だからこそ語れる、無常を力に変えてしなやかに生きぬくための智慧。
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Posted by ブクログ
ブレるだのブレないだのと最近騒がしいけども、世の中は無常。たゆたってて当たり前。揺らいだっていいじゃないと、方丈記を通して福島・三春町に住む著者は言います。 揺るがない信念というと、響きは確かに良いが、それは結局のところ何かに執着するということ。特に印象深い一文は、「何事だって断定してはいけない。...続きを読む絶対にこうなんだという思い込みでは、これまで起きたことについてしか、解釈できない。今後どうなるかわからない世界へは、風流(中道)の力で、無情の世界を一歩一歩、歩んでいく。」のところ。 今日受けた研修もそうだったけど、とかくビジネスの世界では、いろんなフレームを使って、一方向に分かりやすくハメようとしがち。それはそれで便利なんだけど、もっと手探り感で思考して行動することのほうが大事かと思う。 「結局オレ、この方丈の庵の生活で良かったワケ?」って自問自答で締めくくられる方丈記。人生の本質を突いているからこそ、名著なのだと思った。
もともと好きだった方丈記。もともと好きな作家の玄侑宗久。方丈記が800年前の火事・地震・津波・竜巻の記録満載なことは知っていたので、どう今の福島と絡めてくるかに興味がありました。 驚いたのは、地震のあとしばらく本をよむことができなかったというくだり。実は私も震災後半年ぐらいは、本が読めなくなりまし...続きを読むた。当時本を「読まなければならない」事情があったのですが、読んでも読んでも目が上滑りして頭に入らず、好きだった本すら手にとる気にもならず、本当に困りました。プロの作家、僧侶という立場の人でも本が読めなくなっていたんだ。と妙なところで安心しました。 もう一つ個人的に驚いたのは、黒澤明の映画「夢」で「放射能の姿を見せるために毒々しいピンクの色をつけましたが、」とあるところ。私はこの映画を昔昔に見たはずなのに、この挿話のことを完全に忘れていて、でも原発事故の話を「どこかできいたような・・・チェルノブイリではなく」とずっとひっかかっていました。このくだりで「え、そんな話あったっけ?」とネット検索し、「ああ、デジャヴ感はこれだったんだ」と納得しました。 このように、この本は単なる方丈記の現代語訳ではありません。800年前の京と今のフクシマを縦横無尽に行き来します。西日本でも、東日本でも、800年前でも現代でも似たようなもの。そう思わせてくれる本でした。
もう少し早く読むべきだったかもしれません。 作品は読者が作るものだということを教えてくれた本となりました。 私にとって鴨長明は無常観とか悟りとか言いながら、住居に強い執着のある矛盾した老人、というイメージでしたが、玄侑宗久氏の作り上げた鴨長明は決してそういう人物ではなかったのです。こうして、読者が作...続きを読む品を作り上げていくんだなあ。 今だから必要な本なのでしょう。 本の帯は早くに捨てるのですが、この本の帯については、筆者の笑顔に慰められたので、大切にしたいと思います。 明るい無常観のススメ、ですね。
方丈記を読みたくてこの本を選択。 原文の短さは予想外だった。 800年前に生きた鴨長明が感じ、考えていたことを今の自分に共感できることは自分にとって気付きだった。 考え方の柔らかさを参考にしたい。
「無常はけっして静的な諦観であるだけでなく、ある種の安定を崩し、当座のバランスを失っても、一歩を踏み出す積極的な行動のこと」として「無常の力」と名づけたとのこと。 すべてへのこだわりがないことは自由なのだ。「寿命は天に任せ、命を惜しむこともしないし、死を厭うこともしない。生涯の愉しみは、うたた寝しつ...続きを読むつ見る夢に尽き、生涯の望みは四季折々に出会う絶景の中にこそある」・・・。そこまで往き付くのが難しい。
方丈記との出逢いを通して得た力を「無常という力」と名づけた 人はこの世に仮住まいしている 揺らぎつづけろ
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無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方―
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