あらすじ
「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」と、仏教的死生観をいろは47文字に凝縮した「いろは歌」。平安の昔に作られ、日本人が愛唱してきたこの歌が、ポルトガル伝来の「カルタ」と結びつき、諺の頭文字を「いろは」順に並べた「いろはカルタ」になった。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」……。年輩の方なら馴染み深いこれらの諺には、たんなる教訓を超えた仏教的な思想が看取できる。本書は、禅僧にして芥川賞作家である著者が、軽妙にして滋味深い筆致で、「いろはカルタ」のことわざをもとに禅的な生き方・考え方を説いている。かわいい挿画とともに、心癒されて明日への元気が出てくるヒントが満載。福島県三春町在住の著者は、いま原発問題を中心に未曾有の大震災と向き合い、多くの情報を発信している。本書ではひととき重い気持ちを忘れ、禅の自在の境地に身をゆだねたい。
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Posted by ブクログ
「べらぼうな生活」以来、この方のエッセイは大好き。
最近、本を出すお坊様も増えましたが、こっちのほうが人生の修行積んでると思うのに、若僧の(失礼!)人生論なぞ読む気にはなれないのですが、玄侑宗久氏の砕けたお話は面白い。
禁煙を強いられる話などで、突然、大人気ないとも思われるエキサイトも面白いし。
南極料理人の西村さんに通じるものもあるかなあ~
京都エッセイの入江さんとか・・・
ちょっと毒舌な文章も、悪気はなくて、「きっと、ご本人、面白い人なんだろうな」と思えるようなものは読んでいて楽しい。
いろはかるたをネタに書かれていて、それぞれの文の頭にかるたのイラスト(カット)が入っているのですが、宗久氏とだるまさんをSD化したキャラが描かれていて、ゆるさ加減が良かったです。