保阪正康のレビュー一覧
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[ 内容 ]
「富田メモ」や『卜部亮吾侍従日記』をはじめ、昭和史における一級史料の発掘が相次いでいる。
歴史史料は、どう読んだら理解が深まるのか。
ノンフィクションとアカデミズムでは、史料の考え方、使い方はどう違うのか。
側近たちが残した史料が語る昭和天皇の実像とは。
昭和史研究の第一人者と、史料発掘の専門家が「史料の表裏」を縦横無尽に語り合う。
[ 目次 ]
1(昭和史史料の見取り図 史料の空白部分 史料発掘の裏側 歴史をめぐる「記録」と「記憶」 昭和天皇史料をどう読むか)
2(昭和史の転換点を読む 昭和史の虚実に迫る)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ -
Posted by ブクログ
東京裁判から60年。本来なら歴史の領域に入っていかなければならないのだが、法務省の地下に眠っているとされてきた裁判の検察側、弁護側の証拠文書が平成11年に国立公文書館に実は移されていた。
そして、国立公文書館が平成18年12月からその一部の整理を終えたことを明らかにし、それが徐々に公開されてきている。
著者は、激動を生きた世代の責務として、昭和前期からの軍人、政治家などの行動を分析し、どのようなプロセスで無謀な戦争へと突き進んでしまったのか。
東京裁判の記録、当事者などの証言を元に、詳細に分析したものである。
この裁判が問うていることの真の意味を日本社会は今後に生かしていかなければなら -
Posted by ブクログ
8/12が発売日だったらしいのですが、たぶん発売日の丁度1年後に買いました。すごい縁ですね。報道問題と報道を信じたくなる人の心理をどう突くかというプロパガンダ論の一環として手に取ってみた次第。戦時中の日本が欧米諸国から「病的な空間」とそれぞれ自国でキャンペーンするとともにそれを自己実現させ、結果的に異常性を裏打ちしてしまったのが当時の異常な報道のありかただったというのは示唆に富んでいます。根拠は示せないけれど「我が」軍が勝ってるんだ!といってだんだんと煌びやかにデコレートされる報道文とともに報道をある程度コントロールできる者が「これまでの嘘がばれる」のを防ごうとするあまり国家反逆罪級の行動に出
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Posted by ブクログ
著者は、昭和の時代を以下のやうに分類してゐる。
昭和前期:〜昭和20年8月
昭和中期:昭和20年9月〜昭和27年4月
昭和後期:昭和27年5月〜昭和64年1月
本書は昭和前期の謎を4つ、昭和中期の謎を3つ採り上げてゐる。
採り上げられてゐる謎は以下の通り。
1.日本の<文化大革命>は、なぜ起きたか?
2.眞珠灣奇襲攻撃で、なぜ上陸作戰を行なはなかつたか?
3.戰前・戰時下の日本のスパイ合戰は、どのやうな内容だつたか?
4.<東日本社會主義人民共和國>は、誕生し得たか?
5.なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になつたか?
6.占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかつたか?
7.M -
匿名
ネタバレ著者のスタンスが…。た
著者である保阪氏は、昭和史に関して膨大な著作が有るので「説得力」が有るのは確かだ。
しかし、人間と云う生き物は凡そ、初めからまっさらな視点で歴史に向き合えるとは限らない、と云う事も又事実なのである。
例えば別書の「吉田茂」の著作等では、自身の先入観が入り込み、見落とす筈が無い様な彼(吉田茂)の失策も「目を瞑ってしまう」部分が見受けられ、結局自分の主観的考えから“一次史料”を探してしまう為、詳しい事実関係を知らない読者には《史料が指し示す真実》と成ってしまう事が度々在ったのだ。
これでは、NHKやTBSが作る「ドキュメンタリー番組」とさして変わらない内容になってしまう可能性が、全く無いとは言