保阪正康のレビュー一覧
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保坂正康氏と姜尚中氏が2011年10月30日に北海道新聞ホールで行った講演会の講演録。
歴史は、記録者の都合の良いように記憶される。
勝利者の記録のみが正しい記録として、後世に伝えられる。
歴史は改ざんされ、記憶はねつ造されるという内容を、第二次世界大戦、広島長崎の原爆から、福島原発事故までを例にとり説明される。
米国では、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマと列挙することにより、意図的な大量殺人と(人災の側面を除いて考えれば)事故である原発事故の区別をつきにくく、そして大量殺人の罪を薄めて考えるように仕向ける傾向がみられる。
両名の講演のあと、学生参加による質疑応答が掲載されているが、そ講演の -
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日本がなぜアメリカとの戦争に踏み切り、そして負けたのかという点について、近代史に造詣の深い6名の方が対談形式で述べる本。「なぜ負けたのか」よりも「なぜ国力に圧倒的な差があったアメリカとの戦争に踏み切ったのか」という点に関する部分には、ちょっときな臭い雰囲気になりつつある今日、考え直す意味は深いと感じます。
対米戦争に限らずほとんどの戦争が「自衛・自存」を大義名分に始められ、ブレーキをかけるはずのメディアも政権や大衆に迎合していく流れであった事などは同じ過ちを繰り返さないためにも知っておくべき事実であると思います。
なぜヒトラーのドイツと同盟を結んだのか、海軍・陸軍エリートはなぜ判断を誤って開戦 -
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昭和天皇の御世というのは、結局は、日中戦争から太平洋戦争までの戦争がそのハイライトということだろうか。
保阪氏の手になる昭和天皇実録の解説書の第1巻は「太平洋戦争の時代」と名付けられ、開戦に至る過程と戦争中のことに焦点が当てられている。
本書では、昭和天皇実録の位置付けや執筆者の意図の読み方なども解説されていて興味深かったが、一番印象に残ったのは、「昭和天皇は非戦主義者でも好戦主義者でもない。自らに課した第一の役割は、皇統を守ることにあり、そのために必要とあらば戦争も受けいれると考えてきた。それが昭和天皇の実像ではないだろうか。」という著者の指摘だった。 -
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最近こういう内容の本が多く出ているような気がします。
もしかしたら、自分が好んで選んでいるだけかも
知れませんが。
賊軍。官軍の判別で、昭和の戦争の責任というか悪者を
探す感じ。この本が言いたいのは、官軍(薩摩・長州)
出身の軍人が戦争を初めて、日本を崩壊させ、
賊軍(関東・東北・信越等)出身の人がぎりぎりのところ
で日本を救ったということなのだろうと思いますが。
いくらいろんな、いい方でそういう結論にしているの
ですが、東條は賊軍出身だし、鈴木貫太郎だって
終戦時の首相ですが、開戦時に無責任ではないはず。
山本五十六も長岡だし、石原莞爾も東北。
昭和の戦争の時に、長州・薩摩の人はあまり出てこ -
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昭和史の研究家・半藤・保阪氏などの対談・鼎談集。昭和天皇の幼少期の意外な話から、摂政時代、そして昭和まで。実に豊富な記録が残っているのは歴史解明において有効だと思い、このような記録が発表されたことへの半藤氏たちの喜びが感じられる。一方であまり書かれなかったマッカーサーとの対談への不満も。戦争勃発後、昭和天皇が母・貞明皇太后に叱責されることに気を遣う様子など、昭和天皇の人となりを感じる一方で、軍・政から実権のない立場に祭り上げられ利用された人生への同情も禁じ得ない。「トラトラトラ」、「日本で一番長い日」などの映画を見た記録が残っているのも実に面白い。やはり戦争との関わりを読み解くことが最関心事で
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マンハッタン計画の元となったウラニウムに関する諮問委員会がアインシュタインの申し出を受けたルーズベルト大統領により作られたのが1939年10月、ドイツがポーランドに侵攻したのが9月1日で第二次大戦は既に始まっていたことになる。ウランに中性子をぶつけると核分裂が起こることが実験的に確認されたのが1938年12月であり、まだ1年も経っておらずルーズベルトがつけた予算はわずか6千ドルだった。
原爆を開発しているドイツに対抗してマンハッタン計画がスタートしたのが1941年12月6日、真珠湾攻撃の前日であった。それから最初の原爆実験が行われた1945年7月16日まではわずか3年半。そして1941年の開 -
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戦時下の日本で極秘裏に進められていた原爆製造計画を描いたドキュメンタリー。陸軍と理化学研究所が進めていた『ニ号研究』と海軍が進めていた『F号研究』。どちらも欧米の研究に比べれば遥かにレベルは劣るが、後の『原発立国』へと繋がる礎となったのは間違いない。
本書の中で原爆製造計画と福島第一原発事故の両者に隠蔽があった事が述べられているが、おまけ程度の僅かな記述であり、積極的には核心には迫っていない。また、原爆製造計画の全貌にも具体性が感じられず、あくまでも昭和史の1ページを資料と関係者へのインタビューで綴ったドキュメンタリーなのだろう。従ってドキュメンタリーとしては無味乾燥で、面白味に欠ける。
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ネタバレ「大本営発表」という語は、力の強い者が不都合なことは隠して自分に都合のいいことだけを発表する意味で使われることが多い。しかし、それは単に虚偽や隠蔽ではなく、戦時における巨大な権力そのものでだった。国民を正常な感覚を失った酩酊状態に落とし込み、軍指導者自身が自らの発表で錯誤の連鎖にはまり、国そのものを解体寸前まで追い込んだ。
「主観的な願望を客観的事実にすりかえてしまうという心理構造」は今の日本でも時々起きているように思える。願望を持ちつつも現実を見て、そのギャップを冷静に把握して次の一歩を踏み出す、ということを当たり前にできるようになりたいものだ。