保阪正康のレビュー一覧

  • 政治家と回想録 読み直し語りつぐ戦後史
    政治家の最後の責任とはなにか?それは回想録を残すことであると著者は喝破する。

    本書は戦後の主要政治家十九人の弁明を仔細に検討し役割を評価した本である。 
    帯には「歴史の評価に耐えうる者は誰なのか?」とある。本書に取り上げられた十九人はまずまずの評価であり、このままでも面白いがいわゆる饅頭本にも...続きを読む
  • 東京裁判の教訓
    [ 内容 ]
    東京裁判(極東国際軍事裁判)とは何だったのか!?
    勝者による「復讐裁判」と片づけてよいのか?
    史実から目を背けるのは「逃避」である。
    壮大なる歴史ドラマに隠された数多くの教訓を、どう受け止め、どう伝えるか!?
    新史料を得て世に問う、保阪正康流理性史観。

    [ 目次 ]
    序章 昭和史清算...続きを読む
  • 昭和史の深層
    [ 内容 ]
    昭和三十年代の「昭和史論争」を初め、これまで、昭和史をめぐっては様々な論争が繰り広げられてきた。
    今日でも、国を超えた歴史共同研究が進む一方、個別のテーマに関して、依然として対立点が存在する。
    これまでの論争は果たして本質的なものであっただろうか?
    15のテーマに関して、史実を整理し、...続きを読む
  • 昭和史の一級史料を読む
    [ 内容 ]
    「富田メモ」や『卜部亮吾侍従日記』をはじめ、昭和史における一級史料の発掘が相次いでいる。
    歴史史料は、どう読んだら理解が深まるのか。
    ノンフィクションとアカデミズムでは、史料の考え方、使い方はどう違うのか。
    側近たちが残した史料が語る昭和天皇の実像とは。
    昭和史研究の第一人者と、史料発...続きを読む
  • なぜ日本は〈嫌われ国家〉なのか ──世界が見た太平洋戦争
    歴史観。それはそのままその国・民族をどう思っているか。きちんとその国民・民族に会っていない場合、相手国に抱くイメージはどうなるのか。報道されたもの、教育されたもの。
    日本は国として幼い。主体性の無さ。傑物がいる、いないというよりも、もっと全体的な幼さ、愚かさゆえの非合理的残虐さ。
  • 太平洋戦争、七つの謎 ──官僚と軍隊と日本人
    章立てが明快で、内容も平易でわかりやすい。気になったのが戦争を始めたのは官僚組織の負の面、報道の機能マヒ、調子悪いときの大本営発表のだまる・嘘をつくという行動…あれ、今なんか似たようなことなってないですか? と思ったり。ともかく、歴史の教訓を生かさねば。
  • 昭和の名将と愚将
    名将の条件(保阪)
    理知的であること
    慕われると同時に尊敬されること
    原則論ばかり振りかざさないこと
    名将の条件(半藤)
    決断を自分で下すことができたひと
    任務の目的を部下に明確に伝えられる人
    情報を自らの目や耳で掴む人
    過去の成功体験にとらわれない人
    常に焦点の場所...続きを読む
  • 昭和史 七つの謎 Part2
    A級戦犯の復権、大本営発表の歪み、中野学校の真の姿、天皇の戦争責任等、それぞれ30ページ位で短く興味深い内容にまとめられている。第二次世界大戦後の情勢で米国の日本への対応の変化もおもしろい。10.7.25
  • 眞説 光クラブ事件 戦後金融犯罪の真実と闇
    たぶん半村良だったと思うけど、小説の中に光クラブのことが出てきて、それ以来ずっと気になっていた。東大生、高利貸し、自殺と聞くと、世の中をなめた若造の挫折とか単純に連想してしまうけど、その前に「戦争」があったんですね。戦前の日本で、名士の家に生まれた男の子が一生懸命勉強して志望の学校に入ったと思ったら...続きを読む
  • 東京裁判の教訓
    東京裁判から60年。本来なら歴史の領域に入っていかなければならないのだが、法務省の地下に眠っているとされてきた裁判の検察側、弁護側の証拠文書が平成11年に国立公文書館に実は移されていた。

    そして、国立公文書館が平成18年12月からその一部の整理を終えたことを明らかにし、それが徐々に公開されてきてい...続きを読む
  • 「特攻」と日本人
    「特攻」という名の、権力によって強制された「死」という、実に重すぎるテーマに踏み込んだ一作なのですが、やはりどうしてもメランコリックな論調が根底に流れてしまうところに保阪氏の「らしさ」を感じてしまいます。これは氏の良さでもあり、また、皮相的な見方をすればアキレス腱でもあるかと思います。

    内容自体は...続きを読む
  • 大本営発表という権力
    8/12が発売日だったらしいのですが、たぶん発売日の丁度1年後に買いました。すごい縁ですね。報道問題と報道を信じたくなる人の心理をどう突くかというプロパガンダ論の一環として手に取ってみた次第。戦時中の日本が欧米諸国から「病的な空間」とそれぞれ自国でキャンペーンするとともにそれを自己実現させ、結果的に...続きを読む
  • 華族たちの昭和史―昭和史の大河を往く〈第6集〉
    西園寺公望、近衛文麿、木戸幸一、牧野伸顕らの動きを通して描いた書名通りの内容。東条英機は戦勝による爵位を欲していたのでは、という視点は面白い。サンデー毎日に連載という発表舞台の故、表現など平易だが、その反面、深さには欠ける。また、巻末に参考文献一覧がないのも欠点。華族についてなら硬軟ともに浅見雅男の...続きを読む
  • 昭和史 七つの謎
    チャーチル曰く「デモクラシーというのはどうしようもないひどい政治である。けれども今までに存在したいかなる政治制度よりはましな制度である」
  • 「特攻」と日本人
    日本人があの戦争をとらえようとすると必ず特攻というものに行き着くだろう。

    従来の二極論ではなく新たな決着をつけてこそ、この問題は解決される・・みたいな本

    問題提起だけの印象を受けた
    きっとそれはボクが読み足りなかったからだろう
  • 実学と虚学 《学び》は人をどう変えるか
    バファリンの半分は優しさでできているけど、おいらの半分はコンプレックスとくだらんプライドと逆説的偏見(どれもマクロにゃ同じ)でできているので、そういうプアーな自分に対する慰めをそれなりの言語化に導いてくれた本。自分のめざす学びについて再考した。現実との乖離がけっこうつらい。
  • 昭和史 七つの謎 Part2
    昭和史七つの謎に続いて買ってみた。個人的にはこちらの方が参考度が高かった気がする。特に大本営発表の章と陸軍中野学校の辺り。海軍もあれば尚いいけど、残念ながらそちらはなし。
  • 昭和史の教訓
    タイトルは昭和史となっているが、昭和10年代の日本社会がどうして戦争に走っていったか、いくつかのターニングポイントを軸に解説している本。
  • 戦後の肖像 その栄光と挫折
    戦中から戦後に活躍した皇族、政治家など10数名を取り上げ批評した作品。今まであまり取り上げられてこなかった人物にスポットライトを当てているところを評価したい(例えば、秩父宮、武見太郎、物積高量など)。昭和史に興味のない人や、取り上げられてる人物を全く知らない人は読んでてつらくなるかも。
  • 「特攻」と日本人
    もし自分があの当時特攻隊に選ばれたら拒否できなかっただろうし、きっとそれなりに理屈をたてて死に臨んだだろうと思う。特攻を犬死にとも、また英霊とも位置づけせず、かれらの悲しみを分かち合おうという論と読んだ。