阿川佐和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
阿川佐和子さんの小説初めて読んだけどシンプルに面白かった。
主人公のルイと同い年で独身っていうところにも何となくシンパシーを感じた。結婚を意識しないわけじゃないけど流れに任せる感じでいいかな、と思ってる辺りとか。
ルイを女手ひとつで育ててくれた叔母のトバちゃんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
ひとり残されたルイの家に、ひょんなことから初老の画家トニーさんと年下のライターである康介が住み着くことになり、三人の奇妙な共同生活が始まる。
単純に、こういうの羨ましいなと思った。
ひとりはちょっと淋しいけれど、家族を築くとなると煩わしさも感じる。そんな人にはちょうどいい環境。
基本的には干渉し合わないけどきちんと決め事もあって、今で言うシェアハウスのような暮らし。
そうは言いつつ当然うまくいくことばかりではなくて、一緒にいれば微妙に恋愛っぽいことになったり、歯車が噛み合わなくて居心地が悪くなるような出来事もあるのだけど。そのリアルさがスパイスになっていて、少しの痛みを感じたり。
常識を重んじて周りの目を気にする気持ちも持ちつつ自分らしく生きる。ルイはそういうバランス感覚を持っていて、自然に周りを赦して包み込むことが出来る女性。
優しいから振り回されることも多いし流れに逆らえないこともあるけれど、最後の部分はきちんと自分で決めて押さえるところは押さえている。
個性豊かな登場人物だらけで読んでいて楽しかった。謎に手品が得意なルイの職場の教授とか、口が悪いんだけど実はそんなに悪い人ではなさそうな大御所小説家とか。
トバちゃんの奔放さも素敵で、こういう風に振る舞える人に憧れるなぁと思った。
そして何より出てくる料理が美味しそうな小説。阿川さんと言えば料理エッセイも書かれているはずなので、描写がほんとに美味しそう。
ちょっと深刻なシーンでも料理の描写が入り込むだけで和らぐんだということも発見。落ち込んでいてもお腹は減る、みたいな、女性ならではの冷静さなのさも。
楽しくて少し切なくてそして美味しい、そういう小説でした。 -
Posted by ブクログ
「グダグダ」とは。
家で、グダグダ過ごすのが好き、とか、仕事をしようと思ってパソコンに向かうも、突然何かを思いついて別のことをいろいろ始めてしまうとか…
あるいは、何かについて「グダグダ」述べてみるという意味も含むのだろうか?
あまりいい響きではないような気がするが、実は、その「種」は、日常のなかで、ふとあたりを見渡すと、何かきらりと光って見える、ピンと来た、ちょっと感動した、新しい発見をした、そういう、気持ちを弾ませてくれるなかなか良い物のようだ。
現実的に言えば、「エッセイの種」なのかもしれませんが(笑)
とにかく、単調とも思える暮らしの中にも、阿川さんのおしゃべりのネタは尽きない。
日々を楽しく過ごす極意なのかもしれない。
ちなみに、この“だいわ文庫”はアルファベットでジャンル分けされており、この本は“D”の、「人生・生き方」に分類されている。
なるほど。
(「小説」はあるけど、「随筆」というジャンルはないのだ)