【感想・ネタバレ】聞く力 心をひらく35のヒントのレビュー

あらすじ

「週刊文春」の名物対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」が、連載900回を超えた。20年間で取材した各界著名人は1000人近い。が、未だにインタビューに苦手意識があるというアガワ。なぜ相手の本音を引き出すことができるのか? 本書では、数々の失敗から会得した「『分かります』と安易に言わない」「『たとえば?』『具体的には?』は話を掘り下げるのに有効」「なぐさめの言葉は2秒後に」などの“秘訣”を、インタビュー時のエピソードとともに初披露する!

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Posted by ブクログ

「自分に一番足りないもの」
待て待て待て待て待てー話すな俺止まれ俺って感じ。
営業なので、PRという魔法の言葉のもと、自動的にしゃべり出す人形のようにプログラミングされた自分を果たして変えられるのか?
学びは多く、壁は高い

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

二周目となります。
聞き手は、相手が自身を語ることによりもう一度心を見直させる媒介であるものである。
そしてその道を目指した阿川さんの成功例や失敗例を基に人それぞれに対しての向き合い方が描かれており、分かりやすい内容となっていました。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「もし人が、「常に同じもの。常に最上級のもの」を、演奏や舞台や料理に望むなら、それはコンピューターやロボットに任せればいいはずです。そんなことを誰も望まないのは、もちろん技の魅力もあるでしょうけれど、それより以前に、うつろいやすい人間の本質を味わいたいからです。」

実家の近くのローソンのおにぎりが手作りで本当においしいんだけど、昨日はしょっぱくて、でも手作りだからなることだよなと思って嬉しかったことを思い出した。
結構しょっぱかったから次買うかは分からんなと思ったけど、
「なぜなら、次に行ったときは、きっともっとまた違う味に出会えると思うからです。」
たしかに!またしょっぱいのかどうか確かめなきゃだよな

「そのときの経験によって、私はこんな喩えを思いつきました。すなわち、人は皆、三百六十度の球体で、それぞれの角度に異なる性格を持っていて、相手によってその都度、向ける角度を調節しているのではないか。学生時代の友達には北北西の方角を向けるかもしれないけれど、恋人の前では南南西の方角に自分をさらけ出している。どちらも本人なのだが、相手の目には片方が「その人らしくない」と見えてしまいます。」

「もちろん、聞き手が一言一句をもれなく聞くことは不可能です。耳と脳が相手の言葉を取捨選択し、しかもそれぞれの聞き手の取捨選択する部分が異なるから、人間の組み合わせによって違った会話の面白みに繋がるのです。」

本当に本当に新書としてじゃなくエッセイとして面白い
このかたの本を読むたび思うけど、本当に魅力的な人なんだろうな

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

文字で触れる阿川さんはテレビで観る阿川さんと同じで、やさしくも凛としていて好きな文体。
成功・失敗を語り自分でも実践できそう。10年以上前の本だけどよかった。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

インタビューの仕事を学ぶためにゲットした本。

思っていた感じではなかったし、阿川さんのやり方を真似てみても全然上手くいかなかったりしたけど、それはそれとて楽しく読んだ本。

阿川さんの見事なインタビュー術と人の話を聞くのってこういうのが楽しいんだよなーが滲み出てくる。日常生活でも活きるところはあるかも。

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

勝手に「べき論」的なものが連なっているんだろうか、という先入観で読み始めたが全然そんなことはなく、阿川さんの心のうちの言葉も書かれた親しみやすい文章で、思っていたより全然面白かった(少々上から目線で恐縮だが)。
前職でインタビュアーをしていたので、その時に読みたかったな。個人的に、人と話すことはそこまでら好きではないのだが、相手の話を聞くことはわりと好きだったりするので、そういう仕事をもう一度できたらいいな…なんて思ったり。

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2025年09月03日

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ネタバレ

聞く力―心をひらく35のヒント

今ではインタビュー番組まで持っておられる阿川さんの苦労から学んだノウハウ集です。
テレビや雑誌のインタビューアーとして、はじめは鋭い突っ込みをいれるべく精進していた女史が、途中から「思わずはなしちゃう」ようなインタビューアーにりたいと方向転換した部分が興味深かったです。
あいずちのうちかたや合いの手の入れ方、目線の高さや服装、プリスタディのコツなどなど、いろいろと勉強になりました。
新書のベストセラーでは、あまり感心するものに出会っていなかったので敬遠していましたが、今回はカミサンが読んだからあげるということで手にとって良かったと思います。さすがに「叱られる力」まで買って読むかは?ですが。

竹蔵

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

聞きたい気持ちを相手に伝える方法と、その効果が分かる対談例が楽しい
分からない、知らないことに怯えず、会話は生ものであることを楽しめるようになりたい

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

相手に合わせて対応することの大切さを再認識した。読み始めてから仕事においてのコミュニケーションが気持ち的に楽になった。

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2025年08月03日

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本の内容より文調に驚かされた。まとまりなく脱線していく話も多く、漫談を聞いているような感覚。口述筆記の本なのだろうか、それとも筆者がそれを意図して書いているのだろうか。
内容としては雑誌インタビューの心得が主題である。あまり段取りを準備せず、質問は1つだけ準備して語り手の話したくなる方向に誘導する方が話が広がる。些細な部分でも面白そうなところを詳しく聞く方が面白いインタビューになるというもの。先日読んだ、”好きを言語化する技術”でも強調されていた細分化が必要なのだな。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

インタビューの達人による、「話し手の心を開く35のヒント」。あれだけ数多くの著名人との対話を積み重ね、聞き上手を地で行くと思われがちな筆者が、自身は元来インタビューは苦手だったと言うから、説得力がある。

聞き上手になる為の様々なツボが語られているが、何より大切なのは、「相手の話を面白そうに聞く」に尽きるのではないか。相手が「(他の人には話さなかったが)この人には語りたい」と思わせるには、まずインタビュアー自身がそう思わせる様な人間になる事だろう。その為にも、話し手に対するリスペクトは欠かせないが、これはインタビューの場に限られた事では無いのだろう。

本当の「聞く力」とは、実際の対話の中で経験から得ていくしか無いのだろうが、その道標として携えて置きたい一冊だと思います。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ



会話力を磨くには聞き上手になること。そのための35のヒントが具体的に述べられた一冊です。

評論家的なものでなく、実際に阿川さんが800人の著名人にインタビューした経験を基に成功体験や失敗体験が語られているので分かりやすく、読みやすかったです。

質問事項が多いと次の質問をする事に意識が行ってしまい、結果的に、質問に対する相手の答えの中身を単に「聞く」だけで中身が薄いという事が、改めて分かりました。また予め準備する質問項目は3つが良いという事で、実践してみようと思います。

会話は生物として相手の答えに応じて臨機応変に深掘りする姿勢が大切だという事は理解出来ますが、実践となると、傾聴と筆記の並行が中々難しいです。

現在仕事の上で、ヒアリング機会が多いのですが、自分は聞く事が苦手な為、常に意識して傾聴力を身に付けなければならないと改めて感じました。

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2025年03月19日

Posted by ブクログ

阿川さんの書く文章おもしろい。
堂々として落ち着いてそうな彼女も、
こんなに色々失敗や、苦い経験をしてきたんだなとまずそこにびっくり。
最初から完成してる人なんか1人もいてない。

インタビューなんて難しそう…!って思うけど、
結局は聞く力。楽しそうに人の話を聞く。
思ってる反応が返ってこなくても焦らないこと。

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

先に読んだ「話す力」の方と重複する内容がちらほらあったり、「話す力」の方が自分にとって参考になったため、この評価とした。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

2012年の本。軽快な喋り口調の文章でまるでインタビューを聞いているかのように読むことができた。
読んだのはおそらく3回目くらい。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

阿川さんが著名人とのインタービューを苦手なりに試行錯誤してやってきたなかでの気付きを教えてくれる本です。

・インタビュー前に読み込む資料は本人が手がけた作品を優先的に。
・聞き手が話し手の話題の面白さを勝手に決めつけてはいけない。先入観を持たずに相手の話したいことを聞いてみよう。
・とりあえず人間同士「どうしたの?」と相手の気持ちを押しはかり聞いてあげる余地は残したい、と思いつつ、相手も散々聞かれてうんざりしていることもあるから難しい。気持ちがどこにあるか探るのが大事。
・止まらない話にカットインする時は、相手の息継ぎした瞬間を狙え。
・みんなが知ってるふりして知らないことはたくさんある。「そもそも」の話を聞いてみるのもアリ。
・「目を合わせない」という礼儀もある。
・次の質問に心を奪われると、大事なポイントを聞き流してしまう。
・相手のテンポに合わせる。先回りしてしまうのはこちらの都合。

「聞き方」の本は色々あるけど、本書は阿川さんの実体験が失敗も含めふんだんに盛り込まれて引き込まれます。そのへんの自己啓発本よりよっぽどいいですね。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

阿川さんのイメージそのまま本に現れている感じがして、読みやすかった。人の話を聞く、という当たり前のようで難しいことを、しかも職としてどうこれまでやられてきたか、わかりやすかった。
わたしも聞く機会が多いので、その場や相手に合わせながらも自分のスタイルできけたらいいなと思う。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

とても爽快かつ愉快な口調で書かれていたので読みやすかったです。が、とても人として大切な事が散りばめられて参考になりました

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2024年04月29日

Posted by 読むコレ

仕事でコーチングに使えそうです。

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2013年02月21日

Posted by ブクログ

阿川さんのエッセイとして面白かった。改めて相手の話を聞きたい時は、うまくやろうとせず、相手に興味を持つことが大事だなと思った。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

話が上手でも下手でも、些細な一言に心に響く言葉が必ず含まれていて、その人らしさがある。「聞き上手」と言ってもらえることが度々あり、自分のどのような面が相手にそう感じさせるのか、自分を客観的に見てみたくなり、本を手に取った。数々の有名人とのインタビュー秘話がとても面白く、自分の聞く姿勢を見直すことができた。誰かにとって、自らの心を見つめ直し、何かを発見するきっかけに。私もなりたいと思う。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

ずっと前に購入して途中まで読んで読み終えてなかったものを再び読み直し。
人の話を注意深く聞くことについて、年々意識するようになってきた今のタイミングで読んでよかった。
沈黙が起こりそうな相手ならいくつかテーマを用意しとこうとか、対策的なことを妙に気にすることが増えて来ていたが、やはり大事なのはその場の会話を受けて、自分がどう感じ相手に投げかけるのかだなと思った。
自然に相手が喋ってしまうような聞き手になるような聞き方ができるようになりたい。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

人の話をじっと聞くことが苦手だった自分。
しかし1on1やら傾聴という概念がとても大事になっていて改めての勉強の気持ちで読んでみた。

少し前の本ですが、今の時代にもものすごく響く一冊ですね。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

書いてあることが、小学校の国語の学習でやっていることに通じることがたくさんあって、小学校でやっていることって、大人になっても大切なんだなって思った。

話す・聞く領域の学習が、その時間だけで終わらないようにしたら、すごい力を身につけた社会人が増えていくんだろうなぁ…

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人格者ほど、身近な人の話を、きちんと聞ける」
「段取りを完全に決めない」
「自分ならどう思うかを考える」
「上っ面な受け答えをしない」
「素朴な質問を大切に」
「アドバイスは一切しません」

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

阿川さんの聞くことに対する姿勢を知ることができた。エッセイ風に書かれており、勉強になる部分も多かった。

ほとんど誰もが自分の話を聞いて欲しいと思っていると言うことや、その話を聞くことに全力を注ぎ、感情豊かに反応・相づちをすることなど、とても大切なコミュニケーションの基本を知った。

特に相づちは日本において非常に大きな役割があると思った。相づちで会話のリズムを操つことができれば、相手が会話に乗って行くように誘導できると考えた。

一つのテーマを5W1Hで掘り下げるもの面白いしかなり有効。相手を深く知ることができる。

また、鶴瓶さんの、トークは生もので予定通りにいかないことが面白いことや、相手の謙遜は優しい言葉を待っているサインであることなども参考になる。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

レンガ本の箸休めに。
ほとんどテレビを見ないので、実際に阿川さんがインタビューされている場面を目にしたことはないのですが、”聞く力”はやはり身につけたく、手に取りました。

聞き方の技術を順序立てて説明するのでなく、阿川さんご自身のお仕事を振り返りつつ、読者である我々が「なるほどなるほど」と学んでいくスタイル。エッセイ形式なのでさくっと読めます。
インタビューという仕事だけでなく、私達の普段の会話でも、それを通して相手の意外な一面を発見できるとなんだか嬉しくなりますよね。目線、間の取り方、相づちの打ち方……そんなテクニックはたしかに役立つかもしれないけれど、なんだかんだいっても”相手のことを知りたい”素直な気持ちが最も大切なのかもしれません。

著名人の方々とのエピソードは、読んでいるだけでハラハラするものも多く笑、これが許されるのはやっぱり阿川さんのキャラクターゆえなのではないかとも感じました。
どのお話もよかったけど、ノムさん夫妻にはほっこりしたなぁ。
”相手の話を聞くってどんなことだっけ?”と、まず基本に立ち返りたい時にオススメの一冊です。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

テレビに出演している姿を拝見するからなのか、新書だけど堅苦しくなく、まるで阿川さんがしゃべっているのを見聞きしているかのような感覚で読み進められる。
会話を進める上で下準備や知識を入れておく必要もあるけれど、〝トークは生もの〟で、相手のテンポを大切にしたり、相槌を打ったりすることも大切なのかな。
くならず「ハイハイ」「ほおほお」と相づちを打つことから始めてみようかと思った。

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

普段のコミニュケーションにも活かせそうなエッセンスが多くあった。そして何より抜群に読みやすい。文章でもアガワさんだな~という気持ちになり、楽しく読むことができた。
話し手側でも聞き手側でも「無難な話題なのに、この人と話すと新しい視点が見えて面白い」と感じてもらえるような人になりたい。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

一番良かった点は、
質問は三本柱。でも、質問は一つだけ用意する。
三つのテーマに絞ること。
つまりはできるだけ相手の話に集中しなさい。 というコツ。

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

【フレーズメモ帳】
インタビューするときは、質問を一つだけ用意して出かけなさい。もし一つしか質問を用意していなかったら、当然、次の質問をその場で考えなければならない。次の質問を見つけるためのヒントはどこに隠れているのだろう。隠れているとすれば、一つ目の質問に応えている相手の答えのなかである。そうなれば質問者は本気で相手の話を聞かざるをえない。そして、本気で相手の話を聞けば、必ずその答えのなかから、次の質問が見つかるはずである。でもさすがに「質問を一つ」しか用意してきかないのは心配なので、今はだいたい頭のなかに3本ぐらいの柱を立てるようにしています。
一対一のやりとりは、案外繊細なものです。目の動かし方一つ、息のはき方一つで「もしかして、自分との会話を楽しんでいないのかな」と疑心暗鬼になります。そういう不信感を相手に抱かせないためにも、私はできるだけ余計なものを排除して、会話に集中することを心がけます。質問の内容はさておき、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」という態度で臨み、きちんと誠意を示すことが、まずはインタビューの基本だと思うからです。
しかし、予定を崩されたときにどうするか。ちょっとだけ崩されたままにしておいて、なるべく早く軌道修正して予定通りの話題に戻す。それもひとつの方法。しかし、崩されてみると、どうやらそちらのほうが面白そうだし、大事なはなしのようだし、なによりお相手がたいそう乗っている雰囲気。ならばそのまみ流れに任せて、全面的に方向転換してしまこう。それも悪くない方法。
自分で決めつけてはいけない。こっちの話が面白いに違いない。あっちの話はそんなに面白くないだろう。聞き手が勝手に決めつけることが、どんなに危険であるかを、その日、つくづく思い知りました。
会う目的がきっちり決まっていると、脱線することを恐れ、普通の会話ができなくなってしまいまうのです。でもどんなに真面目な話をするつもりでも、人間同士、とりあえず相手の気持ちを思いやる余地は残しておきたい。時として、その質問にうんざりしている人もいるということを、同時に心しておかねばならない。どちらにしても、相手の気持ちがどこらへんにあるか。恐る恐る推し量りつつ、会話を始めることが大事なのだと思います。
人生において、誰かの「一言」がどれほど大切なものであるかを考えるとき、インタビューのほんの小さな相づちも、「きちんと打たなきゃダメだ」と肝に銘じます。
「たしかに○○さんのおっしゃるとおり」と、まず大きな声で相手に敬意を表し、意見に同調する。同調された側は「でしょ?」と一瞬油断する。自分の言ってることを、認められたのだから悪い気はしない。そこ一瞬の隙を狙って発言者は、「おっしゃるとおりではありますが‥」と、そこから反論を開始し始めるのです。相手の息継ぎや呼吸に注意を払うことは大事。
少しでも「面白いな」と思ったら、それを表情や態度でちょこっと話し手に伝えてみてください。聞き手のそういう反応だけで、話の内容はずいぶん違ってくると思います。
過ぎ去った不快なできごとは、当人が思い出さない限り、黙っているに越したことはない。
人はみな、自分と同じ顔で、喜んだり悲しんだり寂しがったりするとは限らない。私が「楽しくなさそう」に見える人だって、心のなかで飛び上がるほど楽しいと思っているらもしれない。だから勝手に決めつけるのはよそう。
本当に心の病を治そうとするならば、地道にその原因となるものを探し出さなければならない。にもかかわらず、他人の指示に頼ってしまうと、うまくいかないのは全部、そこに原因がある、こうしろと言ったアイツのせいだと勘違いしてしまう恐れがある。
西村さんに指摘されて以来、
私は「えっ?」という言葉を発するたびに、「しまった。言っちゃった。」と後悔します。同等の関係ならまだしも、上司や目上の方を相手にして「え?」はいけませんよね。聞こえなかったときは少なくとも、「はい?」と聞き返さなければたと、心しております。
相手のペースや段取りや心構えを無視して、一方的に自分のリズムを押し付けると、ひとによっては喜ぶどころか、むしろ警戒する場合があるということです。
相手が謙遜のつもりで卑下した言い方をしたとき、あるいは自分を否定するような発言をしたとき、それに対して、どの言葉を使うのが最も適切であるか。そこにはたはぶん決まりはない。言葉ではなく、その言葉に込められた気持ちがきちんと伝わりさえすれば、相手の心を安心させられるのではないかと思う。たとえばそのときの言い方や表情、動作、言うときのスピードやトーン、それらの総合。
相手が自分を卑下した際、「なにをおっしゃっているのか、私にはよく意味が分かりませんが」。低い声でそう吐くと、ふっと顔をそらす。そのさりげなさ。
私は目を合わせない日本人にだいぶ寛大になりました。きっとこの人は、私に礼を尽くしてくださっているんだわって。
高齢者のゆっくりした話し方を聞いてると、最後まで我慢できず、つい先回りしたくなります。でも、待っていられないのは一方的にこちらの都合であり、高齢者は自分の言い分を無視されて、おいに傷ついていることでしょう。高齢者に限らず、人にはそれぞれに話すテンポというものがあります。ゆっくり話をする人にインタビューするとき、相手の答えが出てくる前に、こちらで予測して応えてしまうことがある。ここは我慢大会。
聞き手が喋り過ぎるインタビューはよろしくないが、完全に相づちマシンのようになるのがいいとも思いません。ときには自分の話を挿入することも、有効な手段。
人の話はそれぞれ。無口であろうと多弁であろうと、語り方が下手でも上手でも、そんの些細な一言のなかに、聴く者の心に響く言葉が必ず潜んでいるものです。でもそれが、決して「立派な話」である必要はない。声の出し方、ちょっとした反応、表情、仕草、躊躇、照れ、熱意‥。オチもなきようか下らぬ話の隙間にも、その人らしさや人格が表れていて、そこに共感したくなるような、なにか小さな魅力があれば、それだけで充分です。

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2025年01月24日

Posted by 読むコレ

19年も対談の仕事をやっているとエピソードの数や対話のテクニックも半端ない。でも、随所ににじみ出ている阿川さんの人柄の良さこそがどんな人とも打ち解けられる秘訣のような気がする。

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2013年04月08日

購入済み

割り込み術

激論中、会話のバトンを奪う方法や話の振り方が参考になりました。

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2012年07月31日

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