阿川佐和子のレビュー一覧
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72歳になられた阿川佐和子さんの著書
『年とる力』
迫力のあるタイトルだなぁと思ったが、親しみやすい阿川さんらしいエッセイで、サクサク読めた。
人生の先輩がこんな風に軽やかに前を歩んでいる御姿を知ると、とても勇気をもらえる。
一昔前と違い、最近の60代、70代の方はみなお若いと思う。これも時代の違いか、社会背景の影響か…
阿川さんのように、日々新たな発見、物事の柔軟な捉え方をすることが、生き生きと暮らせるコツなのかもしれない。
人生、折り返し地点を過ぎてるのかまだまだなのか…
さりとて、時のスピードは年々加速していくばかりで、老いを感じて卑屈になる時もある。
けれど、瀬川映子さんの年を取るのが初めてという発想や、原田芳雄さんの一つずつ必要なものを失っていくけど、失うことによって何か得るものもあるんじゃないかという心境。
そして、阿川さん自身も多くの気づきを感じながら、楽しく笑って過ごされているように、私も年を重ねることを怖がらず、騒がず、新しい発見をしながら、人生の最終地点を無事に越えていきたいと思う。
先に逝かれたみなさまも、あちら側にいらっしゃるので、もうすぐ再会できますしね。
そんな風に感じながら、少し俯瞰してこの先の人生を歩んでいけたらと思った。
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〈本から〉
腰を痛めたとき、 (略)
「背筋を伸ばして、おへそに力を入れて、天から釣られているような気持ちで歩いてごらんなさい」
母はまちがいなく生きている。生きていることだけでもありがたいと思わないと、もったいないぞ。
俳優の原田芳雄さん
「一つずつ必要なものを失っていくわけだけど、むしろ失うことによって何かを得るものがあるんじゃないかと、今、期待しているんです」
大塚宣夫先生
「だいたいね、風呂に入って死んだ老人の話はいっぱいあるけれど、風呂に入らないで死んだ老人の藩士は聞いたことがない!」
「七十代は自分でも、まだまだ気力はあるぞと思っていたけれど、これが八十代に入ると覚束なくなってくる。今まで平気でやってたことが、いちいち疲れるようになる。それも一年ずつ、そういうことが増してくる。この疲れ具合は八十代になって初めて知りました。今後はできるだけ、頼れる人には頼ることに決めました」
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ネタバレ「女ともだち」をテーマにした短編小説集。森絵都さん、阿川佐和子さん以外は初めましての作家さん。
共感もありながら、ちょっと切なくちょっとホラーで楽しかった。
《印象に残ったところ》
・COPY 村山由佳
まさかの結末。そちら側の方の気持ちは分からずしても想像するだけで苦しい。相手が友情の証として発する無邪気な言葉の一つ一つをどう受け取るのか、友達として関係を深めることと、自分の本当の気持ちをぶつけることへの矛盾をどう整理するのか、自問自答の日々なんだろうと思う。
私は友情と愛情は全く別物だと考えているけど、もしその両方を感じる存在がいたとしたら、自分ならどう行動するのかなと考えた。
我慢の末に歪んだ愛情を露わにした玲。初めてにして最大の罪。きっとこれでハッピーエンドになることもなさそう、きっとまだまだ苦しい日々が続くのかな、と想像した。
・ト・モ・ダ・チ 坂井希久子
ちょっと待って急にホラー。早苗は精神疾患?なのかもしれないけど。
職場のお姉様方の会話や関係性が妙にリアル。女ってこういう会話をしながら結束を固めていくのよね、って悲しくなるくらいにリアル。
そういえば昔Twitterに『新しい環境で妙に優しくしてくるような人には最大限警戒しろ』みたいな文章にとても賞賛の声が集まっていたのを思い出した。それってこういうことかしら。
でも私の経験則だとアルバイト時代(10代)、異動(30代)のとき、めっちゃくちゃ親切にしてくれたお姉さん、その後も凄くいい人だったんだよ〜。だから人によるってことでいい?
まぁでも、上手くやれる自信がないのなら職場での人間関係は希薄な方がいいよね、と再確認した作品(どんな作品)。
・こっちを向いて。額賀澪
この中で一番好きな小説だった。
志保の性格や考え方にすごく親近感を感じる。「どうしてそんなことでくよくよするの?」と言われるかもしれないけど、相手との今の関係値を崩したくない・相手は無理をしているかもしれないとか考えると動けなくなるよね。そして自己否定までがセット。全てが私すぎて、私が志保と友達になりたい。
サービスエリアでメニューを選ぶその一瞬の描写でも、志保と駒木さんと春田のそれぞれの性格が出ていて面白かった。
親友との関係性が少しだけ薄くなった?と自覚したタイミングでの出来事だったから、この一連の物語が余計に切なさを帯びている気がするけど、最後は親友のフェイスブックに勇気を出してコメントを残せた志保。私はその勇気を勝手に讃えたい。
・ブータンの歌 阿川佐和子
ちょっとだけスッキリ感のある物語。全体的に最後がモヤっとする小説が多かったからこの章に少しだけ救われた。
自分にとってのヒーローの行動、自分は覚えていてもヒーロー側は覚えてなかったりするよね。私も過去に自分のことを助けてくれた友達に、最近改めてそのことのお礼を言ったら、「そんなことあったっけ?」と言っててびっくりした。私はずっと忘れないよ。ブータンも万里に再会できて本当に嬉しかったんだろうな。
『今、自分が置かれている境遇に似た人と仲良くなる。女がともだちを作るときの条件は、基本的にそこにある。』
-ここから始まる一節は、切なくも全て真実だと頷きながら読んでいた。女友達は移ろいゆく。でもそれでいいんじゃない?と最近は思う。どこかで境遇や性格が変わって、また交わるかもしれないし。大切な思い出だけは忘れないように。あのとき支えてくれたこと、朝まで飲んで笑ったこと、傷つけるような言葉を言ってしまったこと、言われたこと。全ては難しくても、できるだけ当時の温度そのままに、大事に心に留めておきたい。少なくとも、その時の私を象ってくれたのはその時代の友達だと思うから。お互いの過去に少しでもそんな記憶が残っているのならば、それは十分幸せなことだよね。
《メモ》
短編小説って読むのは易しくても感想をまとめるのがめちゃくちゃ難しい。一小説読み終わったら、その都度ペンを取るべきか?
職場での人間関係や友達関係、ママ友との関係など、自分を取り巻く色々な人との関係値や過去の出来事を振り返りながら読んでいた。その上で改めて、私って人間関係得意な方じゃなさそう。
登場人物たちの、真っ直ぐに友情を信じる気持ちや、嫉妬で歪んでしまう気持ち、関係がグラついて自信がなくなってしまう気持ち、仕方ないから現状維持で!と開き直る気持ち、、etc全てに共感できた。私もちゃんと女してるってことね。
今は正解は分からなくても、それでも日々考えて考えての現状なのだから仕方ない。答え合わせはおばあちゃんになったときなのかな。それまで、私は今自分が大切にしたい人との関係や思い出を必死になって(もうこれが無理しているのかな?)守っていこうと思う。これが今の私の最適解です! -
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なんかわかるなぁー
そういうの!!!
っていう話ばかりで、気をつけることもそうだけど、激しく同意!っていうの多かった!
とある俳優さんが鼻毛が出てたっていう話。
すぐ言って差し上げたら、笑顔でハンカチで鼻毛を奥に詰め込み、満面の笑みで返された。
と、いうストーリーは。
はぁ。
なるほどだなぁ。
そういうね、そういうときも動じないってことで。恥ずかしさ半減する。確かに!って思ったし。
初対面の人との話方。
っていう章で、海外の人は、目が合うだけで話し始めたり、エレベーターで話始めたりする。
って。
それもわかる。わかる。
日本人にはない感覚って阿川さん言ってたけど、
その辺歩いてるおばあちゃんやおばちゃんは割とそういうのある。
笑!!!
目があったら。いやぁ、今日暑いよねぇ、
朝買い物行ったんだけど、もう参っちゃうよね、この暑さ。
うちのお父さんなんて、もう朝から草刈って、倒れるぞーって言ってんのに、もう、今やらないと明日雨だからとか言ってやってるわ、
いやいや、本当にさ、いやー暑いわ。
って。普通に知り合いかのように話すよね。
道端で。笑
その時限りなんだけど、案外結構話すよね。
母。
って娘によく言われる。
知り合い?
じゃないよね?
って。
おじさんもいる。
工場に来るおじさんとかも普通に話す、
どうよ。仕事、今はさぁ鉄骨高くてどこも大変でしょ?
とか。
この間、間違いで隣の郵便入ってたときも。隣の会社に行ったらトラックの運転手さんいて、話し込んだ、
朝から次の朝まで交代で運転してんだー
っていうから、トラックで寝てんの?
って聞いたら。
いやーおじさんがどっち向きで寝てるかわからんとこに寝れないしょーって言ってた。
足がどっち向きで寝てるかわからないから寝たくないんだって。そのおじさん。
身体持つ?危ないよー
いつまでも若くないんだからー
あははははははー
って、知らん人と喋って、トラックのベッド見せてもらって帰ってきた。
そういうもんだと思ってた。
#コミュニケーション
#とりあえず話せる
#結構いい情報入ってきたりする
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世の中の女性で一番好きな伊藤比呂美さんの本なのに、星3つにするのは心が痛いが、まあ、これは軽い対談本なのでいいとしよう。
阿川さんには申し訳ないけど、私はとにかくしろみさんが好きなので(何度も言う)、しろみさんの言葉だけを追っていきたいわけです。けれど、年上で育ちの良い阿川さんの主人公感が半端なく、もっとしろみさんの言葉が聞きたいのに、という消化不良感が残りました。阿川さんごめんなさい。ただ、しろみさんが好きなだけなので。(しつこい)
消化不良ではあったけれど、枝元ほなみさんのことが語られているので、これは胸に沁みた。あとがきも、とてもとてもグッときました。
にしても、しろみさん、片付け下手すぎるのさすがです。 -
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初めて著者の「小説」を読んだ。
今までエッセイばかり読んでた方の小説は、当たり前だけど調子が違って、阿川節はなりを潜めてる。
とは言え、食べ物の表現は抜群に美味しそうだけど。
作品としても、そう、食べ物…特に表題にもなってるスープは作りたくなるくらい美味しそう(鶏ガラを煮込む手間を考えるとしないと思うが)で、たまらない。
ソープ・オペラをもじったのであろうタイトルとは裏腹に、そこまでドロドロも矛盾もない。連作短編で一編が短いので読みやすい。
ただ。なんだろう…物足りない。モヤモヤする。例えて言うなら味がバシッと決まった美味しいスープではなくて、何か足りないスープ…でもなにが足りないのかは分からない…を飲んでるみたいな読後感だった。