あらすじ
『いい女、ふだんブッ散らかしており』につづく、『婦人公論』好評連載の書籍化第二弾。65歳、高齢者の仲間入りをしてからの、身の回り、体調、容姿、心境の変化を綴る。多彩な抽斗と表現で、自らの過去と現在を赤裸々に書き尽くした、極上のエッセイ集。
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Posted by ブクログ
多くても3ページ程のエッセイ。日常をこれでもかと切り取り、あからさまに見せてくれる阿川さんが好き。
分かる分かる!そうそう!だよね!と年代は違うけど、思考が似ている人は多いだろう。いつも完璧ではいられないのだ。
「五十代の私へ」は、すぐそこ目の前に来ているので「オンナの五十代は、はつきり言って至難だらけだ・・・」肝に銘じます。
Posted by ブクログ
阿川さん流石の軽妙なエッセイ集でした。
下ネタバナシも微妙な所で爽やかさをキープしてサラリと読ませてしまう。電車で読んでいるうち、何度も思わずニヤニヤしてしまいました。「そうそう!」と頷いてしまうことも。私も老人初心者仲間入りです。
Posted by ブクログ
約6年前にわたしよりいち早く「前期高齢者(65歳)」の仲間入りを果たした阿川佐和子女史が、その前後、どう生活し、どういう感慨をもってこの歳を過ごしたか、父親譲りの達筆のエッセイで綴った本です。
自然災害の季節がやってきました。「あとがき」で女史はこう呟いています。
「65歳以上の高齢者は、早めの避難を心がけてください」
台風接近のニュースを見ながらふと気づく。そうか、私もその範疇か。不愉快なわけではない。が、自覚があまりに薄い。(253p)
心構えというもののことではないけど、本屋の本棚で見つけて初めて読んだ作家だったけど、なんかもう、あるある、共感することが多かった。
そうか、俺ももうすぐ前期高齢者なのか!
絶対、避難しないだろうな。
高齢者はおしなべて若者の気持ちがわからない。「ずっとキラキラしているためにはどうしたらいいんですか」と、女史は訊かれて気持ちそのものがわからない(6年前なので、既にこの言葉さえ古いのかもしれない)。「詰まるところは「インスタ映えのするオンナでいたい」らしいことがわかってきた」と女史。「だからいつも人にうらやましがられる人間でいたい。そうすれば自分がキラキラ元気になれるから」と女史は分析した。女史と共にわたしも「トホホ」というしかない。そうなんですね。「元気になれる」のはいいことなんですよね。
かつて阿川は「ブラジャーを3週間洗わない不届者」と呼ばれた女である、と話題を振る。これだけで2回もそれで持たせている鉄板ネタらしい。高齢者ネタとは言えないかもしれないが、わたしも冬場は下着シャツは1週間かえないことはよくある。えっ?誰か引いていく?「いや、違う。雑菌を排除しすぎるから日本人は脆弱になるのよ。少々雑菌がついているほうがいいんだって。お腹の方にも常時、雑菌を飼うぐらいのつもりでいたほうが、丈夫になると思うよ」‥‥この女史の理論は昭和世代の私たちには常識だし、実際実感もあるのだけど、どうなのだろ。
女史は65歳にして「明るい腰痛」にかかった。軽いギックリ腰である。ふふふ、コレは女史と私は違う。仕事柄若い頃荷物を持つことの多かった私は、「例外なく(←これが1番大事)」腰を沈めて物を持つという素晴らしい習慣を得ることができた。最近はこのことを若い人に積極的にレクチャーするようになった。「自信と慎み深さは紙一重である」そのあと、他の章で女史は言った。
前期高齢者、後期高齢者は、「そろそろ終活を始めてくださいね」から「まもなくお迎えが来ますよ。準備はよろしいか」という囁きが込められている。一方では「人生100年時代到来」を唱え「もっと働いてください」と政府は言い出した。と、女史。「どっちなんだ。長生きはめでたいのか、それともお荷物なのか」うんうんと共感する。
その他、紫外線、夏場の塩分、延命治療、旅の醍醐味、涙ぽくなったわけ、健康体操、等々と、あるある話題で楽しませて貰った。
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初出は『婦人公論』に2016年~2019年連載コラム。2019年刊行。「文庫版あとがき」にもあるように、初出時も刊行当時もまだ、コロナ禍や東京オリンピック・パラリンピック、ロシアのウクライナ侵攻以前。やはり、令和も5年目となり、阿川自身も間もなく古稀を迎える今、読むと、隔世の感を覚えずにはいられない。
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この本の中に、昨今のインスタ流行りについて触れた文章がある。阿川氏の友人が、あなたはエッセイで、自分の日常を世の中に発信できるからいいけど、と言われたそうだ。阿川氏は、インスタでキラキラした暮らしを、これみよがしに、時には実力以上に、世間に発信するのと、エッセイで語るのでは、全く違うという。確かに、読者は、阿川氏の日常を面白おかしく楽しみながら、そこに流れる世の中の小さな幸せや、哀しみを読後に味わうのである。時には、人生とは、人間とは、と深い思索に連れて行かれたことに気づくこともある。身の回りの出来事を面白おかしく描いているだけではない、確かな筆力がこのエッセイの深い味わいにつながっている。老人になっても年寄りの繰り言に陥らないのもさすがだ。
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タイトルの「老人初心者」という言葉に釣られて読み始めました。相変わらずの阿川ワールド全開。 「老化とは、ひたすら順応することである」という阿川さんに頷く私。受け入れてやっていくしかないんですよね。気持ちだけは若さを保つように頑張りましょう。
Posted by ブクログ
2016年から2019年のエッセイだけど
まだ今あるあるがたくさん書かれている。
何かの真っ只中にある人には見えない、ちょっと引いたところから見えるあるあるが満載。
[キラキラ時代]にはバエルことにこだわる女性の言葉
「だからいつも人にうらやましがられる人間でいたい。」を引き出し、
[だからでも違うの]に繋がる。
発信のプロとアマの違いが書かれているが、
とあるクラブの人気ママのことを思い出した。
その人は話し上手で ときには自慢するけれど気がつけば オチがついて終わるのだ。
テレビやその他で拝見する阿川さんから想像して どんなに面白いだろうと想像していたけれど、少し ほんの少し予想とは違った。
実は 他の作家さんのエッセイと同時期に読んでいて そちらがかなりぶっ飛んだ展開になるせいでもある。
「だけど」読みすすめば のめり込んでしまう。
あまりに日常的にあるあるをえぐられて 共感するのだ。
だから1点、文士のお子さまたち(文士の子供被害者の会)だけが持っている暗黙の共感とやら
大正から昭和生まれの父を持つ人にも あるあるすぎることなのです。
文庫版のあとがきが めちゃくちゃ面白い。
うんうん、そのとおりですね。
Posted by ブクログ
老化は、ひたすら順応することである
「ま、そんなもんか」と半ばあきらめの境地に至るものである
という作者の、老化と格闘する日々をつづったエッセイ
あ、こんなとこにも、あっ、こっちにも?!なーんて、
ふと気づくと、「老化」がすぐそばに忍び寄ってきていて、
気づいたときは、とってもショックで、
作者の阿川さんみたいに、
あっけらかんと受け入れることは
まだまだ無理だけど、見習いたいものです(^^;)
Posted by ブクログ
職場の先輩からお借りして読んでみた!
阿川さん、テレビではよく拝見しますが、本の中でも独特な毒舌っぷりで面白かった。
題は、老人というくらい高齢向けかと思いきや、女性ならあるあると思える話のエッセイでした。
エッセイ集は、あまり読まないのですが、ちょっとした息抜き程度で読みやすかったです。