P.F.ドラッカーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
またまたドラッカーの時代シリーズ。
社会、政治、知識とこれだけテーマの広がりを持ちつつも、どこか一本の筋が通っており、必ずドラッカーの掲げるいくつかの原理原則に集約される。
1.問題は、技術ではなく、技術を何のためにつかうかである。
2.知識は、富の創造過程の中心である。(=教養のある人間になるべし)
3.学校の目的は、継続学習である。(=日本の弱みである社会人の継続学習の場を何とかしなくてはいけない)
4.政治も、企業も、大事なことはいかに不要なものを廃棄するか。(=新しいことを始めるには、まずは棄てること)
いずれにしても、ドラッカーの本は、いつも答えがシンプルかつハッとさせられるので -
Posted by ブクログ
ドラッカー氏、時代の流れを読むシリーズ。
とても1960年代後半に書かれたとは思えない先見性。
様々な事象の質的、構造的変化を大局的にとらえ、なおかつそれを組織の目的、マネジメント、人材の活用といったことに結び付けられるのは、ドラッカー氏を除いて他にはいないのではないでしょうか。
経済発展のために行うべきことは、貧しい人々に援助することではなく、資金の生産性、人の生産性を高めることだと氏は説いているところは納得感がありました。
そして、そのための機会を提供する最高の機関がグローバル企業だと。
2025年頃まで続く「断続の時代」。
グローバル社会の一員として、これから何ができるか?
今な -
-
Posted by ブクログ
ドラッカー名著集の第六弾。ドラッカーの書籍の中では会計の要素がかなり強調された書籍。ちなみに原題は「managing for results」とのことで、こちらの方が書籍の内容をイメージし易く、よりふさわしい気がするのは私だけであろうか。
前半の第一部において事業戦略について記述されており、この第一部が本書の最も重要な箇所。後半の第二部以降は、意思決定や機会に焦点をあてること等、本書以外のドラッカーの書籍で述べられていることとやや重複する。
日本におけるドラッカーの分身と言われる訳者の上田惇生氏が「経営者の条件」、「原題の経営」と並ぶドラッカー三大古典と本書を位置づけていることが、本書の素 -
Posted by ブクログ
翻訳者の上田惇生さんに「最初に読むべき本」と奨められて。
めったにビジネス書を読まないぼくが、ドラッカーには心を奪われ、わずかな期間に、ドラッカリアンに。
それも、この『傍観者の時代』から入らせてもらったおかげだと思う。
ドラッカーの自伝のようで自伝とはいえない、不思議なつくりの本だが、この本を読むと、なぜドラッカーがマネジメントの本を書いたのか、というか、ドラッカーが書いたすべての本がなんのために書かれたのかということがわかる。
第一次世界大戦を止めることができなかった失意の人々に囲まれて育ち、そしてナチスが政権を得たときにドイツにいたドラッカー。
ナチス台頭の本質を、経済至上主義の否 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
[ 目次 ]
歴史の転換期
第1部 社会(資本主義社会から知識社会へ;組織社会の到来;資本と労働の未来;生産性;組織の社会的責任)
第2部 政治(国民国家からメガステイトへ;グローバリズム、リージョナリズム、トライバリズム;政府の再建;社会セクターによる市民性の回復)
第3部 知識(知識の経済学;教育の経済学;教養ある人間)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読 -
Posted by ブクログ
ドラッカー、最初の事業戦略の本。
ドラッカーにしては珍しいと思ったのが、顧客ではなくまず製品の分析からすすめている点。(収益性やプロダクト11のカテゴリなどは参考になる)
また、強みにフォーカスするドラッカー氏が今回は弱みを克服することで機会を発見することを説いている。
1960年代の段階で、様々な業界が持つ独特の弱みについて氏は鋭く突っ込みを入れ、改善を促しているが、リーマンショック以降、急激な変化を目の当たりにしているなか、それらの産業は変化を受け入れざるをえない状況になっているし、変化への対応を先延ばしにしてきた産業は危機的な状況に晒されている。
事業戦略とは経営の舵取りにかかわ -
-
Posted by ブクログ
ドラッカーの本は経営者向けのマネジメント系の本が多いのですが、これは技術者向けの本です。技術者の持つ技術が社会や顧客に貢献するためには、何に配慮すればよいかについて述べられてます。つまり、組織の中で技術者が貢献するためには、誰がなぜその技術を求め、誰がどうやってそれを普及させていくかまでイメージすべきと説いており、それができる人をテクノロジストと定義しています。また、技術者で無い人が技術と技術者をマネジメントすることの重要性にも触れています。実例と理念のバランスがよく、イメージがつかみやすいです。ドラッカーや技術が社会に与える影響に興味のある理系の人は必読です。
-
Posted by ブクログ
「まさに、機会の平等という正義、社会における位置と役割という名の尊厳を統合して実現することこそ、産業社会の代表的組織としての企業の最大の課題である。」
ドラッカーの指摘を無視したGMが今大変なことになっているから、その鋭さに感激、みたいなのは結果論だから無し。
さらに、1946年の時点で現在話題になっている企業の社会的責任を説いているから、その聡明さに感激。みたいなのも結果論だから無し。重要なのは、その理論の先見性ではなく、思考の積み方ではないだろうか。
ドラッカーには企業の運営にたいして崇高な考えがある。企業の目的は必要なサービスを提供することで、利益は経済的リスクに対する保 -
Posted by ブクログ
どんな小さな組織でも、リーダーの位置にいる人は読むべきだと思う。
ドラッカーは世間で思われているよりは難しくないです。
いくつか気になった箇所を…。
『私は子供のころ、親戚の医学部の教授が何人かで、名医の条件について議論しているのを聞いたことがある。彼らは技能はあっても知識のない医者は危険であること、逆に、知識があっても技能のない医者は役に立たないことでは意見は同じだった。
(中略)
最高の知識と最高の技能を兼ね備えた名医には誰でもなれるわけではないが、優れた治療を施し、間違った治療をしないという意味での有能な医者には誰でもなれる。
同じことがマネジメントについてもいえる。有能 -