【感想・ネタバレ】ドラッカー名著集3 現代の経営[下]のレビュー

あらすじ

経営における不変の真理を鋭く指摘し、読む者に行動を促す永遠のロングセラー。企業の社会的責任を半世紀前に論じた経営の基本書でもある。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

上巻に続いてやはり古典としての輝きがあるなと思った。
すでに機能ごとに分けた組織の弱さについて指摘にしたり、企業の規模に関するまとめを行っている。また、現場管理者こそ経営管理者であるべきという提案も行っている。一方で、専門職に対するマネジメントや組織づくりについてはまだこれから、と述べられていてエンジニアやデザイナーなどソフトウェアの発展に伴って生まれ、増えている仕事についてはまだまだ検討の余地があるんだなと思った。

0
2024年07月09日

Posted by ブクログ

目標を定め、人を集め、モチベーションを喚起し、評価し、育成する。普遍的なマネジメントの本質を突いた本書は古典でありながら2023年現在も十二分に通用するものだ。
というか「目標は主体的に設定するべき」「人が動くにはモチベーションが必要」「金銭にのみモチベートされるにあらず。かといって不足してはいけない」なんてことは、現代においてもまっとうできている組織はそんなに多くない。それは組織が怠慢なのではなく、それだけマネジメントというものが難しいということなのだろう。

0
2023年04月13日

Posted by ブクログ

仕事に関わる法改正と海外でのある事故に接し、再読。
期待どおり、新たな気づきを得ることが出来た。さすが経営学の古典。
「自らが行うことについては常に不満がなければならず、常によりよく行おうとする欲求がなければならない(p161)」
連休中ではあるが、自分を律するための刺激も頂戴した。

0
2014年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本著が名著といわれ優れた古典といわれている意味が読んでみて初めて分かりました。

面白いうえに非常に役に立つ!

時代を越えても物事を企画運営して管理していく「マネジメント」は普遍のものです。

それを優れた「社会生態学者」である著者の視点を通して喝破されているのだから、本著が名著であるのは自明のことでした。

ユニクロの柳井さんいわく、20代のうちにドラッカーは読んでおくべきだそうですが、こういった著書はある程度の人間経験がないうちに読んでも身に付かないと思います。

経験なくして本著を読んでも、字面をなぞるだけのような気がします。

ある人が先日「オレ、ドラッカーハ、ガクセイノコロ、ゼンブヨンダヨ」と自慢していましたが、会社が傾きっぱなしになっているのが身についてない証拠です。柳井さんは繰り返し繰り返しドラッカーを読み込んでいるからその真髄に触れ、またそのときの経営課題に悩んでいるからこそ、ドラッカーの言わんとしていることが身につまされて理解できるのだと思います。

若い頃は小難しい経営論よりも、人に何を伝えどうやって伝えるか勉強しておいたほうがいいですね。

いみじくもドラッカー自身が「大学で教えている科目のうち、経営管理者の準備として最も有効な職業教育は、詩を書くことと短編小説を書くことである。自らの考えを表現する方法、言葉とその意味、文章を書くことを教えることである」といっています。

以下、印象に残った文章

・成果こそが企業内のあらゆる活動の目的である。組織はあらゆる活動を成果へと伝道するトランスミッションである。組織は直接的かつ単純であるほど効率的である。

・組織の構造は、必要とされるマネジメントの階層の数を最小限にし、命令系統を最短にするものでなければならない。

・組織の不完全さの症状の一つが、マネジメントの階層の増加である。あるいは、目標の低さ、無能の放置、権限の集中、活動分析の欠如である。あるいは、摩擦回避のための間接費の増大である。

・一般従業員とトップマネジメントの間に六つないし七つ以上の階層を持つ企業は大きすぎる。軍の階級は七つである(少尉と中尉、中佐と大佐は給与の違いであって機能は同じである)。そして軍の経験が教えるように、七つの階級は多すぎる。

・(中小企業は)マネジメントの視野を広げるために、気に入らないかもしれないが外部の視点を導入することである。第二に、同族企業においては、一族の者に、実力に基づかずに仕事を与えてはならないということを鉄則とすることである。

・企業が成長すると、トップマネジメントの仕事は新しい時間的次元に移行する。すなわち、事業が大きくなるほど長い将来を考えて行動しなければいけなくなる。また目標の設定と、その遂行のための活動の仕事量の割合も変わる。事業が大きくなれば、目標の実現のための段階よりも、目標の設定そのものにより多くの関心を向けなければならない。

・個人の強み、主体性、責任、卓越性が、集団全体の強みと仕事ぶりの源泉となるよう仕事を組織する必要がある。これは組織に関わる第一の原則である。事実上これが組織の目的である。

・企業が働く人たちに対して第二に要求すべきは、変化を進んで受け入れることである。企業にとってイノベーションは不可欠の機能である。それは重大な社会的責任のひとつである。しかし、そのためには人も変わらなければならない。

・働く人はマネジメント的な視点をもつときにのみ、すなわち企業全体の成功と存続に責任をもつ経営管理者のように企業を見るときにのみ、最高の仕事を目指して自らの責任を果たすことができる。そのような視点は、参画を通じてのみ獲得できる。

・教育とは特権を与えるものではなく、義務を課すものであるとの私の信念。

・専門職を監督しようとしてはならない。彼らには厳格な基準と高い目標を持たせる必要がある。彼らに対しては常に多くを要求すべきである。彼らがいかに自らの仕事を行うかは、彼ら自身の責任として彼ら自身に決定させる必要がある。

・経営管理者は第一に目標を設定する。第二に組織する。第三に動機づけを行いコミュニケーションを行う。第四に評価測定を行う。第五に部下を育成する。

0
2011年12月12日

Posted by ブクログ

TOPPOINTビジネス名著20選より

ドラッカーの代表作のひとつ。


上下巻、少し長い休みにチャレンジする本。


経営者の必読書かな。

0
2011年06月17日

Posted by ブクログ

この本のアメリカでの出版は1954年のこと、今から56年も前のことだ。日本では昭和29年になり、戦後の混乱が落ち着き始め、経済的にも相当に復興が進んできた時期にあたると思う。56年も前に書かれた、会社経営に関する本であるにも関わらず、いくつかの技術的な分野に関する記述を除けば、ほとんど古さを感じない。ドラッカーによほどの先見性があったのか、あるいは、会社経営の本質的な難しさは変わっておらず現実はあまり進歩がないのか、おそらく両方なのだろう。

0
2011年07月25日

Posted by ブクログ

『現代の経営』の下巻で、こちらは組織や人事についての議論が展開されています。

1954年というもう半世紀以上も前に出版された著作ですが、企業の社会的責任いわゆるCSRを強調していてさすがだなあと感心します。また単純な流れ作業よりも多能工によるセル生産的な方式の優位性などにも触れられています。昔から変わっていないのか、それともドラッカー氏の慧眼なのでしょうか。

「企業は手だけを雇うことはできない」
「経営管理者にとって決定的に重要なものは他でもない真摯さである」
という何度か読んだことのある有名な言葉も出てきます。

ドラッカーさんによると働くための動機は今少し流行りのES (Employee Satisfaction: 従業員満足度)では、動機としてあまりに受動的でありだめだそうです。企業は人に責任を持たせることによる動機付けにより、能動的に企業への貢献を求めることが重要だということです。その裏返しが、もしかしたら企業の社会的責任や経営管理者への真摯さの要求につながっているのかもしれません。

いずれにせよ、何となく今の状況と比較しても納得いくところがあり、いつの時代でも組織と人事の問題は難しく、同じ課題が繰り返されるものなのですな、と思ったりしました。

以上

0
2009年12月26日

Posted by ブクログ

徹底した「人」重視、「人」起点のマネジメントを説いている。私たちは得てして仕組みや論理、事実に注目してしまいがちだが、物事の主役たる社会的・精神的主体としての「人」は忘れてしまいがち。常に、「人」を理解し、最適に配置し、やる気を引き起こし、アウトプットを最大化することを忘れないようにしたい。70年前の「現代の経営」の本質に驚かされる。

0
2024年09月29日

Posted by ブクログ

全体見て仕事しないと、小さくまとまるだけだ終わってしまうと認識。今やってる仕事はまさにマネジメントなので、全体を見れる力を意識してつけたい。

0
2011年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと時間がかかってしまった・・・
「社会のリーダー的存在としてのマネジメントの社会的責任とは、公共の利益をもって企業の利益にするということである」

0
2011年10月01日

Posted by ブクログ

分かったこと。

−これは経営学ではなくて、哲学の本だ。
−これは実践されなければ意味をなさない(原題はpractice of management)
−したがってエッセンシャル版は意味をなさない。正確に云えば、エッセンシャル版は本編への導入としてしか機能しない。エッセンスは全体を通過して初めて獲得されるものであるべき。

再読する。

0
2011年05月08日

Posted by ブクログ

過去の本とは言え、有名な事例研究も多く、それが現代にまで生きていると言える。
急いで読んだのでいずれ再読の予定…だけど、たぶん同氏の別の本を読みそうな気がする。

0
2010年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 上巻に続いて読んだが、やはり古臭さをまったく感じさせない著書である。いろんなことがコンパクトに書いてあり、それぞれなるほどと思えるが、全体としてのまとまり感に少し欠けるきらいがある。自分の中でもまだ消化しきれていないことが多いが、いつか読み返してみたい。
 最後にマネジメントの責任ということでここでも公的機関としての企業という側面が強調されるところが非常に興味深い。マネジメントは公共の利益を自らの利益とすることで調和を実現しなければならない。さもないと、結局は企業自身も労働組合との衝突(「年間賃金保証」vs「雇用賃金プラン」)を受けたり、政府からの規制を受けたりすることになり、その時には余計に痛手を被ってしまうことになる。マズローが「完全なる経営」の中で強調した「シナジー」のコンセプトとも密接に関係があるであろう。
 また人の動機づけという点で、企業は働く人に責任を要求しなくてはならず、そのための方法として4つあげている。
・人の正しい配置
・仕事の高い水準:目標の設定
・自己管理に必要な情報:目標に対する評価をタイムリーにできるように情報提供すること
・マネジメント的視点を持たせる機会:仕事の設計への参画や職場コミュニティ活動でのリーダシップを発揮させることなど

0
2015年03月08日

Posted by ブクログ

組織はどうあるべきかを述べているが、少し時代が古く、ここは普遍的ではないかな。人事管理が述べられていて、人事部の仕事っぽいところもあるが、事業を分からない人事部では付加価値を期待できないということだろう。マネジメントとして、ステークホルダーとどうつきあうか、企業は社会の中でどういう存在であるべきかという哲学的な内容。上下巻ではちょっと散漫だったかな。

0
2011年10月15日

「ビジネス・経済」ランキング