【感想・ネタバレ】ドラッカー名著集3 現代の経営[下]のレビュー

あらすじ

経営における不変の真理を鋭く指摘し、読む者に行動を促す永遠のロングセラー。企業の社会的責任を半世紀前に論じた経営の基本書でもある。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本著が名著といわれ優れた古典といわれている意味が読んでみて初めて分かりました。

面白いうえに非常に役に立つ!

時代を越えても物事を企画運営して管理していく「マネジメント」は普遍のものです。

それを優れた「社会生態学者」である著者の視点を通して喝破されているのだから、本著が名著であるのは自明のことでした。

ユニクロの柳井さんいわく、20代のうちにドラッカーは読んでおくべきだそうですが、こういった著書はある程度の人間経験がないうちに読んでも身に付かないと思います。

経験なくして本著を読んでも、字面をなぞるだけのような気がします。

ある人が先日「オレ、ドラッカーハ、ガクセイノコロ、ゼンブヨンダヨ」と自慢していましたが、会社が傾きっぱなしになっているのが身についてない証拠です。柳井さんは繰り返し繰り返しドラッカーを読み込んでいるからその真髄に触れ、またそのときの経営課題に悩んでいるからこそ、ドラッカーの言わんとしていることが身につまされて理解できるのだと思います。

若い頃は小難しい経営論よりも、人に何を伝えどうやって伝えるか勉強しておいたほうがいいですね。

いみじくもドラッカー自身が「大学で教えている科目のうち、経営管理者の準備として最も有効な職業教育は、詩を書くことと短編小説を書くことである。自らの考えを表現する方法、言葉とその意味、文章を書くことを教えることである」といっています。

以下、印象に残った文章

・成果こそが企業内のあらゆる活動の目的である。組織はあらゆる活動を成果へと伝道するトランスミッションである。組織は直接的かつ単純であるほど効率的である。

・組織の構造は、必要とされるマネジメントの階層の数を最小限にし、命令系統を最短にするものでなければならない。

・組織の不完全さの症状の一つが、マネジメントの階層の増加である。あるいは、目標の低さ、無能の放置、権限の集中、活動分析の欠如である。あるいは、摩擦回避のための間接費の増大である。

・一般従業員とトップマネジメントの間に六つないし七つ以上の階層を持つ企業は大きすぎる。軍の階級は七つである(少尉と中尉、中佐と大佐は給与の違いであって機能は同じである)。そして軍の経験が教えるように、七つの階級は多すぎる。

・(中小企業は)マネジメントの視野を広げるために、気に入らないかもしれないが外部の視点を導入することである。第二に、同族企業においては、一族の者に、実力に基づかずに仕事を与えてはならないということを鉄則とすることである。

・企業が成長すると、トップマネジメントの仕事は新しい時間的次元に移行する。すなわち、事業が大きくなるほど長い将来を考えて行動しなければいけなくなる。また目標の設定と、その遂行のための活動の仕事量の割合も変わる。事業が大きくなれば、目標の実現のための段階よりも、目標の設定そのものにより多くの関心を向けなければならない。

・個人の強み、主体性、責任、卓越性が、集団全体の強みと仕事ぶりの源泉となるよう仕事を組織する必要がある。これは組織に関わる第一の原則である。事実上これが組織の目的である。

・企業が働く人たちに対して第二に要求すべきは、変化を進んで受け入れることである。企業にとってイノベーションは不可欠の機能である。それは重大な社会的責任のひとつである。しかし、そのためには人も変わらなければならない。

・働く人はマネジメント的な視点をもつときにのみ、すなわち企業全体の成功と存続に責任をもつ経営管理者のように企業を見るときにのみ、最高の仕事を目指して自らの責任を果たすことができる。そのような視点は、参画を通じてのみ獲得できる。

・教育とは特権を与えるものではなく、義務を課すものであるとの私の信念。

・専門職を監督しようとしてはならない。彼らには厳格な基準と高い目標を持たせる必要がある。彼らに対しては常に多くを要求すべきである。彼らがいかに自らの仕事を行うかは、彼ら自身の責任として彼ら自身に決定させる必要がある。

・経営管理者は第一に目標を設定する。第二に組織する。第三に動機づけを行いコミュニケーションを行う。第四に評価測定を行う。第五に部下を育成する。

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2011年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっと時間がかかってしまった・・・
「社会のリーダー的存在としてのマネジメントの社会的責任とは、公共の利益をもって企業の利益にするということである」

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2011年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 上巻に続いて読んだが、やはり古臭さをまったく感じさせない著書である。いろんなことがコンパクトに書いてあり、それぞれなるほどと思えるが、全体としてのまとまり感に少し欠けるきらいがある。自分の中でもまだ消化しきれていないことが多いが、いつか読み返してみたい。
 最後にマネジメントの責任ということでここでも公的機関としての企業という側面が強調されるところが非常に興味深い。マネジメントは公共の利益を自らの利益とすることで調和を実現しなければならない。さもないと、結局は企業自身も労働組合との衝突(「年間賃金保証」vs「雇用賃金プラン」)を受けたり、政府からの規制を受けたりすることになり、その時には余計に痛手を被ってしまうことになる。マズローが「完全なる経営」の中で強調した「シナジー」のコンセプトとも密接に関係があるであろう。
 また人の動機づけという点で、企業は働く人に責任を要求しなくてはならず、そのための方法として4つあげている。
・人の正しい配置
・仕事の高い水準:目標の設定
・自己管理に必要な情報:目標に対する評価をタイムリーにできるように情報提供すること
・マネジメント的視点を持たせる機会:仕事の設計への参画や職場コミュニティ活動でのリーダシップを発揮させることなど

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2015年03月08日

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