遠藤真美のレビュー一覧
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経済学の知識のアップデートに取り組んでますが、これはかなり面白かった。
リチャード・セイラーは、カーネマンらに続く行動経済学第2世代というべき人で、ノーベル賞を受賞、ナッジなどの概念の提唱者ということで、有名。
この本も10年違く前に出ているのだが、今更ながら、読んでみた。これまで行動経済学関係で読んだ本の中ではベストかな?
基本、彼の学者人生の物語に沿って、彼が研究したテーマなどが紹介されていくわけだが、これが個人史にとどまらず、行動経済学史にほとんどなっているのがすごい。
さまざまな面白いエピソードと一緒に紹介される議論もわかりやすい。日本語タイトルの「逆襲」はちょっと変だが、行動 -
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ネタバレ経済学初心者向けの経済学がどんな問題を解決できるかを例示した啓蒙書です。以下は私向けの備忘録です。ーーーーーーー
★貧困について:貧乏な人に条件をつけずに(生活保護ではなく)一定のお金を配ることで、人々の生活は良くなり、健康を維持できる(平均的に)お金の欠乏から救って処理能力を上げてやることで貧困の罠から抜け出せる。
・人は同じものとして扱うべきという考え方は、アダム・スミス、ジョン・シュツ ワート・ミルの時代の経済学の考えの要である。
★育児について:「添い寝」が乳幼児突然死症候群のリスクを少し上げる。喫煙と飲酒は絶対に避けるべき。
★気候変動を食い止めるには:うまく設計されたピ -
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たぶん普通のひとの経済学のイメージが変わる本です。
経済学は「世界をよりよいところにし、人間の繁栄を促進する」学問で、そのために実証的なエビデンスに基づいてベターな(唯一の、でも、必ず成功する、でもない)方法を提示します。
本の目次の一部ですが、「しあわせになるには」「謙虚になるには」「貧困をなくすには」(政策的なアプローチ)「お金持ちになるには」(個人としてのアプローチ)、そして「世界を救うには」という章のタイトルは、経済学がエビデンスに基づいてどれほど幅広い提案ができるか、そして、私たちがどれほどいろいろなことに活用できるかを示していると思います。
目からウロコの一冊でした。 -
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2050年の世界とは。見えない世界を、できる限りのサイエンスの力で予測する。とはいえ、予測は当たらない。だからこそ、その輪郭を示し、それに備えることに意味があるとしている。
社会のあり方はどのように変わるのか、ベルリンの壁はなくなり、中間層の経済圏がどこの国でも出てくる。インド、中国が、西洋の生活を羨ましく、そうなりたいというエネルギーが消費を促していく。
政治と経済は分離すべきという西洋の考え方を大きく飛ばして、中国は政治的な経済的成長を西側諸国に向かって伸ばしていく。権益取得、中国という国自体の繁栄のために、政治が経済を動かしていく。
各地域、各国の分析も非常に広いが、示唆に富む。 -
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読んでいる間ずっと面白かった。話し上手な教授の講義を受けているような感覚。国際政治や経済、投資に興味がある人にお勧め!
世界の力関係は北米・欧州からアジア=中国・インドへシフトしていくが、中国の高齢化が進みアメリカが返り咲く。日本は日本でありつづけるが、内向きな姿勢が強まる。
以下気になった点のまとめ
・新興国でもサービス経済へのシフトが進む。今後は世界が買いたいと思うサービスを創造するスキルがなによりも重要になる。買いたいものリストのトップには教育と医療がくる。営利目的の大学が成長することもあるかもしれない。
・少子高齢化が進んで自分の親よりも生活水準が下がることを若い人たちが受け入れる覚 -
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220312 イノベーションうんちく集、秀逸 超見識
天声人語に通じるものがあるがレベルが違う
町の床屋談義と世界の教養、この差異はなんだ 英国の見識
外岡秀俊さんに尋ねたかったところ
1.生産性のパラドックス=イノベーションは経営改革
ロバート・ソロー「コンピュータは生産性を改善していない」(1987)→経営改革・社会改革が必要(138)
2.貨幣とは債務 信頼と交換のシステム 「情報」
3.複式簿記と管理会計
①業績を測定②ベンチマーク活用③目標を設定
④計画を策定⑤遂行状況の管理
⇒組織のVISIONを実現するための道具
不正対策 透明性と説明責任
→マッキンゼー戦略経営コンサルタント -
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新しい学問分野(伝統的な経済学の大前提に真っ向から挑む「行動経済学」)が、学会の権威たちから「棒打ち刑」を受けながらも、影響力を高めていった過程が、自らの研究者人生を振り返りながら、詳細に書かれています。
最近読んだ 「最後通牒ゲームの謎」で「エコン」という言葉を知り、参照文献にあげられていたこの本を手に取りました。
しかし、「エコン」の定義から書かれているかと思ったら、そうではなく、経済学の世界では「ホモエコノミカス」という経済合理性に基づき行動する人間は、今更定義をおさらいするまでもなく周知のもののようで、「ホモエコノミカス」では長ったらしいので、著者は「エコン」と呼んでいるとだけ書かれ -
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RADICAL MARKETS エリック ポズナー 東洋経済
『選挙制度の抜本的な改革案』
間接民主主義の基本である「選挙」が
一人一票という二択的な選択による現状で
利権者に都合のいい多くの矛盾が生み出されている
そこで考えられたのが
二次的投票システム「クアドラティック・ボーディング(Quadratic Voting)である
これは『RADICAL MARKETS』2018年エリック・ボスナーとグレン・ワイルによって世に出たシステムである
この制度において
有権者はそれぞれ99ポイントを持ち
投票では一票につき2乗のポイントを消費する
つまり一人に1票を投票する場合は1ポイントを消費する -