遠藤真美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・プロセペクト理論の鍵となる予測は、人は利得よりも損失に敏感に反応する。
・スタンレーは自家の芝刈りに、10ドルのバイト代がもったいないからバイトを使わない。でも隣家の芝刈りを20ドルでやるかと聞いたら「するわけないだろ」と答える。
・次の①②は同じ設問なのに、選択が異なる。損失にはギャンブルするが、利得は確実なものを選ぶ。
①300ドル貰えた上で、次のどちらを選ぶか。
A)確実に100ドル貰える(74%)
B)50%確率で200ドル貰えて、50%確率で何ももらえない(26%)
②500ドル貰えた上で、次のどちらを選ぶか。
A)確実に100ドル失う(36%)
B)50%確率で200ドル -
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Posted by ブクログ
筆者は、世界金融危機を収拾した立役者の1人であり、「錬金術師」とも評された前イングランド銀行総裁。
安定した将来見通しが得られない不確実性と経済の不均衡が常に存在する現在、従来の金融の仕組みでは、必ず危機が再来すると警鐘を鳴らす。そこで、中央銀行の果たすべき新たな役割を提案。世界経済の不均衡を原因とする迫り来る危機に対処するには、短期的な処方箋である金融の量的緩和政策では効果がなく、新たな思想にもとづく経済学と政策の仕組みが必要だと力説する。
私の言う「錬金術」とは、紙幣はすべて、金など、そのもの自体に価値がある商品にいつでも換えられる、銀行に預けているお金は、預金者が払い戻しを求めれ -
Posted by ブクログ
オールドグローバリゼーションとニューグローバリゼーション。
1990年以降、世界貿易に占めるG7の割合は低下し、中国、韓国、インド、ポーランド、インドネシア、タイが増えた。
オールドグローバリゼーションは、蒸気機関の発明による産業革命で物流コストの低下がきっかけ、ニューグローバリゼーションはICT革命によるアイデアの移転コストが低下したことがきっかけ。
オールドグローバリゼーションは選手のトレード、ニューグローバリゼーションはコーチの派遣。
次の革命は、人間の移動に変わるテレプレゼンスとロボット化で人間が移動するコストが低下するのと同じ効果が表れる。
比較優位が国単位ではなくなった。 -
Posted by ブクログ
ノーベル経済学賞を受賞した作者による受賞内容に関する一般者向けの本で、自分の研究履歴を振り返りつつ、行動経済学の進展を説明している。この分野へ入る切掛けは、やはりカーネマンとトベルスキーである。
作者は経済学者なので心理学より経済学に重心を置いてきたが、経済学の重鎮からは冷たく辛く当たられたようだ。アメリカにおいてもだ。
21世紀になってようやく少しずつ理解者も増え、「ナッジ」を出版してから諸外国でも政治に活用し始め、”行動科学”として認知されている。
経済よりも心理学として効用が先に実用化されたというのは、作者にとってはカーネマン/トベルスキーを超えられなかったという気持ちがあったの -
Posted by ブクログ
本の帯に「桁外れの知的衝撃! ジャレッド・ダイアモンド級!」と書かれている。「ジャレッド・ダイアモンド」が大きく、「級!」があえて小さく書かれている。最初はジャレッド・ダイアモンドが絶賛でもしたかと思ったが、なんだか関係なさそうで、いくら日本だから本人が見ないし、主観だからいいとか言ってもその行為はまったく誠実さに欠いているところだ。また、タイトルにしても、『Money The Unauthorized Biography』であるところを、例の世界的ベストセラー『21世紀の資本』にあやかりたいところがみえみえなのである。著者本人や内容には関係ないだろうからよしとしたいが、出版元はせめて罪悪感は