作品一覧

  • トランプの貿易戦争はなぜ失敗するのか それでも保護主義は常態化する
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    1巻3,080円 (税込)
    ■2025年4月2日、アメリカは、かつて自ら構築し、主導してきた世界貿易体制に正面から攻撃を仕掛けた。トランプ大統領による関税措置、つまり「貿易の大ハッキング」だ。 ■その根底にあるのは、アメリカを世界貿易の犠牲者とみなし、国内外のグローバリストやエリートたちに裏切られたとする「不満ドクトリン」だ。このドクトリンによれば、関税は報復の象徴であり、不公正な相手国を罰するものだ。だが、関税でねらいどおりに貿易赤字を解消し、国内の産業を復活させ、中間層を苦境から救済することはできない。しかし、政治的には強く支持され、保護主義がニューノーマルとなる。 ■アメリカが世界貿易秩序のリーダーから退いたいま、日本はどう対応すべきか。国際経済学の権威がトランプ政権の関税措置発動の背景を明らかにし、世界の行方を展望する。 【目次】 日本語版序文 第1章 貿易の大ハッキング  第2章 不満ドクトリン  第3章 カオス 意図したものか、機能不全か  第4章 関税は中間層の助けにならないが、それでもワシントンで支持される理由 第5章 関税では産業の復活はできない  第6章 関税では貿易赤字は解消できない  第7章 アメリカと中国の対立は貿易戦争ではない  第8章 貿易ハッキングは世界を分断するか  第9章 ハッキングによって世界貿易秩序は壊されたのか  第10章 ポスト・アメリカ主導時代への戦略  第11章 なぜリーダーたちは立ち上がらなければならないのか  付録1 関税と工業化の歴史上の事例/付録2 貿易赤字を改善すると考えられていた革新的出来事が、為替レートで相殺されたことを示すわかりやすいふたつの事例  監訳者解説
  • GLOBOTICS (グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変
    3.4
    破壊的変動の先にある未来とは? 農業から工業へ。モノからサービスへ。そして今始まった「グロボスティクス転換」。 国際経済学の大家が、デジタル革命のかつてない衝撃を歴史的な視点から捉える。 「新しい経済の姿を描いた、これまでで最もすぐれた本だ」(ローレンス・サマーズ、ハーバード大学名誉学長、元米国財務長官) 〇グローバル化とロボット化が同時並行で進む経済の潮流が「グロボティクス」だ。それは、従来のグローバル化、自動化とは異なり、変化のスピードが人間の適応力を超えるほど凄まじく速く、そして著しい不公平をもたらす。それがゆえ、人間社会に激的な変化をもたらす。 〇最大の衝撃を受けるのはサービス分野や専門職の仕事だ。デジタル技術が言語、人材の壁を超え、国境の内側に閉じ込められてきたサービスが解放され、一挙に、人材とサービスの世界市場が誕生する。世界各国で経済の70%以上を占めるサービスでグローバル市場が実現すれば、安定的な仕事・賃金によって支えられてきた社会の安定性は危機を迎える。特に、ホワイトカラーへの打撃は痛烈なものとなる。働き手を保護する政策が必要になる。 〇デジタル革命のもとで進む苛烈なグローバル競争のもとで、富の分布は大きく変わる。中間層は崩壊し、不公平感が一挙に高まる。グロボティスへの強い反発がポピュリズムの広がりとともに急速に強まる。政府は何ができるのか。人間はどのような社会をめざすべきなのか。個人が激しく競争する社会か、ローカル色の豊かな、人間的なコミュニティを基盤とする社会か――。 ○著者は大きな変動とポピュリズムを背景とする大きな反動を経た後に、より人間的な社会、地域性の豊かな社会が出現すると、ユニークな展望を示す。 〇前作『世界経済 大いなる収斂』で情報通信技術が世界経済をどう変えてきたのかを、経済理論を踏まえて説き明かし、高い評価を得た国際経済学の第一人者が、テレマイグランツ(遠隔移民:RIなどのデジタル技術によるバーチャルな移民)、AI、RPA(ロボットによる業務の自動化)、機械翻訳などのデジタル技術がもたらす経済・雇用・所得分布へのインパクトをとらえ、幅広い読者層に向け、デジタル経済の未来を問う。
  • 世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション
    4.0
    1巻3,850円 (税込)
    〇情報通信技術は世界の姿を一変させ、さらにグローバル化は進む。保護主義は時代錯誤だ。貿易ではなく、知識のフローの変化こそが重要なのだ。いまこそグローバル化の真実に目覚める時だ――。本格派国際経済学者が放つ話題の書。 〇人類史上のグローバル化の歴史を整理し、産業革命以前を「グローバル化前史」、産業革命以降、1990年以前を「オールド・グローバリゼーション」、90年代以降を「ニュー・グローバリゼーション」と名づける。産業革命以降のグローバル化により、先進国と新興国という「大いなる分岐」が進んだ。しかし、90年代以降のコミュニケーション技術の進歩により、モノ、アイデアの移動の制約が著しくなくなり、グローバル・バリューチェーン革命により、グローバル化の質が大きく変化、世界の富の分布が変わり、G7諸国と一握りの新興国との経済は収斂しつつあると論じる。そして、さらなる情報テクノロジーの進歩により、ヒトの移動さえ制約が解消されるグローバル化の未来を大胆に展望します。 〇最新の国際経済学の研究をもとに、収斂が進むグローバル化のリアルな姿を、豊富なデータ、日本をはじめとする各国の経験をもとに説得力豊かに描き出します。また、従来の比較優位理論や貿易政策・産業政策はもはや有効ではない、と説きます。世界の現実を理解するうえで欠かせない必読書です。

ユーザーレビュー

  • 世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション

    Posted by ブクログ

    なんて凄い本だ。あらゆる人に読んでほしい。政策立案に関与する人には特に読んでほしい。
    【以下のレビューにネタバレあり】



    筆者はグローバリゼーション進展を、①モノの移動コストの低下、②アイデアの移動コストの低下、③ヒトの移動コストの低下の三段階に区分し、産業革命は①を引き下げることで世界に「大いなる分岐」をもたらしてG7の発展につながり(第一のアンバンドリング)、近年のICT革命は②を引き下げることで世界に「大いなる収斂」をもたらし、その結果世界では途上国が急速に成長しているとする(第二のアンバンドリング)。
    第二のアンバンドリングにおいては、競争力の源泉は国ではなく、企業やサプライチェー

    0
    2018年06月06日
  • GLOBOTICS (グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

    Posted by ブクログ

    産業革命・IT革命が世界史特に人の生活や雇用にどのように影響してきたかを下敷きに、昨今のAIによりサービス業が破壊されるだろうが、まだきっかけを模索している、そのイメージをリアリティを持って感じさせられ、非常に面白かった。COVID-19前に読み終わったが、COVID-19をきっかけに、サービス業が大きく転換していくかもしれない、そんな未来を想像させると読後感を振り返って思う。

    0
    2020年04月28日
  • GLOBOTICS (グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

    Posted by ブクログ

    今、AIやロボットが、世界的な規模で経済、ビジネスを急速に変えている。こうした技術の進化とグローバル化がもたらす、破壊的変動について解説した書籍。

    グローバル化は従来、モノづくりの分野に関わる問題だった。しかし、通信技術やAIなどが進化した今日、グローバル化による影響は、サービス職や専門職にも波及しつつある。

    情報通信技術を利用して遠隔地で仕事をする労働者を「テレマイグランツ(遠隔移民)」という。先進国のサービス・セクターの労働者は、今後、遠隔移民との競争にさらされる。

    欧米の銀行では「ホワイトカラー・ロボット」が働いている。労働者を代替する目的で設計され、20カ国語を話し、数千本の通話

    0
    2021年06月13日
  • GLOBOTICS (グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

    Posted by ブクログ

    数年前、AIでなくなる仕事というのが話題になった。背景には、計算能力向上やディープラーニング活用事例の増加、シンギュラリティに懸念を示す著名人の影響がある。そうした時に必ず出てくるのがラッダイト運動で、第一次産業革命で織物職人が自動織機を壊す抗議活動である。今の世では、ラッダイト運動は既得権益者の抵抗と批判的に説明されるが、機械により新しい産業が生まれ雇用が回復するのに100年かかっていることを考えると、抵抗なく移行できるはずもない。

    本書は、イノベーションによる仕事、社会の変化を産業革命から現代までの歴史を振り返り、これからどうなるかを予測する。と書くとありきたりに思えるが、本書ならではの

    0
    2021年02月18日
  • GLOBOTICS (グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    GLOBOTICS グローバル化+ロボット化

    距離の束縛=地域主義 ○多様性 ×経済停滞

    1712~産業革命 蒸気機関 
     農業革命 農地の囲い込み運動(エンクロージャー)
     人口爆発 イギリス1750年からの100年で倍増
     工作機械産業 1770~

    1820~グローバリゼイション
     技術により農民減少、工業生産量急増
     鉄道による物流コスト引き下げ

    1870~第二次産業革命「大転換」
     農村から都市へ、土地から資本へ 

    1973~ニューグローバリーゼイション
     ICT情報通信技術が生産プロセスを地理的に分散

    AutoML by Google
     機械学習のアルゴリズムをどう設計す

    0
    2020年02月23日

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