あらすじ
◆避妊用ピルと法学部の女子学生の間の意外な関係性
◆室温28度のオフィスは、生産性が低い
◆パスポートがなければ、世界経済はもっと豊かに発展する
◆犂(すき)の発明のせいで、人間の身長は15センチ低い
◆バーコードの誕生が、シャッター商店街を増やした
◆蓄音機が貧富の格差を拡大させた
◆輸送用コンテナの発明が、日本の高度経済成長を後押しした
◆市民社会と私有財産制は、有刺鉄線が生み出した
◆もうひとつの発明がなければ、グーテンベルグの印刷機はゴミだった
新しいアイデアの誕生は、私たちの生活に予期せぬ影響をおよぼします。
経済の力関係のみならず、男と女の関係性も変わり、新しい勝ち組と負け組が生まれます。
FT紙の著名コラムニストが「粉ミルク」「電池」「カミソリ」といった身近なモノから、「S字トラップ」といったちょっと意外なモノまで、「50」のモノを軸に現代経済を解説します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
220312 イノベーションうんちく集、秀逸 超見識
天声人語に通じるものがあるがレベルが違う
町の床屋談義と世界の教養、この差異はなんだ 英国の見識
外岡秀俊さんに尋ねたかったところ
1.生産性のパラドックス=イノベーションは経営改革
ロバート・ソロー「コンピュータは生産性を改善していない」(1987)→経営改革・社会改革が必要(138)
2.貨幣とは債務 信頼と交換のシステム 「情報」
3.複式簿記と管理会計
①業績を測定②ベンチマーク活用③目標を設定
④計画を策定⑤遂行状況の管理
⇒組織のVISIONを実現するための道具
不正対策 透明性と説明責任
→マッキンゼー戦略経営コンサルタント
4.有限責任株式会社
巨額の資本調達 大航海時代 鉄道・鉄鋼・電力
直接責任のない経営者には「不正の誘惑」
→国家が損失を埋める時代
exリーマンショック 日本のバブル崩壊
資本主義経済の宿命 ダウンサイドリスクの負担
5.所有権オーナーシップ
1978鄧小平アップサイドリターンを許容=疑似所有権
収穫量は大増産 モチベーション!
資産 所有している有用なモノ
資本 金融システムが認識している資産
ex不動産登記システム→Digital化 透明性とスピード
6.保険システム 賭博か科学かビジネスか
人数 殺人 戦争の英雄
Posted by ブクログ
あたり前のように僕らの世界を作っている、モノの最初ころの物語です。エレベーター、コンサルティング会社、保険などはどのようにできたのか、興味深く、また面白く描写されています。私たちの世界はこのような人たちの努力によって日々進歩して、その組み合わせで進化してきました。私が知っていることはほとんどありませんでした。とても勉強になる一冊でした。
Posted by ブクログ
タイトル通り、今の経済を作った50のモノに焦点を当てて説明した本。
50のモノの挙げ方が絶妙で、しかも、プラスの面だけでなく、マイナスの面にも触れており、興味深く読むことができました。
著者は経済学者だそうですが、他にも面白そうな本を出しているようなので、そちらも読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
銃、病原菌、鉄やコンテナなど地味なものが歴史上重要だったらしいがそれの総まとめ的な本
派手じゃないけど人類に影響が強かったもの50を解き明かす本
イノベーションで目新しい技術にばかり目が行く、技術を知らない経営層(笑)の人に読んでほしいけど読まないだろうから若い奴ら読もうぜ
Posted by ブクログ
50の新しいアイデアが、それぞれ世界にどのような影響を及ぼしたかという話
列挙されたアイデアを眺めていると、今までの仕組みの設計変更が必要なアイデア(蒸気機関やバーコード)は、発明されてから世の中を変えるまでにタイムラグが生じている
→最近だと3Dプリンタが当てはまりそう
一方で、殆どの基礎的なアイデアは発明後も進化し続け、発明それ事態よりも進化が契機となって世界を変える
→電球、電池、プラウ
Posted by ブクログ
『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』(スティーブン・ジョンソン著, 朝日新聞出版, 2016/8)ほどではないが、世界にインパクトをもたらした発明の数々。今では当たり前の財が無かった頃に、人類がいかに発明し、実用化したかが綴られており、興味深い。
Posted by ブクログ
マット・リグレーの「繁栄」の冒頭で50万年前のハンドアックスと現代のコードレスマウスの写真を並べていたことを思い出しました。そこで人類の進化は交易を通じて一人じゃ出来ないことを積み重ねて成し遂げられてきたことを語っていました。この本の50のテップス(?)も人と人の交わりを活性化させるモノが多かったような気がします。本書で語られるのはモノそのものじゃなくて、そのモノが作り出した暮らしとか社会システムとかについてです。そして、そのそれぞれはお互いに絡み合いながら、現在に至るイノベーションの歴史を作っていくのです。取り上げられているトピックを備忘的にメモすると、蓄音機、有刺鉄線、セラーフィードバック、グーグル検索、パスポート、ロボット、福祉国家、育児用粉ミルク、冷凍食品、ピル、ビデオゲーム、マーケットリサーチ、空調、デパート、発電機、輸送用コンテナ、バーコード、コールドチェーン、取引できる債務とタリースティック、ビリーブックケース、エレベーター、楔形文字、公開鍵暗号方式、複式簿記、有限責任株式会社、経営コンサルティング、知的財産、コンパイラ、iPhone、ディーゼルエンジン、時計、ハーバー=ボッシュ法、レーダー、電池、プラスティック、銀行、カミソリと替え刃、タックスヘイブン、有鉛ガソリン、農業用抗生物質、モバイル送金、不動産登記、紙、インデックス・ファンド、S字トラップ、紙幣、コンクリート、保険、そして電球。この50のありとあらゆる雑多な事象がいかに経済というものを作り上げてきたのか、経済史というのはイノベーション史であり、人類の生活史なんだな、と感じました。そして、いまグローバルに蔓延するポピュリズムと言われるものはグローバル時代、デジタル時代の「ラッダイト運動」なんだ、と思い知りました。だから、これは過去の話じゃなくて現在進行形の話なんですよね。作者のスパイスもキリリと効いていて気軽な読み物ですが、考えさせることは大。スティーブン・ジョンソンの「世界をつくった6つの革命の物語」の経済版でもあります。