遠藤真美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
未来を予測するのに一番確実なのは人口。
これをベースに資源、環境、貿易、金融、技術、政府を語り、
さらにアメリカを先頭に、ヨーロッパ、アジア、アフリカ・中東、オーストラリア、ニュージーランドと
全世界を俯瞰、2050年の姿を予想する。
正直そんな真新しいことはない。今はまさにアジアの時代、そのあとアフリカの時代が来るか。
10の不安は
アメリカ政治の崩れ、中印米関係悪化、ロシア出すぎ、サハラ以南アフリカ貧困のまま、宗教戦争勃発、
環境悪化気候変動不可逆に、コロナが尾を引きさらに続く脅威、中東さらに不安定、情報革命の弊害、民主主義脅威
最後に10の考え方で締めている。前向きにと。
中間層が3分の2、アメリカは自信を深める、アングロ圏台頭、世界最大経済国中国が協調へ、
EUが中核国と周辺国に分かれる、インドとインド亜大陸に明るい未来、アフリカの重要性、
グローバル化はモノからアイデアと資金の移動へシフト、テクノロジーが社会課題解決、
人類と地球の調和のより取れた関係
不安の方がぴんと来てしまうけど、でも、何とかなるさ、とも思う。人間は賢く生きられる。
ただ、その前に、ひとつふたつ馬鹿をやって、もう取り返しがつかなくなることを仕出かす可能性は
否定できない。
そうならないことを祈る。孫以降の世代のために。
日本語版序文
◆ 世 界 の 現 在 地
序章 2020年からの旅
未来について考える /経済予測の核 /環境の課題 /テクノロジーの謎 /社会のあるべき姿についての考え方は変わる /政治、宗教、紛争 /よりバランスのとれた世界か、よりカオスな世界か /旅のつぎのステージ
第1章 わたしたちがいま生きている世界
アメリカ大陸――いまも未来の鍵を握る /ヨーロッパ――最も高齢な大陸 /アジアの新興大国――中国とインド /日本と韓国・北朝鮮 /東南アジアの「虎」 /アフリカと中東――世界で最も若い地域 /オセアニア――オーストラリアは幸運の国でありつづけるか /今日の世界が明日の世界を形づくる
◆ 変 化 を も た ら す 五 つ の 力
第2章 人口動態――老いる世界と若い世界
世界人口は100億人に向かう /老いる先進世界 /中国は縮み、インドは膨らむ /アフリカの人口急増 /なぜ人口動態はこれほど重要なのか
第3章 資源と環境――世界経済の脱炭素化
いくつもの懸念から一つの甚大な懸念へ /食料と水は足りなくなる /世界のエネルギー供給における地殻変動 /都市化、生物多様性、ほかの天然資源への圧力 /気候変動――なにが起きるのか、わたしたちになにができるのか /進むべき道
第4章 貿易と金融――グローバル化は方向転換する
2008~2009年の金融危機が残した傷跡 /国際貿易の性質の変化――財の貿易からアイデアと資本の貿易へ /金融と投資――新しい課題、新しい形のマネー /2050年の貿易と金融
第5章 テクノロジーは進歩しつづける
つぎの30年間に関する大きな疑問 /漸進型の進歩の重要性はとてつもなく大きい /通信革命はどこまで続くのか /なぜAIはこれほど重要なのか /監視社会 /ブレイクスルーはどこからやってくるか
第6章 政府、そして統治はどう変わっていくのか
民主主義への数々の挑戦 /代表制民主主義はなぜ支持されなくなっているのか /民主主義の機能を高められるのか /このまま手探りで進むか、民主主義を後退させるか、前進させるか /国際機関はどうなるのか /市場資本主義はどうなるのか /統治と社会の変化 /政府に対する考え方と2050年の統治
◆ 2 0 5 0 年 の 世 界 は ど う な っ て い る の か
第7章 アメリカ大陸
アメリカ合衆国――偉大なグローバルリーダーでありつづける /カナダ――多様性を享受する国 /メキシコ――世界の10大経済国へのいばらの道 /南アメリカ――果たされない約束、数々の失敗、飛躍する可能性
第8章 ヨーロッパ
ヨーロッパの夢は遠のく /イギリスとアイルランド――いばらの道の先にある揺るぎない未来 /ドイツとベネルクス三国――小欧州の中核 /フランス――憂鬱な美の国 /イタリア――強いリーダーを求める /イベリア半島――東だけでなく西にも目を向ける /スカジナビアとスイス――静かな繁栄 /中央・東ヨーロッパ――ロシアと西側の両にらみ /ロシア――世界最大の国を待ち受けるいばらの道 /トルコ――大きな機会と不安定な統治 /ヨーロッパのまとめ
第9章 アジア
アジアの世紀 /中華圏――世界におけるあるべき地位を取り戻す /香港と台湾――悩ましい未来 /インドとインド亜大陸――エキサイティングだが道は険しい /インドの隣国――パキスタン、バングラデシュ、スリランカ /日本――高齢化社会のパイオニア /東南アジア――危ういサクセスストーリー
第10章 アフリカ・中東
世界最速の成長がつづく /サハラ以南アフリカ――雇用を生み出す /北アフリカと中東――アラブ世界 /中東――安定を願い求める
第11章 オーストラリア、ニュージーランド、太平洋
幸運な国は一つではなく、二つになる /……そして太平洋――世界最大の海
◆ 本 書 の 大 き な 考 え 方
第12章 この先の世界を形づくる大きなテーマ――不安、希望、判断
確かなことと不確かなことのバランスをとる /10の不安 /10の大きな(主に前向きな)考え方 /2050年のその先に -
Posted by ブクログ
2050年の世界情勢を、さまざまなエビデンスを基に予想していく内容でした
生きていれば終末期にあたる時代になるし、子供はちょうど働き盛りになるので、興味本位に読みました
結構、楽観的な予想をされているような印象を受けましたが、それなりに説得力を感じました
先進国は高齢化が進んで縮小に向かい、新興国のなかでも、アフリカやインドが人口動態が若くて今後勢いが出てくる、だけど、上手く活かせられるのかがカギを握る、特に教育とインフラとのこと
日本は内向化が進むとのこと、また高齢化社会のパイオニアとして、良い実例を築いていくようなことが書かれてました、団結したり助け合ったりする国民性が、高齢化社会にマッチするのでは?との見解でした
先進国は基本的に高齢化が進みますが、アメリカだけは例外で、人口は増え続け、才能あふれる人材を磁石のように寄せ付ける移民国家であり続けるようなことが書かれてました、また、非白人がマイノリティになって、より多様化が進み、より、強みが増していく、引き続きリーダーでい続けるしその必要があるようなことが書かれていました
それから、気候変動にどのように立ち向かうのかがとても重要であること、中間層が増えるので、全体的には生活の質は上がるだろうけど、その分、環境負荷が増すので、葛藤になるような話もありました
ツラツラ書いてしまいましたが、いずれも興味深い内容で、ぜひこのまま生き続けて、どうなるのか実感してみたくなりました -
Posted by ブクログ
Nudgeとは、親象が鼻で小象をそっと触れる様子。表紙がズバリそれ。複雑で選択が多い世の中に、仕掛けをして人々が賢い選択をできるようにする。逆がスラッジ。物事を複雑化、ステップを多くすることで人々の選択する行動を止めさせる。携帯電話のキャリア変更が正にそれだった。
著者はNudgeを人々が良い選択をする手助けをするためであるということは一貫していて、サブリミナル効果と何が違うのか?や、選択の自由を奪うのでは?と言った反論にもきちんと対応している。
カフェテリアのメニュの並べ方も、人々の行動を促しているということが新しい気づきだった。だとしたら、Nudgeは特に権力者や持てるものだけが行っていることじゃない。あらゆるところであるんだなーという気づきが新しかった。
良いNudgeは目的(何を成し遂げたいか)と、透明性と自由度、これらどれもが欠けてはならないと著者は言っている。何百ある投信の中から最適な確定拠出のプラン選択するとなると、たいていの人はしない。それをデフォルトがあることで、将来の蓄えができるようになる。もちろんそれを選ばないという選択肢も残しておく。なるほど。
これからは、Nudgeを受ける側の人間として、あらゆる事象に「あ、これは行動経済学を効かしているな?」「このスラッジに負けてたまるか」という目線で対峙していく楽しみが増えた。そして、正しい判断をするための選択アーキテクチャであるか?この選択肢を設定する目的は何だろう?と問う目線をもっていたい。仕事では、利害のためでなく、世の中のために有効な選択的アーキテクチャを作り出せるような姿勢を持っていたい。
また、アメリカのクレジットカード事情、世界の臓器提供のルール事情等、行動経済学の前に、世界の事象を知るだけでも面白い。
ただ、400p強あるので、読むには根気が必要。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1900年から2000年の期間があまりにも変化の激しい時代だった。だから僕らはこの期間を生きているためにこれがずっと続くだろうと思っている。しかし、僕らの普通はほとんど起こりえない時代を生きたためにおかしくなってしまってる。変化の激しい時代も終焉を迎え、資本主義から新しい時代へと移っていく。公正と安定がより増す時代である。また今まで起こったようなとても大きなイノベーションはもう起きない。これから起きる変化は起きても小さな変化である。変化が小さいために、人間は退屈になってしまう。だから、娯楽やスポーツ、音楽、芸術がより発展していくように思う。そこにITは大きな役目を果たすだろう。消費資本主義は終焉を迎え、これからは競争ではなく協調が尊重されていく。そんな社会の中で主役となるのは、男性ではなく女性である。今まで求められてきた男らしさやリーダーシップではなく、女性のような協調性が求められていく。今まで人間は外部環境を変えることに努力してきた。しかしこれからは、内部(人の考え方や態度)を変えていくことになる。
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Posted by ブクログ
タイトルに明示されているように、本書は、21世紀の一般的な人々からすればラディカル(急進的)だと思えるような提案が多数盛り込まれている本です。しかし思考実験としては良いきっかけを与えてくれます。彼らが提案する制度が導入されるとどんな世の中になるのだろう、という想像です。本書は所有権の部分共有による切り崩し(1章)、投票制度の改革(2章)、移民制度の改革(3章)、機関投資家の力の切り崩し(4章)、データを労働力としてみる(5章)、というような構成になっていますが、特にインパクトが大きく、著者らが特に力点を置いているのが前半の所有権の切り崩しと選挙制度の改革でしょう。
私は特に2章の投票制度について関心を持ちました。投票制度の問題は以前から議論されていて、アローの一般可能性定理やアマルティア・センが指摘したパレート最適の毒性問題があります(詳細は、たとえば『「きめ方」の論理』ちくま学芸文庫を参照のこと)。パレート最適の毒性問題を回避するための一つの方法は、「自分が関心の低い事案については投票しない(意見表明を差し控える)」ことです。これは自己抑制的という意味でアジア的な解決策と言えるのかもしれませんが、本書が提示しているQV方式と呼ばれるものはその逆で、「自分の関心が高い事案については、他人より多くの票を投ぜよ」という解決策です。私はこれを自己主張的な欧米型の解決策ととらえました(人間は自己主張しなければならないという欧米的な強迫観念が背後にあるとも言えます)。この場合、少数のその事案に高い関心がある人の意見が、多数のあまり関心がない人に勝つ可能性があるわけです。
その意味で、本書は確かにラディカルな制度提言が盛り込まれていて興味深く読みましたが、いずれも自己主張、競争、対立といった価値観が著者らの背後に見え隠れしており、そのような価値観に社会が覆われているという意味できわめて欧米的であります。つまり、逆に自己抑制、協調、和合の社会設計という選択肢についても可能性がないのだろうかと本書を読んで思いましたが、いずれにせよ頭を柔らかくする、想像力を働かせるという意味で面白い本でした。 -
Posted by ブクログ
2008年に初版が刊行された、行動経済学の実践的概念の一つである「ナッジ」のメカニズムと活用手法を解説した一冊の増補改訂版。
人々が日々行う意思決定において直感に頼った場合に陥り易いバイアスや誤謬、他人からの誤った影響に起因するミスを回避し、より良い選択を”そっと後押しする仕掛け”がナッジであり、最も望ましい選択肢をデフォルトにする、多過ぎる選択肢を適切にキュレーションする、さりげなくインセンティブを設定するなどの”仕掛け”により、カフェテリアのメニューの配置から確定拠出型年金や臓器提供といった公共性の高い政策を含めた幅広い分野において、最終的には自らが選択する自由を確保しつつ、「より良い選択を簡単にできる」ようにすることが可能であると説く。
本改訂版で追加されたナッジ批判への反論では、ナッジが悪用され、消費者が知らないうちに誘導されてしまうのではないかとの懸念に対し、ナッジする側が守るべき透明性や公知性といった基本原則をまとめた「ナッジの権利章典」の策定を提案しており、結局のところ企業や政策担当者がナッジで目指す目標を明らかにした上で、選択肢を適切にデザインする”良心頼み”となる感は否めないが、ナッジする側・される側両面の立場から多くを学べる行動経済学の入門書として読む価値がある。