読んでいる間ずっと面白かった。話し上手な教授の講義を受けているような感覚。国際政治や経済、投資に興味がある人にお勧め!
世界の力関係は北米・欧州からアジア=中国・インドへシフトしていくが、中国の高齢化が進みアメリカが返り咲く。日本は日本でありつづけるが、内向きな姿勢が強まる。
以下気になった点のま
...続きを読むとめ
・新興国でもサービス経済へのシフトが進む。今後は世界が買いたいと思うサービスを創造するスキルがなによりも重要になる。買いたいものリストのトップには教育と医療がくる。営利目的の大学が成長することもあるかもしれない。
・少子高齢化が進んで自分の親よりも生活水準が下がることを若い人たちが受け入れる覚悟ができているのであれば、高齢化社会は円滑に機能できる。この点で日本は和を尊ぶ伝統的な精神のおかげでいまはなんとかなっているが、この先どうなるかはまったくわからない。
・北朝鮮の出生率は2弱と高い。なぜ経済が成功している国の人が選ぶ子どもの数のほうが、貧困にあえぐ国の人よりも少ないのかは謎である。
・先進国のグリーン化が地球の反対側で環境に悪影響を与えるときがあることを知っておかなければいけない。
・アジアの人々は西側の模倣ではなく、自分たちの未来を自分たちで選びとるようになる。西側はそれを品位と敬意を持って受け入れなければならない。
・西側社会の一部の特徴、とくに集団としての調和よりも個人の人権を過剰に重んじる傾向は、人を幸せにしないと気づくようになるとも期待している。
・日本は2050年も世界の大国でありつづけ、国民は文化生活を送っているが、経済のほとんどの分野で世界の最先端から遠ざかっている。結束力のある安定した社会でありつづけるが、世界にあまり関心を持たなくなる。
・いまは世界で不寛容が高まっているが、寛容と不寛容は定期的に入れ替わり、もうすぐサイクルが逆転するかもしれない。