和田竜のレビュー一覧
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前作「村上海賊の娘」以来12年ぶりの新刊。
織田信長の絶頂期、丹後の国を治めていた足利将軍家一門の一色家。
明智光秀に属する足利家傍流の細川(長岡)藤孝・忠興親子に当主一色義員を討たれ、若干17歳で家督を継いだ一色五郎は、強烈な個性と圧倒的な戦闘力で家臣を引っ張る。
領国分割や藤孝の娘伊也との政略結婚、信長への臣従などの難題に特に反発することもなく唯々諾々と従っていた背景には、「一色家の業報」と呼ばれる一色宗家の隠れた歴史があった。
江戸中期に成立した「一色軍記」「細考輯録」などを主な種本として何年もかけて物語を構築したもので、時代背景や登場人物間の人間関係などよく練られ、織り込まれて -
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和田竜さんの新作時代小説。
私のオールタイムベストが「村上海賊の娘」なので、それを超えてくるか期待を持って読んでみた。とても面白かった。
戦国時代。織田信長から豊臣秀吉に変わるあたりの時代背景。丹後の国を治める一色家と長岡家の壮絶な関係性を描いている。
主人公はタイトルの通り一色家の当主、一色五郎。そしてそのライバル的な立場で描かれるのが長岡家の次期当主、長岡忠興(ただおき)だ。この2人を中心に、一色家と長岡家のそれぞれの様子が描かれていく。信長との関わり方や、光秀との関係性や、本能寺の変の後の行動などが詳細に描かれている。戦国時代の大名の行動原理が、その心理とともに描かれていて、説得力があ -
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和田さんは「のぼうの城」「村上海賊の娘」など陽の当たらないところから主人公を見つけてくる。
ただ、この本は読み始めてから10日ぐらい掛かってしまった。主人公の一色五郎は歴史資料が乏しく、良くも悪くも曖昧さが付き纏ってしまう。
圧倒的に合戦で勝っているのに、途中で離脱したり、支配地の分割も配下が反対しているのに勝手に了承。どんどん味方が卑劣な策略で殺されているのに見殺ししたり、敵方の織田信長の指示で馬揃えに参加したり。何か秘密があるのだが(上)では明かされず。
また、ライバルである同年齢の細川忠興は、驕慢な性格の上に一色五郎への僻みが酷すぎる。史実でも、怒りで部下や領民の手討ちが多かったそうなの