あらすじ
難波海での睨み合いが終わる時、夜陰に浮かび上がったわずか五十艘の船団。能島村上の姫、景(きょう)の初陣である。ここに木津川合戦の幕が切って落とされた! 煌めく白刃、上がる血飛沫。炸裂する村上海賊の秘術、焙烙玉。眞鍋家の船はたちまち炎に包まれる。門徒、海賊衆、泉州侍、そして景の運命は――。乱世を思うさまに生きる者たちの合戦描写が、読者の圧倒的な支持を得た完結編。
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Posted by ブクログ
はい、というわけで全編にわたり手に汗握る合戦シーンが描かれる第四巻は、村上海賊(毛利水軍)の大勝利によって幕を閉じたのでした!
いきなりのネタバレ?
いやいやいや、本作は史実にある「第一次木津川口の戦い」を描いていますのでね
そんなことは最初から分かった上で読み始めるのが正しいのです
譲りませんよ!
そしてこの和田竜さん
作中のちょっと馴染めない史料のねじ込みからも分かる通り、その辺のところかな〜りこだわる作家さんぽい
なのでこの和田竜さんの想いを汲むならば、本作を読む時は、ちゃんと史実を当たってから読み始める方が、よりしゃぶり尽くせると思うのだ
ええ、譲りませんとも
わい泉州侍でっから!
そして唯一史実に登場しない(村上海賊当主の武吉に娘はいたらしい)景姫というキャラクターが縦横無尽に暴れまわることで、史実にとんでもない色付けをしてるわけです
やっぱ小説家ってすげーわ!
うん、史実を知ってたほうが、この凄さも、より感じられると思うんよな〜
というわけで史実の通り毛利水軍大勝利です!(^_^)v
戦のシーンが面白い!
政治的な話は良く分からなくて退屈だったけど、いざ戦が始まるととても楽しい!
戦場に生きた人々に胸が熱くなりました!!
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総合して「少年ジャンプ」の漫画を読んでいるような勢いがあって、熱さがあったなぁ。
コミカライズしやすそう(したら面白そう)と思ってたら、既にコミカライズしてた!
歴史小説というジャンルは今までほとんど読んだことがなくて、今まで読んだことがあるのは「燃えよ剣」くらいだった。
元々、日本史・世界史の授業が苦手だったこともあり、苦手意識で歴史小説に手を出さなかったんだけど、これは完全に「エンターテイメント」だなと思うし、かなり面白かった。
これが史実だとは思わないけど、もっとこういう小説に触れてきていたら、日本史の授業も好きになっていたかもしれないと思うと、ちょっともったいないことをしてきたなと思う。
七五三兵衛がカッコよすぎた。
景の「強敵と書いて、友(とも)と読む」的なライバル立ち位置で、しかも男女の気持ちも少し混じりつつ…と熱い展開でした。
就英に輿入れするかと思ったのになぁ。まぁ、その辺は史実があるので、変に改変しなかったんだろう。
これを切っ掛けにその当時の価値観とかをもっと知りたくなったし、日本史を学びなおしてみたいなと思った。
また、ちょっと別のジャンルを読んだ後にでも和田竜作品は読んでみたいな~と思った。
Posted by ブクログ
最初は難しく感じるし、うちの子達も挫折した
でも、そこを耐えて!!!
景(キョウ)が出てきたらあなたの勝ちです
あとはスルスルと引き込まれてやめられなくなりますよ
難しいと思うところはいっその事飛ばしても良い!(コラ)
騙されたと思って読んでみて欲しい
全4巻
Posted by ブクログ
読み切るの勿体無い...と思いつつ読む手を止められず読んじゃった。七五三兵衛が鬼強くてどうなるの...?とこちらまでハラハラした。景親が覚醒したシーンもめっちゃ良かったな。しかも歴史に名を残す名手になるとは...。宗勝もいい!と思ったし、言い方はあれだけど名キャラ揃いだ。
景は自家を守る気なんて毛頭なかっただろうけど、留吉たちを救う気持ちだけで痛々しい姿になろうとも戦い続けるのがかっこよかった。それぞれがそれぞれの立場で自分を全うする。これこそ人生の醍醐味だよなぁ、なんて。
村上水軍のこと、もっと知りたい。島巡りしたいな〜!戦国時代の虜になったし、史料に基づく歴史小説をもっと読みたくなった。
めちゃくちゃ面白かった!
Posted by ブクログ
これまで読み進めてきた1~3巻のすべては、この第四巻の前フリであることを知る。1冊丸ごと海戦シーン。
息詰まる攻防、やってやられてやり返す、果たして結末は?!
おもしろい本とはこういう小説のことなのだろう、と思わせる一冊。
Posted by ブクログ
村上海賊を中心とした戦国物語
完結に向けてどんどん加速度増して読み進めてしまいました^^;自分も鬼手の虜かも
読み終わって、史料にこだわった作品だと理解する事が出来ました。
Posted by ブクログ
いっきに読んでしまいました!
なかなか決着がつかない戦いに手に汗を握りました!
でも1番良かったのは、弱虫景親の覚醒ですねー^_^
瀬戸内海を船で旅したくなりました^_^
Posted by ブクログ
シリーズを通して、ここまで景を好きになるとは思わなかった。まっすぐで、強くて、美しくて、愚かで、考え方の甘い少女の生き方が羨ましく思った。その姿に鬼手を見出して集結していく武将たちが、今の時代にない死生観で見入ってしまった。あと海賊ってほんとにこんなんだったの?笑 殺し合い中にめっちゃ船の上で(船の船同士で?)言葉をかけ合っているのにはつっこみを入れながら読んだ。
そして戦いが終わった後の彼女の涙に、すごく感情移入してしまった。やっぱり彼のことが、あの夜から好きだったんだな、と。イケメンのことが好きとかいいつつ、思いをまっすぐ寄せてくれる大男に弱いその気持ちはなんだかすごく理解できた。笑 そしてその大男と対等に繋がるためには、殺しあうしかなかったのは切ない。とはいえ、憧れのお姫様のように海の底に沈んでいかなくてよかった。景も兄も弟も、シメもドウムも次郎も義清も、孫一も留吉たち門徒もみんな好きな人たちだった。あと児玉ナリヒデも。すごくすごく面白かった歴史小説だった。
Posted by ブクログ
激アツ、手に汗握るとはまさにこの一冊。
まだ終わらない、まだ終わらないを繰り返して、壮絶な結末。とにかく最後はスターウォーズのオビワンvsアナキンを彷彿させる描写。最後は嫌ぁな坊主をとっちめて終わる、気分もスッキリ、間違い無く過去一来た。
全四巻、気づけば2日で読み終わっていた。
冒険活劇が好きな人は是非読んでほしい。
Posted by ブクログ
大坂本願寺と信長の戦いの中で、毛利家の要請で兵糧を搬入できるかどうかを巡る村上海賊の姫視点のお話
前半は、女だてらに海賊の娘として闊達に振る舞う景が面白い
でも、戦の現場を始めて体験することで、自らの信念の甘さを知る
そして、打ちひしがれて島に戻ってから再び戦場に赴く事になるわけだけれども、そこには熱い気持ちがこもっているのがわかる
焙烙玉が出てきたあたりで、戦国無双の木津川口の戦いだ!と気づく
あのゲームは史実を元にとんでもな展開にしているけれども、それでも史実に基づいた設定が随所にあるんだよなー
船同士を繋げるというのも、三国志でいう赤壁の戦いであったけど、満更嘘ではないようだ
戦国の世において、戦う理由はお家のためというのが前提のようだけど
本当にそうか?とも思う
七五三兵衛が戦う事を決意したのも、家だけ残ってどうすんだという意図もあったわけだし
多分、家への忠とはの問題提起になってるんだろうなぁ
そもそも家とは何かとかね
一方で、景は「義」で行動したのだろうな
「既に救われている」というのであればそう合って欲しいという想い
そして、「鬼手」の正体
前半から思わせぶりに「鬼手」という単語が出てくるわけだけれども、そんな事情だったのですねぇ
しかしまぁそんな単純なものですかね?
いや、でも景に限って言えば頭領の娘だし、かなり重要な旗頭になるのはわかる
あと景親は前半は情けないんだけど、やはり村上海賊の男だったのだなと後半でわかる
いやぁー、とても胸熱な小説でしたねぇ
Posted by ブクログ
自分の中で面白かった本ベストに入る位好き。
眞鍋と村上の戦いに終止符。 実話を基にした話だとは驚きだった。大好きな広島の島並を思い出しながら、読む手が止まらなかった。また読みたい。
Posted by ブクログ
天下統一の前、戦国の混乱の世が、これでもかとわかる駆け引きの応酬。
そんな中で、真っ向から人間の情に訴えるような村上海賊の娘に皆が影響を受けるというのが清々しい物語として描かれていました。
Posted by ブクログ
面白かったです。
文庫本(三)から続く戦のシーン。この(四)に入ると1冊まるまる物語の佳境。久しぶりにイッキ読みしてしまいました。ありがとうございました。って感じです。
Posted by ブクログ
ついに完結!敵味方問わず登場人物が魅力的だったからこそ、終盤で命を落とす姿は本当に悲しく、胸が痛みました。
この物語の素晴らしいところは、どちらの陣営も単純な善悪や正義ではなく「自家の存続」という切実な目的で行動していることです。だからこそ、敵対する相手でも応援したい気持ちになりました。
終章で主要登場人物たちのその後がまとめられていたのも良かったです。みんなそれぞれに戦国の荒波を必死に生き抜いたんだなと、しみじみと感じました。
唯一の心残りは、まとまった時間が取れずに飛び飛びで読んでしまったこと。このクライマックスは本当は一気読みで没入したかったです。和田竜さんの「のぼうの城」と「忍びの国」もいつか必ず読みたいと思います。
Posted by ブクログ
ほぼこの一冊すべてに海戦の様子が描かれており、
読み終えた時、少し疲れた。
あまりにも凄まじく、これが映画なら、
まさに手に汗握る展開が最後まで続く。
まるでホラーか、サスペンス。
NHKで村上海賊について2番組観ることができた。
村上海賊がどんな存在だったのかがわかり、
小説を読む時にイメージがより広がった。
村上海賊聖地巡礼の旅を計画しようかな
Posted by ブクログ
ついに決着の時が。七五三兵衛がつよすぎてびっくり。首と手に傷を負い死んだと思ったが、立ち上がる執念に怪物の底意地を感じる。読みやすく一気読みでした。
Posted by ブクログ
迫力満点の時代劇。
ほとんど戦いの描写で少しわかりづらいところも。
でも、これを読んだらしまなみの旅がすっごく興味深くなったよーー!!
能島の潮流体験でかつての合戦に思いを馳せ、、
景姫の闘志や心境には遠く及ばず、共感もできないけど、戦国に生きる人々の心意気、カラッと明るい泉州海賊のキャラが気持ちいい!
Posted by ブクログ
自家の存続
今自分が生きている日本という国には、なんかすごい時代があったんだなぁ、と。
この地でも刀で人が斬り捨てられてたのかぁ、と。
皆の望みは儚いものだった?
歴史もの、特に戦国時代の武勇伝はとっつきにくかったので、チャレンジできて良かった。本屋大賞様様です。
詳細な史実に裏付けられたそれぞれの生き様に、人間味を感じることができたから。ただ、斬り捨てるという感覚ってどんなものなのか、未だ不思議である。
海賊の娘、大活躍でした。
端から自家の存続なんて頭になさそうだったけど。
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合戦の描写が素晴らしく、文字を追うだけで臨場感が感じられ楽しめました。
七五三兵衛の最後はマンガみたいに劇的に描かれているが、それに違和感を感じない。
映画で見たくなる作品。
Posted by ブクログ
村上海賊の娘、最終巻。
ついに木津川合戦。
全編通してほぼ合戦シーン。
難波海と木津川の地理を頭に入れながら、船団の動き、それぞれの人物の位置、兵の動き、毛利方(村上海賊)のだれがどこにいてどの関船に乗り、織田方(眞鍋海賊)のだれがどこにいてどの安宅に乗り、何がどうなって誰が誰と格闘しているのか、どっちがどっちへ乗っ取りをかけているのか、誰が追い誰が誰から逃げるのか…、
正直整理するのが結構大変。
だけど、こんな読むだけでも大変で複雑な戦闘の動きを、よく文章に起こして書き切れるものだなぁ…。
この筆の勢いで、脳内解像度は荒いながらも合戦のスリルや臨場感は読み進めるうちになんとなく感じ取れてしまった。
史実はわかっているのに、こちらが優位に立ったかと思えばあちらが奮起し、途中ラスボスが潜んでいることを知っている読者としては、なかなか気が休まらない。
再読だと言うのにまんまと最後までどんなだったか忘れたまま、
ラストはアメリカ映画並みの、
えっ、まだなの?まだ安心できんの⁇
の連続で、一気読みしながらも本当に疲れた。
しかしこの当時の日本にいなくて、本当に良かったと思う。
圧倒的に死が今よりも身近に存在していて、死も生も今よりずっと自責であったこの社会では、個の尊重より家の継続に重きを置く価観感になるのは理解できる。ただ、万人の闘争状態だからこそ、そんな大事な家の存続でさえ、一瞬の判断でどっちにでも転んでしまうのだろう。
この小説ではそんな社会にあって個としての異彩を放つキャラクター達が活き活きと躍動する。
ここが時代小説の醍醐味。
その時々に共感したり、憧憬を感じたり、時に呆れたりもしてしまうが、それをふまえて、終章、史実を追ったそれぞれの行く末を読むと、なんとも感慨深い。
今までどちらかと言えば苦手だったけど、やっぱり中世の日本史もちゃんと勉強したいな、と改めて思わせてくれる読書になった。
Posted by ブクログ
歴史上の人物を躍動感のあるキャラクターにして、海賊界隈のストーリーを知ることができました。
史料を引用することが多い本作品はそれによってテンポが悪くなることもなく、キャラの味付けもいい塩梅にフィクション感を出していて読みやすい歴史小説になってるとおもいます。
しまなみ海道、能島、瀬戸内など、海賊由来の歴史を紐解きながら散策してみたいと思いました。
Posted by ブクログ
しまなみ海道旅行で立ち寄った村上海賊ミュージアムの売店で文庫本を買って再読。(当時、単行本で挫折した記憶が・・)
ミュージアムで村上海賊というものの存在をあらためてじっくり学びましたが、様々な史料から史実を勉強しながらこの長大なストーリーを楽しむことができます。
何より、個性が立っているたくさんのキャラクター。主人公は史料から想像したフィクションのキャラクターではありますが、周囲に実在した人物を織りなすことで話に奥行きが出ていました。
ブレない個性ある魅力的な主人公に思いっきり惹きつけられます。4冊に渡るストーリーをゴールデンウィークの旅行から丸1ヶ月、たっぷりと堪能できました。
Posted by ブクログ
最後まで手に汗握る激闘の連続。テンポ良く読めるし楽しいが、互いの形勢が何度も逆転しすぎて途中ちょっと疲れた。
あと全員総じて耐久力バケモンすぎ。
あくまで誇張表現として割り切って楽しめるが。
戦乱の世に生きた漢たちの悲哀も自由も、各々の生き様がかっこよかった。
現代のサラリーマン生活においても、俳味のない奴かおもしゃい奴か、自分は後者でありたい。
Posted by ブクログ
怒涛の4巻。
あっという間に読み終わった。
やっぱり村上・毛利方を応援しちゃうんだけど、ピンチを切り抜けよっしゃ!と思ってもまたすぐ別のピンチ。
敵も味方も押しつ押されつの大戦。
所々大阪者のひょうきんさに笑わされながらも、手に汗握る戦いだった。
やっぱ戦国武士にはかなわん。
恐ろしい人達だな。
景姫は創作人物だけど、よくこのキャラクターを考えついたなぁ。
設定的には結局景は何者だったんだろう?南蛮人?
ちょくちょく挟まれる説明が少し現実に引き戻してくるから気を削がれてもどかしくもあったけど、和田竜の作風ということで。
全4巻の大作長編だったけどあっという間に読めて楽しかった。
Posted by ブクログ
当時、話題になった時に、ランドセルを背負った子がふらふらと歩きながら読んでいるのを街中で見かけて、危なっかしいなあとは思いつつも、そんなに面白いのか!?と個人的に記憶に残っていた本書。長いからずっと後回しにしていたが、『のぼうの城』は面白かったし、色々と受賞してるらしいというので今更だが読んだ。
巻頭に地図が付いていて、地理関係を整理しつつ読めたのがとても良かった。ただ、登場人物の造形や物語の構成なんかは、良い意味でも悪い意味でも、現実離れし過ぎてて漫画的に感じた。特に七五三兵衛なんかはキザ過ぎて鼻につくし、その木津川合戦での描写はいくらなんでも…と思ってしまった。
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終わっちゃったー!
5章だけ長かった。全部戦だったけど。
全体的には読みやすくてよかった。戦のシーンも想像しやすかったし、史実があったら大河ドラマ化されてそう。
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村上海賊と泉州の海賊の一騎打ちとなる木津川合戦が描かれた完結編。
戦さの描写はエグいものもあるが躍動感あふれる戦さはまるで映画を見ているようにありありと映像が浮かぶようだった。
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たまたま村上海賊資料館に観光に行き、興味を持ち読んだ一作。
史実に基づいてるとのことだか、ストーリー立てやキャラ設定が良い。
のぼうの城は個人的にはいまひとつだったが、こちらは秀逸。是非映画化して欲しい。